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獣でも強欲でもない3つ目の判断基準 

本業で社会課題を解決する。そんな高い志を掲げた経営者が集う経営実践研究会で、先日、コロナ下にもかかわらず100名を超える経営者が集まっての特別講演会が大阪で開かれました。ちょっとした熱狂を味わった琉球アスティーダの早川社長に続き登壇された藤岡会長の講演の中ではっと気付かされた言葉があったので、ここに書き留めておきたいと思います。

家畜並みの思考

それは、「人が判断するときは3つのパターンの判断基準がある。1つ目は好きか嫌いか(楽かしんどいか)、2つ目は損か得か、3つ目は善か悪かであり、人としての判断基準と用いるべきなのかはどれか、推して知るべし」との言葉でした。
好き嫌い、もしくはしんどいか楽かで判断するのは動物と同じであり、直感や本能、生理的な基準で判断する事に他ならず、これを用いて生きて行くとなれば私達人間は牛や豚と変わらない生き物と言うことになってしまいます。人間と動物の最も大きな違いは理性で本能を制御できるかできないか。地球を制覇し、食物連鎖の頂点に君臨する人間全員が本能のままに生きればあっという間に地球は瞬時に潰えてしまいます。そうならない様に人の理性の力を信じたいと思います。

資本主義経済の弊害

2つ目の選択基準、メリットとデメリットを天秤にかけて判断するのは、残念ながら今の資本主義社会ではスタンダードになってしまっています。イソップ物語の中の金の卵を産むがちょうの寓話に象徴されるように、言葉の上では目先の損得に囚われて、鶏の腹を割って卵を掻き出すような行為(人からの信用や信頼を失う行動)をするなど愚の骨頂であると誰もが知ってます。人が1人で生きていけない以上、人とのつながり、信頼関係こそが最も重要な財産であり、事業においては目に見えない資産になります。にもかかわらず、今の世の中では中長期的な視点を持つことなく目の前の損得勘定で判断をしてしまう人が少なくありません。非常に残念ですが、短期会計で四半期事の利益を計上して株主に報告する西欧型資本主義、生き馬の目を抜く勝つか負けるかの強欲経済社会にどっぷりつかっていては、そうなるのも仕方がないような気がします。このような社会システムを変えるには戦争ではなく、草の根の事業者と消費者が価値観を転換してビジネスモデルの再構築を行うことから地道に取り組まなければこのスタンダードは変わる事はないと思います。

善なる選択こそ人の道

3つ目の物事を善か悪かで決めると言うのは、間違いなく正論ではありますが、現在起こっている戦争も当事者から見ればどちらも正義を振りかざして敵の殺戮を繰り返しています。自分が信じるものが善であると強く信じ込む程、人は残酷な事が出来るもの。自分が信じるものが本当に正しいか否か、慎重に判断する必要があります。だからこそ、生涯学び続けなければならないと思いますし、アンテナを張り巡らせて情報を集め、ファクトを見つけ出す姿勢を持つ必要を感じます。
稲盛和夫塾長が講演でいつも口にされていた様に絶え間なく魂を磨く習慣を持ち、長い道のりの修行を積んだ上で、生理的、感情的基準でも、損得感情でもなく、魂レベルで正しい道を選択する事が真の人の道では無いかと思った次第。
人生は選択の連続で選ぶ道によって形作られる。善い選択を積み重ね、善い人生を歩みたいし、そんな人達と世界を良くして行きたいものです。

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選択理論を基礎にした実務者研修を行なってます。

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