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奇跡は起こらない、奇跡は起こすものだ。ナショナルフォーラム2023

私が世話人として参画している、本業で社会課題を解決する経営者のコミュニティーである一般社団法人経営実践研究会では、毎年6月に1年の総決算との位置づけのイベントを開催しています。先週末、今年も大阪の中之島公会堂にて、そのナショナルフォーラム2023を中之島公会堂で開催しました。これまでで最大規模の1100人のオーディエンスを集め、熱気と感動に包まれたそのイベントの大会実行委員長を今回、私が拝命しており、何とか無事に終えることができてほっと胸を撫で下ろしています。それはひとえに、主体的に運営に関わってくれた多くの人々のおかげであり、感謝を込めて備忘録がてら振り返っておきたいと思います。

ナショナルフォーラム2023

フォーラムの内容に関しては、茨城のメンバーである中井川さんのFacebookの投稿に詳しいので、以下に引用させていただきます。非常に詳しく内容を書き残されており、フォーラムで提供したコンテンツが全て網羅されています。このような情報発信をしていただけるのは主催者としてありがたく、頭が下がる思いです。中井川さん本当にありがとうございました。

【National Forum2023大阪中央公会堂】
 個人的には、メンバーのチャレンジに非常に感銘したし影響を受けた。普通では考えられないスピード感での変化・成長、これは1人の力ではなく、常に志を意識する「考え方」が大きい。自分を信じて行動することで想像できないくらいの力を持つ。茨城も頑張ろう!

<基調講演>
・澤上篤人さん(基調講演1)
 世界的金利上昇の影響は大きく、ハリボテの金融マーケットは吹っ飛ぶ。これからは実体経済にシフトするメガトレンドが起こる。
・都築富士男さん(基調講演2)
 ローソン・ジャパンの代表取締役社長を退任してから、誰も取り残さない社会・和をもって尊しとなすの精神で、SDGs志国連合国の建国で四国の活性化のための様々な取り組みを紹介。

<会員プレゼンテーション>
☆ 中村玉子さん(会員プレゼン1)
 保育の課題を①組織で革新に挑む②良質な園の見える化(フレックス化や人員配置で良い取り組みの園の紹介)③保育の質の向上(保育サポーター資格)④社会全体で保育(主婦と妊婦+現場の保育士+経営者)というつながりで改革する!
→特定の課題を特定の専門家だけで解決する時代ではない。「育てる・学ぶ・働く」の再定義で新しい仕組みをつくるといい(山下翔一さん)

☆ 奥 真由美さん(会員プレゼン2)
 教師・塾・放課後デイサービス・秋田県教育委員・・・など多様な場で教育に携わる。ミクロネシアの無人島スクール(往復80日無人島生活30日)で何もない中で子どもが生きる力を育むことを確信。勉強より生きる力をつけるための高校生起業家プログラムや実践型キャリア教育のためのキャリアベンチャースクール秋田校が始まる。全ての業界・業種・年代と出会う場を提供する。
→不登校を過半数にしてこちらを教育の中心に変えよう。みんな先生になり、奇跡を起こそう!( 栗原 志功さん)

☆ 若度千尋さん(会員プレゼン3)
 壮絶な人生を経て美容室を地域のコミュニティーにしようとチャレンジ。障がい者アート・管理栄養士講座・音楽ライブ・ヨガスクール・客同士の結婚・・・完全に美容室の枠を超えた活動を実施。ソーシャルスタイリスト協会を設立。健康寿命を延ばし介護がなくなる社会を目指す。
→エステや食事で若くなり「やる気」もUP。地域のコミュニティーという発想は素晴らしい。(鈴木静雄さん)

☆ 與良 だいちさん(会員プレゼン4)
 チャクラグラスとゾーングラスという眼鏡によって、発達障害のやグレーゾーンの人が、文字が書けるようになったり集中力が増したりすることができる。目を脳がむき出しにされた部分という解釈で、メガネによる凄い効果が発現している。分断ではなく個性になる世界のための今後のチャレンジ①幅広く(教育・保育・美容・・・)②探求(エビデンスや可能性を探る)③学校の視力検査の指標を変える
→教育関連のコラボもできるし、認知症などのへの効果の可能性も期待できると感じた。(岡村充泰さん)

☆ 佐藤 拓郎さん(会員プレゼン5)
 有機農業への取組み。BLOF理論を用いることで、「高品質・高収量・高栄養」の作物を効果的に栽培できる。「有機農業×休耕地×障がい者」というコラボで「人に適応した社会を作る」。リスクを生産者のみではなくオーナー制度でリスクシェアを行う。
→まずは青森の学校給食導入から開始し全国に広めよう。GlobalGAPの認証まで受けているのは凄い!(上島一泰さん)

<パネルディスカッション>
一二健夫さん&橘俊夫さん・金丸滋さん・早川周作さん
 金丸さんは山梨の地域活性化に取り組み、早川さんは張本選手有する沖縄のプロ卓球リーグ琉球アスティーダを運営。さらにパラリンピック世界3位の八木克勝の優勝を徹底応援。金丸さんの「死ぬときにノーベル平和賞をとりたい」、早川さんの「最初から世界一を狙っている」という志の高さが浮き彫りに。頑張っているのに幸せを感じられないのは努力の方向性がおかしい。総額・売上・利益ではない考え方が必要。橘さんからは、人間の欲は際限ない、課題解決することでドーパミンが出る。「メンバーの成長が著しい会」とお褒めの言葉をいただいた。

<藤岡俊雄会長より>
 子どもは好奇心をもっているのに大人になって成長すると好奇心がなくなり諦めを覚えていくのはおかしい。結果を出すには時間がかかることもある。未来を信じる力が信じられない力をもつ。信じてもらえる力を持つと大きな力になる。「応援するよ」は金で買えない。今の世の中は自分だけが幸せになるのは不可能。人・社会・未来を幸せにすることで幸せになれる。Give&Takeではなく与えよう!

https://www.facebook.com/nakaigawasan

圧倒的なエネルギーの昇華

今回のイベントの企画運営を進めていくにあたって、私が1番力を注いだのは、今回初めての新企画である会員によるプレゼンテーションを全会員から自薦、他薦の両方で募り、二次予選、決勝大会、本番のスリーステップを設けて選ばれし5人に会員の代表として中之島公会堂の舞台に登壇いただいたことです。
60人もの候補者が手を挙げ、もしくは推薦されて、予選会で自らの志と、実現したい社会、そのための具体的なプランを熱く語られました。
私はすべての候補者の熱い思いを聞かせてもらい、世界を良くしたいと高い志を持つ人が、こんなにも多く集まっているのだと、大いに感動し、経営実践研究会の持つ圧倒的なエネルギーを感じさせてもらいました。上述の中井川さんのメモにあるように、アドバイザーからも熱いエールが送られていましたし、このメンバーから近い将来、数多くのゲームチェンジャーが世に出ることになると確信を強めました。

副産物的に生まれた価値

会員による会員のための会員が決めるプレゼンテーションの予備選は、私が予想していたのと少し違う副産物を生み出しました。それは、予選会に向けて、毎日のようにメンバー同士が集まり練習会を行い、フィードバックを投げ合ってブラッシュアップを積み重ねたことです。そこには、人を出し抜いて、勝ち抜くといった品のない競争原理とは全く逆の、お互いの成長のために貢献し合う美しい姿がありました。それは、この世界を生きるに値する、良きものに変革して、次の世代に繋たいとの明確な目的が共有されており、その実現のためにそれぞれが事業を通した社会課題解決、共有価値の創造を行うとの目標が設定されていました。大きな目的に向かって、助け合い、称え合い、ときには、厳しいことを言い合う切磋琢磨する文化が醸成されていました。今後の会の発展のために大きな財産になったと感じましたし、新たなチャレンジをした甲斐があったと思いました。

誰にでも分け隔てなくチャンスがある

実は、私自身が、昨年のナショナルフォーラムで会員プレゼンテーションに登壇させてもらい、建設業界の職人不足と教育業界で大きな問題となっている学歴マイノリティーの圧倒的な増加の2つの社会課題を解決すべく、キャリア教育を行う高校を設立したいとの事業構想を発表させて貰いました。その登壇をきっかけに多くの志を共にする仲間が集まり、アドバイザーからの多くの支援をいただくことになり、1年経たずして職人、育成の高校、マイスター高等学院の設立を実現することができました。長年、職人の社会的地位向上を志掲げ、活動するも大した成果を出せていなかった。私にとっては奇跡が起こった瞬間でした。そんな奇跡を起こすチャンスを多くのメンバーに分け隔てすることなくしやできたのは、私にとっては非常に嬉しく、大きな意味のある企画でした。そんな私の想いを汲み取ってくれたかのように、多くの方が時間を割いて想いの丈を語ってくれたのには本当に感謝しかありません。そして、本当に多くの奇跡が起こりそうな会員による本番でのプレゼンテーションでした。

真の民主化へのマイルストン

私が今年から掲げているテーマは「令和デモクラシー」です。自由民主主義の経済圏だと思われていた欧米型資本主義は、実質の経済成長よりも、金融資本の成長の方が速度が速いことがトマ・ピケティにより証明され、ごく1部の支配層に富が集まり、格差と分断が極まっていくのが明らかになりました。その結果、世界中で戦争や紛争が巻き起こっています。民が主体だったはずの共産、社会主義国家も1部の支配層が強権的な政治を行っており、結局、世界中で民主的なシステムは、全くと言っても過言でないほど機能していないのが現実です。その事実に向き合い、次世代に人が幸せに暮らせる社会を残すには、小さな組織やコミュニティーから民主的な運営を行っていくことが必要で、それが経済性を兼ね備えるようになれば、市場を席巻し、行き詰まりを見せた世界に希望を見出せるようになるのではないかと考えています。そして、それができるのは、三方よしや論語と算盤などといった高い精神性と共生の価値観を持った日本しかないと思っています。
結果的に、入会間もないメンバーが晴れの舞台で登壇した今回のフォーラムは、そんな私のテーマにしっくりと当てはまる素晴らしいイベントとなりました。関係者の皆様には、本当に心から御礼申し上げます。皆様、ありがとうございました。真の民主主義の実現に向けて歩みを進めて参ります。

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建設業界の民主化を担う人材育成を行っています。

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