見出し画像

絆経済と未来への挑戦 〜地域フォーラムin兵庫〜

先週末、私が世話人として参画している一般社団法人経営実践研究会主催の地域フォーラムin兵庫が初めて神戸で開催されました。250名近くの多くの方にご参加頂き、大盛況のうちに終えることが出来たのは、ひとえに実行委員長の戎さんをはじめとしたフォーラム実行委員会のメンバーの綿密かつ熱心な準備のおかげであり、また遠方から駆けつけてくれた研究会のメンバーに対しても本当にありがたく感じました。素晴らしい仲間に囲まれているこの環境に心から感謝です。

人を幸せにするのは金ではない、絶対に。

絆経済、未来への挑戦と銘打ったこの度のフォーラムでは、基調講演に非営利株式会社eumoの代表であり、経営実践研究会のアドバイザーも務めていただいている武井浩三氏をお招きし、金融資本主義社会の行き詰まり、本当に必要で有史依頼、誰もが求めて止まない「人の幸せ」と貨幣は何ら関係がなく、ファイナンシャルの原語であるフィニッシュ(終わらせる)のが貨幣の本質であり、人の幸せとは、人と人との繋がり、人と地域の繋がりにこそあるのではないか、人間関係を終わらせる貨幣に振り回されるのは本末転倒ではないか?との提言がなされました。
武井さんといえば、ご自身が創業されたダイアモンドメディアでティール組織を構築した企業運営で非常に注目されて、一躍、時代の寵児的に有名になられました。そんな煌びやかさとは裏腹に、若くして起業し、失敗した経験もされており、金に追い回され、一緒に起業した友人の人生をめちゃくちゃにし、投げ出そうとした時に父親に強く経営者としての責任を問われたとの思い出を語られて、この世の不条理を噛み締めたと述懐されていました。貨幣一辺倒ではなく、絆を大切にする本質的な経済の重要性に対する訴えは多くの人の心に届いたと思います。

民が済われない日本の経済構造

経済とは経世済民(世を治め、民を苦しみから済うこと)であるべきだと私は思っています。なので、大事なのは売り上げ、利益の最大化でもなく、際限のない成長でもない、人が人として、人らしく、生きられるシステムの構築を経済で実現しなければならないと思うのです。
とはいえ、実際の政治、経済を牛耳っているのは大きな権力を持った既得権益者であるのは間違いなく、その人や企業が自分の利権を手放して民の幸せを実現させてくれるほど、世の中は甘くないことも知っています。ちなみに、日本の法人の内部留保は516兆円に達しており、毎年増え続けています。2023年度予算の国の一般会計歳出は、114.4兆円であることを考えれば、その額の尋常でないのがよく分かります。また、上場企業は内部留保とともに株主配当を増やし続けており、上場企業の2023年3月期の配当総額は13兆9300億円、2年連続で過去最高を記録しました。その株主の内、海外の投資家が30%以上を占めており、上場企業で60%以上を海外の株主が保有する企業が数十社もあります。日本の賃金はこの20年間全く上がっていないのに、配当金の海外流出と内部留保は増え続けているのが日本経済の実態です。そりゃ、民は済われません。。

ボーダレス・兵庫

私がモデラーを務めたパネルディスカッションでは、子供から老人までごちゃ混ぜの福祉施設、ハッピーの家ロッケンを運営されている首藤さん、アパレルメーカーでありながら、無料の衣服の交換会「ぐるり」を全国に展開され貨幣交換ではない物々交換の価値観を広めた久本さん、そして神戸市の廃校利用で水族館やブルワリーを作ったり、東山遊園地という神戸の中心地に位置するにもかかわらず、ただの空き地のようになっていた公園の緑化と市民が集える場にする整備事業を行われた村上さんという神戸で特に先進的な取り組みをされている3名の経営者にパネラーになって頂きました。
未来への挑戦というタイトルを踏まえて、皆様に兵庫の未来についてどのように考えておられるか?からスタートしたパネルディスカッションは、兵庫県との括りを誰も意識せずに、もっとボーダレスに、もっと感性の赴くままに自分たちが出来る人の幸せに対して出来ることを行ってきたとの話になりました。まずは半径1.5mにいる人の幸せを目指さずに何を目指すのか?との首藤さんの言葉は胸に沁みました。

興味、関わり合い、融合

3名の先進的なパネラーとのディスカッションは、それぞれがそれぞれの分野で目指すことを勧めながら、お互いが行っている面白い取り組みに興味を持ち、関わって、中に入り込み融合する。そんな関係性を構築し、拡散し定着することで、これまでに無かった価値を地域から生み出せるのではないか?そんな希望を持てるとても面白く前向きな内容でした。絆経済って結局、人と人の繋がりを大切にするところから始まるものであり、それには「場」が必要で、そこに集った人たちが金で終わらせるのではなく、お金以外の価値提供で繋がり続けることを意識すれば、今の閉塞感漂う現状から一歩前に進めるように感じました。
世界中の幸福度が高いと言われる国を歩いて見聞を広めてきた久本さんが言われたように、人口500万人の兵庫県はフィンランドと同じ経済規模であり、彼の国のように、教育費、医療費、老後資金、失業した時の生活費の一切を公共で引き受ける、貯金も必要なければ将来に不安を持つことも無い国と同じ環境を作れる可能性があると、絆経済を本気で構築すれば出来るのではないかとの希望を持ってしまいました。

令和デモクラシー

上述の通り、現政権、上場企業もしくは上場はしていなくて既得権益をがっちり抱えて収益を上げ続けている人達に、そんな社会主義的公共福祉へのシフトなど出来るわけがありません。支配する側の人間はよりその支配を強めるのがこの世の定石であり、資本主義、社会主義、共産主義とイデオロギーは違っても結局、支配層が生まれ、民が中心の社会は出来ないのは歴史が証明し続けてきました。ロシア、中国、北朝鮮は全て人民の為の民主国家であると憲法に記されているのが分かりやすい例です。
本当の民主主義の実現を目指すなら、アナーキズムに行き着くしかないのかも知れませんが、緊迫する国際情勢等、現実を直視するとそんな単純な論理に帰着させるのは少々乱暴すぎると私は思います。
民主主義の実現の可能性があるのは、地域の良き意図を持った企業が連携を組み、絆経済を構築して、より良い未来を作り次世代に引き継ぐ意図を明確にすることです。このどうしようもない日本を変えるには、それぞれの地域から民が影響力を持つことしかないと思うのです。その共同体が再構築されたら、当然、自治体の政策にも民意が反映されるようになりますし、本当の意味の民主主義が実現する可能性があるのではないかと思うのです。未来への挑戦、諦める事なく推し進める。そんな決意を固める、初めての地域フォーラムin兵庫になりました。

_______________

真の民主化を目指して、タレンティズムに立脚した職人育成の高校と私塾を運営しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?