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もう革命しかないもんね

私が代表を務める、株式会社四方継は、建築と地域コミュニティーの事業を営んでいます。また、建築事業部では、地域の子供たちを受け入れる職人育成の学校、マイスター高等学院なる通信制ダブルスクールを営んでいます。
結局、全てが地域と密接な関わりがあり、地域の課題を解決する事業になっています。ローカルビジネスの担い手を自認している私としては、Amazonで書籍を買うなんてもってのほか、絶対に地元の本屋さんで本を購入するようにしています。

脱Amazon活動

本屋さんに立ち寄る際は、いつも購入する書籍のリストを持っており、5冊〜10冊程度の書籍をまとめ買いします。これが大体、ひと月で読了できる書籍数で、次回までにまた読むべき本のリストをせっせと溜め込む流れが出来ています。ただ、地域で一番大きな書店に行ったところでそのリストの本が揃っていることはまずありません。当然、取り寄せてもらうのですが、これも一度サイクルが出来上がると、さして大きな問題ではなく、本屋さんから連絡をもらい、引き取りに行くタイミングで次の本を注文するのがすっかり当たり前になりました。常に読むべき本が積み上がっていると、Amazonの最大の強みである、「すぐ来る、明日来る」というリソースが意味を成さなくなります。これが脱Amazon活動のコツです。(^^)

ピックアッパーの如く

購入予定の書籍のリストを用意して書店に足を運ぶので、本棚を見ながらふらふらして、気になるタイトルの本を見つける、新しい出会いの喜びを体感する、という書店特有のの醍醐味は残念ながらあまり味わえていません。
いつも時間に追われている悲しい現実もありますが、本屋さんの沼に嵌まり込むと際限なく居座ってしまう、本好きの人にありがちな悪習に囚われてしまわないようにとの自戒を込めて、なるべく書籍検索機で探している本の所在を確かめて、Amazonの倉庫で働いている人よろしく最短距離でピックアップするように心がけています。少し寂しいですが。。

哲学と革命

それでも、目当ての本棚に辿りついてから本を探すちょっとした隙間で、気になるタイトルの本が目についてイレギュラーで購入することがたまにあります。そして、そんなひょんな出会いこそが新しい世界に導いてくれたり、類稀な間接体験を味合わせてくれたりするものです。
前振りが長くなりましたが、表題の「もう革命するしかないもんね」森元斎著は滅多に足を踏み込まない哲学書コーナーに迷い込んだ際に気になって手に取った本です。これがなかなか面白い良書であると共に、混迷を深める時代にこそ必要な哲学と革命が今の時代にどのような位置付けになっているのかが良く分かったように思いました。

おしとやかなアナーキー

著者の森元斎氏は哲学科の大学院を卒業後、就職をせずに哲学の研究を続けておられる非常に真面目な方なのですが、本人はアナーキストを自認しており、革命を起こす活動を(大学の准教授などをしながら)おしとやかに進めておられます。
今の世界を覆い尽くしている国家による統治。資本主義も社会主義もどちらにしても一部の権力者が実権を握り、自分達に都合の良いように政治も経済も回しているのが現実です。「権力は必ず腐る原則」をどうにかして、人が自由に生きがいを持って暮らすにはアナーキズム(無政府主義)しかないとワルダクミを進められているのですが、それがとても生活に密着した在り方に反映されており、大いに好感を持ちました。

亜無亜危異

マイルド革命とソフトアナーキー

稼ぎがなくても畑で野菜を作れたら何とか生きることはできる。金が無くても楽しむことは幾らでもあるし、地方の物価の低い土地に住めばそもそもそんなに稼ぐ必要もない。てか、金よりも時間がある方がずっと人らしい豊かな暮らしが実現することを身をもって実証されてきたのをこの本にまとめられています。
アナーキー(無政府主義者)の主張通りに革命を起こして、果たして本当に社会は良くなるのか?誰もが生きるに値する世界が実現するかは分かりません。しかし、アメリカの言いなりのまま、増税を繰り返し、次々とピントのズレた愚策を発表する政権にはもう飽き飽きですし、野党も大して頼りにならない。誰が政権を担っても例外なく腐ってきた歴史を振り返ると無政府で社会が回るに越したことはない。そんな極論の理想を掲げながら、野菜を作り、家をDIYし、コミューンを作り、アジトで仲間と音楽を楽しむ。今どきのアナーキーの思想と行動はとてもしっくりくる活動だと捉えました。武力による革命ではなく、こんな平和な革命が、今時の価値観として定着し、徐々に浸透すると、本当にマイルド革命が起こるかもしれない。いや、起こしたいと思う良書でした。ご一読をオススメします。

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建築業界で職人革命を目指して活動してます!

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