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壁打ちの壁の責任と役割と在り方

最近、何よりも面白く興味をそそられているのは、大人が本気で志を語るのを聴くことです。そんな機会に出会う事はそうそうなさそうですが、1年半ほど前に本業で社会課題解決を目指す経営者が集まる団体、経営実践研究会に入会してから急激に、いい大人が熱く語るプレゼンテーションを聴く機会が増えました。

1000人イベント登壇のチャンス

実は私、6月に開催される経営実践研究会主催のナショナルフォーラムの実行委員長を務めておりまして、大阪の重要文化財に指定されている由緒正しきホール、中之島公会堂で1000人のオーディエンスが集まる大イベントを取り仕切っています。その企画で社会課題を解決する高い志と卓越したアイディアを披露する5名の会員プレゼンテーションの登壇者を選考する予選をすることになり、毎日のようにその練習に入らせてもらっています。1000人のオーディエンスの前でプレゼンテーションする機会などめったにあるものではなく、40名を超えるたくさんの応募者が集まりました。これが非常に面白く、興味深い内容ばかりが揃っている上に、私自身にとっても、とても勉強になる時間になっています。

魂を震わせる時間

中之島公会堂で行われるイベントでの発表時間は8分、予選会では5分間の短い時間で大の大人たちが自分の人生を振り返り、原体験から紡ぎ出された、世の中や、社会に対する憤り、これまで感じてきた不合理に向き合い、それを解決するためのアイディアを絞り出し、実践に向き合う姿は単に面白いとかだけではなく感動的すらあります。エントリーされたメンバーの短いプレゼンテーションを聴くたびに、ジーンと胸を震わさせられながらまだまだこの日本は捨てたもんじゃないと勇気をもらっています。

壁打ちの掟

また、メンバーが大真面目に真剣に社会課題に向き合い、志を語っているだけに、聴かせてもらっている側のこちらも当然ですが、本気でフィードバックをしなければなりません。プレゼンの練習のことを「壁打ち」と言います、壁打ちをするプレイヤーは聴いてもらっている壁からのフィードバックを真摯に素直に受け止めることで、トークをブラッシュアップさせます。また、何度も繰り返し壁打ちをする語り手と同じ様に打たれる壁側も成長する必要があるとここ最近でつくづく感じさせられました。

壁の責任

実は、大勢の前でプレゼンテーションを行う人の練習に壁として立ち、フィードバックをするのはそんなに簡単ではありません。自分が感じたことをそのまま伝えるだけなら、そんなにハードルは高くありませんが、プレゼンターの成功を支える大きな役割を担っていると考えると、個人的な意見を述べるだけでは役割を果たしたとは言えません。目的は、プレゼンテーションがオーディエンスの心に届き、感情を揺さぶり、魂の共鳴を起こすこと。非常に高い壁を乗り越えようとしている人をサポートするのは簡単なことではありません。

日本一の講演家に入門

私はプロの講演家ではありません。しかし、7年ほど前に研修事業を法人化してスタートするときに、講演する機会も増えるだろうと考えて、小田全宏先生のスピーチ講座の合宿の門を叩きました。人生を変えるセミナー講師と呼ばれる方に入門して、教えを乞うた経験があります。
おかげさまで、その後、定期的に全国で自社開催のオープンセミナーを行ったり、建築関連団体からのオファーを受けて、大きな会場での講演を務めたことを少なからずあります。そんな自分自身の経験を総動員して、プレゼンテーションの壁打ち練習に臨むようにしています。

エトス、ロゴス、パトス

小田全宏先生に教わって、その大きな効果性を実感した私は、人前で話すときに常に留意してきたことがあります。そのおかげで、これまで多くの人から共感や応援の声をいただくことができたと思っています。それは、アリストテレスが提唱していたとされる、ロゴス、エトス、パトスの3つの要素をきっちりと講演やプレゼンテーションの中に埋め込むことです。
ロゴスとはロジックであり、論理性です。エトスとは信頼や人格を指しており、リアリティーを持って聞いてもらえるようなコンテンツになっているか?パトスはパッションであり、情熱を込めて高い熱量で伝える。最低限、この3つが揃わ無ければ人の心を打つ事は出来ないのは私自身、これまで散々経験してきました。

世界を変える入り口

私は、昨年度ナショナルフォーラムで登壇させてもらう機会を与えられました。そこで、職人育成の高校を作りたい、建設業界の喫緊かつ深刻な職人不足の危機を救うとともに、学歴社会からこぼれ落ちた若者に希望とチャンスを手渡したいと、8分間で熱く語らせて貰いました。
そのプレゼンテーションを聴いていたオーディエンスの方々から、その後驚くほどたくさんのお声がかかり、多くのご支援をいただきました。そのおかげで1年足らずしてマイスター高等学院の設立及び開校が実現した経緯があります。ナショナルフォーラムの舞台には、世界を変えるきっかけを手に入れるチャンスがあります。予選会チャレンジしてる方には、そんな未来をイメージしながら頑張っていただきたいと思います。引き続き力いっぱいお応援します!

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社会課題、解決型事業モデルに取り組む経営者の祭典、ナショナルフォーラム、大阪はまだ若干座席があります。ゲスト参加も可能ですので、ご興味があればお気軽に高橋まで。

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