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裸踊りがムーブメントに変わる瞬間 〜マイスター高等学院立ち上げの軌跡〜

この4月に新しく開校する職人育成の高校、マイスター高等学院の生徒募集を2月から本格的にスタートさせました。ホームページもまだ公開できておらず、プレスリリースもかけていない状態ですが、早速各方面から多くの問い合わせをいただいており、驚くとともに、本当に嬉しく思っています。

若き匠によるワークショップ

今日は早速、若手職人による未来の職人に向けてのワークショップの申し込みをいただきました。フリースクールの授業の一環にお願いします。と言う事で、早速2週間後の開催を決めました。マイスター高等学院では、生徒募集の取り組みの一環で、ものづくりの楽しさを知ってもらうのが職人に興味を持ってもらう1番良いきっかけになると考え、無料の出張ワークショップの開催先を募集しています。木工教室だけではなく、様々な業種の受け入れサポート企業によるラインナップを今後充実させていくので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

出張ワークショップ申し込み募集中!

職人になれる登竜門

また、大工に興味がある中学校1年生の子供を持つ親御さんからもお客様を通して問い合わせを頂きましたました。今まで、子供が職人になりたいと思ったところで、就職できる先の事業者がほとんど存在せず、どこに問い合わせをしたらいいかもわからなかったのが現実でした。就職する先がないのに、子供たちの進路として成り立たないのも当然です。職人が絶滅の危機に瀕しているのは若者に圧倒的に不人気職種になったからと言われていますが、職人不足が深刻化した一因は受け入れ側の体制の不備にあります。マイスター高等学院はものづくりに興味がある子供たちに対する非常に良い受け皿として機能できる可能性があると改めて感じました。

16歳からのキャリア構築

学校を卒業して新卒で就職する経験は、人生に1度しかありません。できることなら、その就職の体験を失敗だったと思わないキラキラの良い経験にしてもらいたいと思います。そのように考えると、職能教育と未来創造企業への就職がセットになったマイスター高等学院のスキームは、学生生活と社会に出て働くことがシームレスにつながっており、子供たちにとってはもちろんですが、親御さんからもとても安心いただける体制になっていると思います。親は子供の安定した生活を望みます。大企業でも倒産する今の時代、東大や京大など、一流大学ならいざ知らず、単なる大卒程度の学歴は実社会では大した意味を持ちません。若い時から技術を身に付け、現場経験を重ねて、プロフェッショナルとしてのキャリアを積めば、たとえ職人を辞めたとしても、一生食いっぱぐれる事はありません。実は、職人は非常に安定したキャリアになり得るのです。

建築関連団体からの後押し

その他にも先日の全国工務店協会(JBN)の地方団体である京阪神木造住宅協議会の理事会が開催され、理事メンバー9名の内4名がマイスター高等学院の立ち上げに関わっていることもあり、団体として正式にこの学校の事業説明会を開催することが決まりました。工務店関係者や、建築関連事業の方ばかりでなく、広く各自治体の教育関係者にも声をかけ、大々的に認知を広げる活動に進めていく方向に決定しました。
事務局では、早速各自治体の教育委員会に熱心にアプローチをかけてくれており、JBN本部を介して文科省にも支援要請の依頼を入れるなど大きなうねりになってきました。

ムーブメントを巻きおこせ!

志教育と職人としての技能、そして高校卒業資格の取得ができるマイスター高等学院の取り組みは建設業界の職人不足問題の根本的解決と、毎年増え続けている、小中高生の不登校や中途退学で学歴社会からこぼれ落ちてしまう子供たちの救済の2つの社会課題の解決を目指して関西一円の20社もの事業者がスクラムを組んで立ちあげました。この半年間、様々な場所でプレゼンテーションをする機会をいただき、多くの人たちに職人育成の高校を立ち上げる事業説明を行ってきました。全国で多くの方々に共感頂き、関西以外でも学校を立ち上げたいとの声も多くいただいています。このプロジェクトがこれから大きなムーブメントになっていくと確信していますし、すでにその兆しが見えてきたように感じています。

子供大工 若き匠によるDIYサポート

根底にある職人自助論

職人育成の高校、マイスター高等学院を立ち上げることになった根本のソースは私が20数年前の起業の際に掲げた職人の社会的地位の向上を果たしたいとの想いです。守るべき職人は守られるべき存在にならねばならない。その為に単なる作業員から脱して、人に喜ばれる付加価値を生み出せるようになるべきである。との私が提唱し続けてきた職人自助論は職人達に延々と学び、実践を繰り返して、完璧な施工や顧客満足を勝ち取る方法を、知っているから出来る、出来るから常に出来ている状態を整えられる様に意識と行動の変容を促し続けてきました。それが少しずつ実になり、現場接点の強化がビジネスモデル構築の大きな柱になることが証明され、職人の正規雇用、若年層の職人の育成の必要性と可能性を認められるようになった結果、現在の盛り上がりに繋がってきています。

裸踊りを助けてくれたフォロワー達

20年前から、職人育成とマーケティングの一体論を提唱してきた私は多くの経営者から嘲笑われてきましたし、金融機関からは人員の在庫を抱えるようなリスクの高い経営をやめるようにと進言されてきました。実際、大工を雇用せずに外注扱いにするのと、完全法適合で正社員雇用するのとでは、経費のかかり方が全く違います。職人の世界ではあり得なかった有給取得が出来るなんて、私が独立した頃では想像もできませんでした。そんな中、職人の地位向上を叫んで、人材育成に投資をし続けた私の姿はまさに一人きりの裸踊りだったと思います。それが、一人、また一人とフォロワーが増えて、とうとうまともな会社に就職できる職人高校を創ることができました。小さすぎた種火がいよいよ全国に燃え広がるきっかけを掴んだと実感しています。
高い志を掲げる、技術と知識と優しい心を持った若者を今後数多く、社会に輩出することで日本のモノづくりの世界を変えて、職人を誇りの持てる仕事へと取り返したいと思っています。
デレク・シヴァーズのTEDトークの様に。

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マイスター高等学校関連の情報発信も頻繁に行っています。
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