見出し画像

「人となり」を紡ぎ出す5つの質問 #Re・rise News

私がこのノートにログを残し始めて3ヶ月が過ぎ、もうすぐ5ヶ月目を迎えます。基本的に日祝の旗日以外の毎日更新を続けていますが、実は、ブログを始めたのは2007年からでnoteに引っ越す前はWordPress、始めた当初はJUGEMを使ってかれこれ15年間近く、毎日の日課として日々感じたことや考えたことの発信を続けています。長年、情報発信を続けることで様々なご縁を頂く様になり、その度に世界が広がっていく感覚があり、アウトプットの習慣の大切さを日々痛感しています。ちなみに、今日はnoteに引っ越してからはじめてのオファーでウェブメディアからの取材を受けました。

Re・rise Newsからの取材オファー

取材といっても20分程度のオンラインでのインタビューで、事前に対談で訊かれる質問項目をメールで送ってこられ、準備していた内容を本番では短くまとめて話すといった形式の簡単なものでした。今回インタビューを受けてとても感心したのは、その質問が非常に素晴らしく、私の人となりというか今の状況を端的に表すのに非常に適した項目をピックアップされていると感じたと共に、気持ちよくインタビューに答えられる話しやすい内容になっており、よく考えられた質問だと非常に感心させられました。インタビューアーに聞いたところ、なんでも、取材対象者にはいつも同じ質問を投げておられる様で、メディア自体がその質問によって構成されているとのことでした。その様な観点で考えるときっちりと全体を構成した上での個別の質問の精度はとても大切なわけで、建築やUXデザインにも共通する重要なスキルというか、質問自体がコンテンツなのだと改めて感じさせられました。
2週間後くらいにはRe・rise NewsなるWebメディアサービスで動画が公開されるとの事なので、またアップされた時は出来上がりのリンクを紹介したいと思います。ちなみに、里山資本論で大いに共感した著者の藻谷さんも取材を受けておられました。ご一緒できて光栄です。(笑)
以下に上述したRe・rise Newsの秀逸な質問の紹介と、いい機会なので改めて私の人となりを自己紹介までに、あまり公開する事のないプロフィールと共にインタビューに私が答えた内容を紹介しておきたいと思います。

Q1.どのような夢やビジョンをお持ちですか? 

私は神戸で株式会社四方継なる地域コミュニティー事業と建築の会社を営む傍ら、一般社団法人職人起業塾と言う建築現場実務者向けの研修事業を行っています。全国で若手の職人等に対して原理原則に基づいたマーケティング理論を切り口に、本人もまだ気づいていない隠れた才能を開花させ、大きな価値を創出する人材開発の取り組み行っています。神戸での建築事業ではかれこれ20年以上大工の正規雇用と育成に取り組んできており、大工職人と女性建築士のみの会社として一切の宣伝広告を廃止して顧客からの紹介とリピート受注のみで事業を成り立たせる独自のビジネスモデルを構築してきました。自社での職人の意識改革の取り組み、そしてその知見を研修事業に展開して建築業界を働きがいのある安定した職業に変えて、子供たちにもう一度大きくなったら大工さんになりたいと言われる憧れの職業にしたいと思っています。

Q2.それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?

これまで20年間に渡り自社で取り組んできた大工育成では、他業種に負けない労働環境を作り上げるべきだと労働基準法に完全適法の正規雇用と共に将来までのキャリアプランを示して、単なる現場作業員ではなく専門知識と技術を兼ね備えたプロフェッショナルとして現場の一切を任せるリーダーを育てる、年齢を重ねた後も活躍できる人材育成を行ってきました。現在、5年後の事業承継を見越して大工と設計のスタッフたちに経営権を委譲する取り組みをスタートさせており、明確な意図を持って主体性を発揮して働く職人はプロフェッショナルとして経営にも参加できる人材に育つことができると言うのを実証しようとしています。同じように建築実務者がリーダーシップを発揮して事業所を牽引してもらう取り組みは一般社団法人職人起業塾で全国に展開しており、このような考え方を理解された経営者や経営幹部が広がると、職人として建築業界に就職すれば楽しい仕事と安定した収入、そして将来に希望が持ててやりがい思って生きて行けると若者に思ってもらえるような事業所が増えていく考えています。5年半後の事業承継とともに、10年後には高い意識を持った現場実務者の卒塾生を1000人輩出して、職人をまるで道具のように扱い、外注で必要な時だけ雇う現在の建築業界のスタンダードを変革し、大きな問題となっている職人不足問題も解消したいと思っています。

Q3.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような(基本)活動をしていますか?

大工のキャリアプラン構築の実践事例である弊社の事業承継については、現在、対象者5名を集めてのリーダーズ会議になる取り組みを進めており、5年半の年月をかけて持続可能な自律循環型ビジネスモデルの構築とともに、ヒエラルキー型のトップダウンではなく、自立したプロフェッショナルが集まり、お互いを尊重しながら同じ目的や意図を持って合議制で事業所の価値を高めていく取り組みを進めています。一般社団法人職人起業塾では、昨年から今年にかけて建築実務者向けの研修事業以外に、建築会社や工務店の事業者向けに人事制度改革や組織改革のワークショップを精力的にスタートさせており、育てる側と育てられる側の両方にアプローチして新しい組織へのシフトチェンジの啓蒙活動を行っています。既に我々の提供する人事制度等のスキームを取り入れて組織改革に着手されている事業所もあり、大きな手ごたえを感じています。5年半後に建築事業を委譲した後、一気に全国にその取り組みを加速させたいと思っています。

Q4.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

私がミッションというかライフワークに職人の社会的地位の向上を掲げているのは、自分自身の出自が大工職人であったと言うことも、もちろんありますが、起業した当時に起こった2つの出来事が強烈な影響を与えています。
まず1つ目は、下請け大工の職人として独立した頃、高校生の甥っ子が大工になりたいから弟子入りさせてほしいと言ってきた事です。その当時、下請けの私が受注出来る仕事量は元請けの工務店に依存しており全く安定しておりませんでした。収入も不安定だったことと、常に先行きに不安を感じていたこともあり、その甥っ子には「大工のような不安定な儲からない仕事はやめといたほうがいい。」と断りました。もう一つの出来事は、長年一緒に現場で苦楽を共にしてきた弟子の大工が去っていったときのことで、ようやく安定した仕事が受注できるようになってきた時に、いつ暇になるかわからない不安に駆られて、日曜日も関係なく休みなく働き続けていた頃で、その彼はこのままでは家庭が無茶苦茶になると私の元から去っていきました。現場でのものづくりは面白いし、お客さんにもすごく喜んでもらえる素晴らしい職業にもかかわらず若者に入職を止めるようなことではダメだと強く思いましたし、人並みにしっかりと休みをとってプライベートも充実させながらも安心して働ける環境を整える必要を強く感じたのでした。その時の体験が大工の正規雇用、研修等を通しての人材育成、また自分だけがよかったら良いのではないと考えて自社で蓄積したノウハウを公開、全国で研修活動を展開するようになった理由です。

Q5.その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

私は高校を中退して17歳から社会に出て働いています。子供の頃、学歴社会から完全にドロップアウトした人間で、就職しようにも面接を受けられる先は肉体労働か飲食店ぐらいしかなく、未来に何の希望も持てずに過ごしていた時期がありました。自分自身のことを世の中にいてもいなくてもどっちでもいいような価値の人間だと感じてた私でしたが、縁あって建築業界で働きだして、価値のあるものを作り出したり、お客さんに喜んでもらったりしたことで随分と救われました。もともと建築業界は私のような学歴社会から落ちこぼれた人間の受け皿の面がありましたが、建築士の資格をとって住宅の設計や店舗のプランニング、デザインに携わる様になったり、受注面での営業活動に勤しむ中で、改めて想いをカタチに創り上げる現場の重要性を認識する様になりました。体が丈夫で暑い夏も寒い冬も現場で働ける事は立派な才能だと思うのです。私たちの時代よりも更に酷くなっている現在の学歴偏重の教育システムには大いに疑問を感じていることもあり、そこに馴染めない若者が、違う価値観とやりがいを持ってセルフイメージを損なうことなく、生き生きと安定して働ける場が必要だと思いますし、自分を立ち直らせてくれた建築業界をそんな業界にしていきたいと思うようになったのが、職人育成や業界改革に取り組む1番大きな理由です。なんとしてでも建築業界の職人を若者から憧れられる職業にしたいと思っており、これからも情熱を持って関わっていきたいと思っています。

画像1

プロフィール

高橋剛志 (54歳) 
株式会社四方継 代表取締役
一般社団法人職人起業塾 理事長
菫菫国際設計有限公司 総経理
神戸市出身

1967年 吹けば飛ぶような超弱小書店経営の父親の長男として生まれる。
1982年 中学時代3回の補導、家庭裁判所への送致の後、西部補導所への通学
1984年 須磨高校に入学するも就職先に失望。中退後、フリーターとなり様々な職種を転々
1986年 佐川急便株式会社に入社。翌年から年収1000万円のセールスドライバーに
1991年 手に職をつける。と全くの未経験で日当7000円の大工見習いへ転身
1993年 起業を目指して中学生の数学から学び直し2級建築士免許取得
1998年 高橋組として起業 弟子一人連れて下請け大工職人として独立。
2000年 有限会社すみれ建築工房設立 大手住宅メーカーの指定施工店となる
2001年 一般建設業の許可取得 晴れて許認可業者となり元請けを目指す
2005年 本社ビル竣工を機に元請け工務店へと転換。マーケティングを学び始める
2006年 「自社職人での施工」というUSPを見出し、職人の正規雇用に踏み切る。
2010年 職人営業のビジネスモデルを構築、マス媒体による販促活動を一切廃止
2013年 社内教育の一環として「職人起業塾」スタート
2014年 台湾にて菫菫国際設計有限公司設立 海外事業スタート
2015年 職人起業塾をJBNで事業化、研修事業として厚生労働大臣の認定を受ける
2016年 私塾を一般社団法人職人起業塾として法人化、書籍「職人起業塾」上梓
2017年 鹿児島、大阪、東京、福岡、仙台にて建築実務者研修開講、全国展開。
2020年 創業20周年を機に建築事業を再構築、株式会社四方継に組織変更、株式の30%を社員に譲渡
2027年 全株式を社員に譲渡、事業承継の予定

________________

職人会社のビジネスモデル構築に挑戦しています!

________________

誰もが持つ才能を開花させる研修と新しい時代に向けて組織改革の提言


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?