知らないと話せない花業界用語 花の基礎用語(1)【あ】〜【お】

花の仕事には、種苗、生産、流通、販売とさまざまあります。
それぞれの分野における最低限の用語の知識があれば、より深く、より豊かな花の世界を築くことが可能です。

そんな、知っておきたい知識と用語を連載でお届けします。

花の用語を覚える前に、まずは、花がどのようにして生まれて生活者の皆さんに届けられるのか、その流れを知っておくことが肝心です。

植物に関する基本知識にはじまり、種苗、生産、流通、加工、装飾、販売、販売管理という流れです。
それぞれの分野で専門用語が存在します。

それらの用語を知っておけば、どんなシチュエーションでも困ることはありません。
もしわからなくても、はじめは自分の知っている言葉でも構いませんし、対話は成り立ちます。

例えば、「切り前」という用語の意味を知らなくても、花の咲き具合が何分咲きか、という会話に置き換えることができます。
しかしながら、「切り前」という用語を知っておけばコミュニケーションはよりスムーズに進みますし、仕事もよりはかどることでしょう。
ここでは、花の仕事の中で頻繁に用いられる用語だけを厳選して選び出し、簡潔にわかりやすく解説しています。

これらを理解しておけば、花業界でのコミュニケーションにつまづくことはないでしょう。

知っておきたい花用語 花の基礎用語(1)

【あ】〜【お】

秋植え植物 あきうえしょくぶつ
秋に植えるのが適した植物。秋に植えて春に開花する。寒さに強く暑さに弱いものが多い。チューリップ、スイセンなど。【⇔春植え植物】

アネモネ咲き あねもねざき
半八重咲き(セミダブル)のことを指す俗称。咲きともいう。

一年草 いちねんそう
種子から発芽して、開花・結実ののち1年以内に枯死する草本植物。主に春に発芽し年内に枯死するものと、秋に発芽し翌春開花結実するものがある。

一季咲き いっきざき
年に1回、一定の期間だけ開花する植物性質のこと。【⇔四季咲き】

陰性植物 いんせいしょくぶつ
日陰や日差しの弱い場所を好む植物。【⇔陽性植物】

英名 えいめい
英語で表記される場合の名前。

枝変わり えだがわり
植物体の一部の枝もしくは分枝のみが他と異なる遺伝形質を示す現象。 芽の始原細胞における体細胞遺伝子の突然変異によって起こるとされる。ここから新品種誕生につながることもある。

枝もの えだもの
木の姿、性質を持つ花材の総称。花木類とも総称され、主に花付きのもの、枝と葉だけのもの、実付きのものに大別される。サクラ、ドウダンツツジ、ナナカマドなど。

エディブルフラワー えでぃぶるふらわー
食べられる花。食用花。ナスタチウム、キク、パンジーなどがある。
生花市場では注文には対応するが、食品として扱うため、多くは生花市場ではなく青果市場に流通する。

F1品種 えふわんひんしゅ
first filial generation 一代交配種。交配によって作られた新品種の一代目のこと。主に品種改良を目的に、遺伝的に異なる個体を交配させてできた品種で、一代限りで種子を作らないか、あるいは種子ができても同じ性質のものができないとされている。花の生産にF1品種は多用されている。

晩生 おくて
同種類の植物のなかで、その品種の生育期間が長く、開花まで時間を要する種を指す。「ばんせい」ともいう。開花までの期間が長い順に、晩生、中生、早生、となる。【⇔早生】

雄しべ おしべ
種子植物の花の奥の部分にある雄性生殖器官のこと。

温室効果 おんしつこうか
太陽光に暖められ、大気中の水蒸気や二酸化炭素などが放出する赤外放射によって 、下層大気が温められる効果。

温室植物 おんしつしょくぶつ
屋外では温度の低い冬を越冬できず、ガラス室やビニール温室等の施設内で育てる植物のこと。コチョウランなど亜熱帯、熱帯の植物に多い。

出典
「知らないと話せない、花業界用語500」(誠文堂新光社刊) 宍戸 純 著(株式会社大田花き)


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