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田坂広志 人類の未来を語る 未来を予見する「12の洞察」

私は現在、田坂広志氏を今、日本で存命している唯一無二の哲学者だと思っています。田坂塾なる田坂氏からのメールマガジンを受け取り、講演会に足を運び、オンラインのウェビナー参加する様になってから軽く10年以上経っており、塾生として強い影響を受けて来ました。私の思想や価値観、パラダイムは田坂広志塾長にかなりの部分をレクチャーを受けて形成されていると言っても過言ではありません。


田坂塾の塾生歴14年

田坂塾長が金融資本主義経済の危うさ、格差と分断を加速させて行き詰まりを迎えるのを予見して、目に見えない資産を蓄積、活用した新しい資本主義へと移行すべきだと「目に見えない資本主義」を上梓されその概念を唱えられたのは2009年、今から14年前に現在の行き過ぎた資本主義によって様々な社会課題が表面化してくるのを予見されていました。私はその当時から持続可能な自律循環型のビジネスモデル、地域社会の構築を標榜しており、信頼資産、関係資産、知識資産、文化資産に着目して事業の構造化を進めていました。田坂塾長の著書を拝読して衝撃と共に、原理原則に立脚したマーケティングの有用性を確信させて頂きました。ぶれない軸を持てる様になったのは塾長のお陰だと深く感謝しています。

小さなバタフライエフェクト

私が現在、世話人として関わっており、そこで立ち上げたプロジェクト、事業と同じ軸で活動を続けていると言っても過言ではない一般社団法人経営実践研究会。2年前に私がその会に興味を持ち、入会することになったキッカケは田坂広志塾長がアドバイザーに名を連ねてあったからです。パンフレットに塾長の名前を見つける事が無ければ経営実践研究会で活動することも、社会課題解決に向けた事業、マイスター高等学院を立ち上げることも無かったかも知れません。現在、法人立ち上げからたった4か月で全国に広がって会員、賛同企業が40社を超えつつ在るこのプロジェクトが生まれたのも田坂広志氏が起こしたバタフライエフェクトの一つとも言えます。

田坂広志 人類の未来を語る 未来を予見する「12の洞察」

そんな私が敬愛してやまない田坂塾長が新しい書籍を上梓されたのを見つけて早速購入、拝読しました。「人類の未来を語る」とのタイトルそのままではありますが、過去から現在までの流れをしっかり掴んだ上で明確に未来を予見されているのはさすがだと唸らされました。これまで数々の塾長が上梓された本を手に取って来ましたが、今回発刊されたこの書籍は前作の「死は存在しない」に続き、これまでの塾長が提言されてきたこと、示されてきた洞察の集大成のような印象を受けました。特に、今作は2005年に刊行された「使える弁証法」以来、ヘーゲルが示した法則を非常にわかりやすく世界の動向や情勢に当てはめて解説されており、改めて、テーゼ、アンチテーゼからのアウフヘーベン、そしてジンテーゼへの止揚が腹落ちして、世界は螺旋的成長を繰り返しているのだと深く理解することができました。

人類の前史から本史へのアウフヘーベン

世界は直線的な成長、変化をしている訳でも、絶え間ない進化を続けている訳でもない。その現実を正面から受け止めた上で、人類の全ての人の意識を本質的な価値観、平和や自由、平等といった全ての人の幸せを担保する方向へと変容させる必要を訴えられて、本当の民主主義が機能する世界へと進化変容する必要性と可能性を示されているのには、今年から民主活動家としての肩書を増やし、使っている私としては激しく同意すると共に、この書籍を多くの人が手に取って、理解されるようになったら、世界は一歩、成熟に向かうのではないかと淡い期待を持ちました。田坂塾長によると、利己主義、強欲、排他主義を突き詰めて再現なき拡大、成長を望む資本主義と格差と分断を深めるばかりの民主主義が形骸化した今の世界は未だ人類の前史であり、イデオロギーや宗教、経済等々、未成熟な現代社会がアウフヘーベンを迎えて初めて本史へと足を踏み入れることができると、厳しい予見を示されています。

真に民主的な世界への入り口

私が職人の社会的地位の向上を通して、人を人として見る、誰もが持つ才能を発揮できるチャンスと機会を創出する活動を行っているのは、言わば令和デモクラシーの一環であり、社会の成熟に対して一助となれば良いと考えてのことです。最も成熟から遠い建築業界の改革を進めることで、ひょっとしたらバタフライエフェクトが起こって、業界を超えて真の民主化への意識が高まるかも知れないし、そうならなければこれからの日本は増大し続ける社会課題の重圧に押し潰されてしまうと思います。
一人でも多くの人に、この本を手にとって田坂塾長の未来の予見。12の洞察を共有してもらいたいと思います。超絶強くお勧めします。

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人を人と見る。人が生きるに値する社会を作る。
職人は道具なんかじゃないとの憤りを原体験に職人の地位向上の活動を続けています。

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