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問題解決思考では問題解決できない問題の処方箋

私は、かれこれ15年間の長きに渡ってビジネスコーチングを受け続けています。月に1度、1時間程度のコーチングで、コーチとの対話を通して心の底にしまいこんでしまいがちな自分の中の本質的な部分にアプローチするとても大事な時間になっています。先日もちょっとしたパラダイムシフトと言っても過言でない大きな気づきがありました。それは、私が大好きな問題解決思考は本質的な問題解決にならないと言うびっくり仰天なインサイトです。(笑)

問題解決思考の落とし穴

複雑怪奇な今の世の中を生きていると、ビジネスでもプライベートでも様々な問題や課題が生じてきます。それは、こうありたいとか、このようにしたいといった理想や願望があり、それがなかなか達成できない事に起因します。目指す目的や目標が高ければ高いほど、課題や問題が多く生まれる訳ですが、それらは大まか一朝一夕に解決する事はなく、課題や問題の質と量の大きさによって相応の時間軸を当てはめてスケジュールを立ててその解決に当たります。私は事業をシンプルに考えると全て「計画」と「実行」に集約されると思っていて、綿密な計画を立てて計画通りに確実に実行すれば一足飛びにはいかずとも地道な努力は必ず報われ、問題や課題は解決に進んでいくと信じています。これが私が大好きな問題解決思考です。しかし、不思議、かつ残念なことにそれが思った通りの成果に結びつかないことが少なからずあります。この思考に欠陥があることを繰り返し証明し続けているのですが、その部分に目を背けていたことに気づきました。

計画立案のキックオフmtg

人は計画を立てたくないし、立てられない

計画を立てて、実行すれば確実に解決に向かうはずなのにそうならない理由は意外とシンプルで、計画通りにことが進まないからだけです。このように書くと問題解決や課題解決を進める上で重要なのは計画の精度とその実行力だと思われがちですし、私も長年そのように考えて計画の精度を上げることに注力してきました。しかし、実は本当の問題はそこではなく、その他に根本的な問題が潜んでいることに今更ながら気が付きました。それは問題解決思考の中で生み出されるロジカルなことではなく、とても曖昧でぼんやりとした人の内面やマインド、意識の問題です。私が気づいたインサイトとは、基本的に多くの人は計画を立てたくないし、立てられない、立てても守れないものである。との衝撃的な事実です。にもかかわらず問題解決思考を当てはめるとまず計画を立てようとするのですからうまくいくわけがありません。

ビジョン共有のmtg

人の幸せのための最重要事項とは?

では、どのようにするのか?との問いに対する答えは、面倒でややこしく、難易度が高いですが、問題解決に対する意識とそれを進めるスケジュールに対する認識を根本的に変えるしかありません。まず、根本的な考え方として、問題解決は単なる手段であり、目的にはなり得ないことの認識です。計画を立てる目的とは、うまく行った時の幸せであり、思い通りに物事が進まない時の苦悩から解放されることであるとの定義が必要です。問題が解決されていないとしても、みんな幸せならばまあいいよね、と言った感じで、全てのタスクに必死で取り組むのではなく、何のために計画と実行を繰り返すのかを明確にして、本当に解決すべきこと、優先事項というよりも人生やビジネスにおける最重要課題について向き合うことで、計画を立てたくない人が計画を立てて実行しようと思えるモチベーションにつながります。私はこれを「志を立てる」ことだと思っていますが、長い時間をかけても必ず達成したい理想を見つければ人は動き出すと思うのです。

行動計画を立てるWS

結局、在り方から始めるしかない

また、計画通りに物事が進まないのは、計画に変更が生じるからですが、人生全て計画通りに進むなんてあり得ないし、突発的な出来事も起こります。絶対に変更が生じることを前提にして、クッションを入れた計画を立てること、うまくいかない前提の計画を立てることで、思い通りに行かない苦悩は随分と軽減されます。そして、計画が予定通りに進まないイレギュラーが起こるのは、イレギュラーが起こりやすい状態にあるからです。状態を整える意識を持って、自分で決めた習慣をキッチリとやり切れば、人は必ず成長するし、知識やスキルを身につけるし、人間関係が良くなるし、身体は健康になります。状態を整えることができれば、イレギュラーの起こる確率は圧倒的に軽減出来るようになり、計画を立てた通りに進めることが容易になります。計画外のことが頻繁に起こるから計画を立てるのが嫌になるし、思うように進まないことへのストレスが溜まっていきます。自分との約束を守る、その誠実さ、真摯さこそ問題解決思考の前に必要な在り方であり、その部分にアプローチしない限り、事業の本体である計画と実行は思い通りにいきません。結局、全ての問題、課題は自分の中にある、内面から変えていくインサイドアウトの原則に向き合うしかない、在り方から始める、もしくは初めてもらえるようにするしかないんですよね。ついでに、以前書いた整え最強論を参照しておきます。

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在り方を学び直す研修、無料勉強会を行っています。



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