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生きるに値する社会を作るのは地域企業である理由

世界が大きな転換を迎えている現代、これからはこれまでの延長線上にない事はもう流石に誰しもが認知されていると思います。
世の中には解決不可能だと思えるほど問題や課題が山積し、それぞれが複雑に、そして深く絡み合って何から手をつければ良いのかさえ分からず、思考停止に陥ってしまいそうになります。しかし、「諦めたら、そこでゲームセット。」とスラムダンクの安西先生が言われたように、私たちは、未来に対する責任を放棄し、見て見ぬふりをする訳にはいきません。大人の責任として日本の未来を諦めてはならないのです。

生きるに値しない世界

今の日本はなんとなく閉塞感に包まれていると感じている方が多くおられます。この国に明るい未来が見えないと。実はそれは単なるイメージや風潮では無く、非常に厳しいデーターとして数値に表れています。
少子化、人口減少で国内需要が激減、マーケットが消滅するという人類史上かつて経験したことのない状況に陥っている日本の真実とは、30代以下の若者が死亡する原因の第1位が自殺なのは広く知られることですが、この世に生を受けたにも拘らず、生まれる前に強制的に命を断たれる中絶の件数は未だに年間に12万件にも上ります。そして、妊婦の死亡原因もやっぱり自死。その理由を一言で片付ける訳には行きませんが、とにかく多くの若者が今の日本を生きるに値しない、生まれてこない方がマシな世界だと判断しているのが事実としてどっかりと横たわっています。この深い闇から抜け出す解決はおいそれと出来る訳はないし、その課題のスケールを見れば国や自治体を巻き込まないとどうしようもないように感じます。それでも私たちは決して諦めたり、無関心を決め込んだりしてはならないと思うのです。

分割法でみる3つの課題

大して何者でもない私が日本全体を取り巻く巨大な問題に対して出来ることはほぼありません。しかし、一人の小さな行動は微力ではありますが無力では無いと思うのです。
大きくてぼんやりと掴み切れない問題は細かく割ってひとつずつを細分化して考えれば解決の糸口が見えると言われます。また、課題を小割りにして具体的な解決へのアプローチを探ることで根本的な課題、インサイトが見えてくるものです。
閉塞感に包まれ、若者達に生きるに値しないと絶望される今の日本の問題をよく議論されている論点をまとめて大きく分けると①経済的な貧困、②未来が見えない社会、③人と人との繋がりの希薄さの3つに大別できるのではないかと思います。
金こそが全てとの資本主義の価値観が蔓延する中、安心して暮らせるだけの金が稼げない、稼ぐ方法が分からないのは生きにくさを強めます。
明るい未来が見えないのも、経済的な課題が深く関与していますが、厳しい現状を打破出来る希望が有れば人は絶望感を抱くことはありません。世の中や自らが身を置く環境が少しでも良くなっていく兆しが見える、もしくはどん底まで落ちることないセーフティーネットや持続性が担保されれば世界の見え方は随分変わると思います。そして、困った時や苦しい時に人に相談するだけで心は随分軽くなります。人と人が繋がれる環境が有れば絶望の淵に堕ちかけている人も救われる可能性があると思うのです。


https://news.yahoo.co.jp/feature/298/

社会課題を生み出した元凶

生きるに値しない、絶望に包まれた世界から脱却するために必要なことの3つの課題をなんとかすることが出来ればこの世は少し、生きるに値する世界になるのではないかと思います。
「社会を変える」と言うと、政治の力を利用しなければ出来ない大層なことの様にに思ってしまいがちですが、課題を分割して考えることで、解決のハードルは大きく下がります。政治に頼ることなくしても、民間で課題解決を収益が生まれる事業に転換することが出来れば持続的、循環型の社会課題解決が進んでいくことになります。
そもそも、現代社会に蔓延している課題は、敗戦後日本に浸透させられた欧米型資本主義が行き着く先の弊害と言っても過言ではありません。拝金主義、短期利益重視、個人主義は株主資本主義が目指してきた世界であり、その実現は同時に多くの人を苦しめ、生きるの値しない世界へと貶めてしまいました。
政府やメディアは大きな資産と影響力を持った資本家が実質のオーナーであり、その意向を受けて政策を決めたり報道を流したりします。いわば、社会課題を生み出した張本人であり、多くの人の幸せを願う民主主義とは相容れない関係にあるのを理解すべきです。
国に頼っていてはこの国が浮かび上がる事はありません。

https://www.amazon.co.jp/%E5%BC%B7%E6%AC%B2%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AF%E6%AD%BB%E3%82%93%E3%81%A0-%E5%80%8B%E4%BA%BA%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%B8-%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC/dp/4326550929

地域企業が日本を再生する

資本主義は金が金を生み出す世界。アインシュタインが複利の仕組みを人類の大発見だと言いましたが、近年ではピケティーが「21世紀の資本」で詳らかにした“r>g”の方程式は実業、労働による経済成長よりも金融の増殖の方がスピードが速いことを改めて証明しました。格差や分断が拡大し続けるのが資本主義社会の性質であり、資本家以外の人はどんどん貧乏になっていく、弱者が絶望を感じるのを加速させるのは社会の仕組みがその様になっているからです。
それでも諦めることなく、人が生きるに値する社会をなんとか実現。もしくはその入り口くらいには漕ぎ着けて次世代に渡したいと思うのです。
そして、実は上述した3つの課題(①経済的な貧困、②未来が見えない社会、③人と人との繋がりの希薄さ)のそれぞれは民間の事業所で解決できることばかりです。
①経済的な貧困については教育で解決できるのが世界中で証明されています。戦後から変わっていない日本の教育を見直し、社会で活躍できる人材になれるキャリア教育を広く普及させることで若者の貧困は大きく軽減されます。
②未来が見えない社会はあらゆる業種業態で職能開発の教育とキャリアパスの制度を運用することで先行きが見える様になります。
③人と人との繋がりの希薄さについては、中小企業の殆どが地域に根差した地域企業であり、そもそも地域に貢献するビジネスをしています。それをもっと顕在化、表出化して事業の領域に囚われる事なく人との交流の場を設えれば本業にも良い影響が現れるのは想像に難くありません。

以上は思いついたほんの一例ですが、日本の企業の97%を占める地域企業から日本は変えることが出来るのです。私が世話人を務めている経営実践研究会ではこのような社会課題解決をエンジンにするCSVモデルの経営を研究し、実業への落とし込みを行っています。毎週、オンラインにて事業説明会を行っておりますので、新しい時代のビジネスモデル構築にご興味がある方はお声がけください。

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学歴社会から溢れた若者たちに志と技能と高校卒業のキャリアを渡し、未来の展望を持たせる高校を運営しています。


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