知らないと話せない花業界用語 花の基礎用語(4)【た】〜【と】

花の仕事には、種苗、生産、流通、販売とさまざまあります。
それぞれの分野における最低限の用語の知識があれば、より深く、より豊かな花の世界を築くことが可能です。

そんな、知っておきたい知識と用語を連載でお届けします。

花の用語を覚える前に、まずは、花がどのようにして生まれて生活者の皆さんに届けられるのか、その流れを知っておくことが肝心です。

植物に関する基本知識にはじまり、種苗、生産、流通、加工、装飾、販売、販売管理という流れです。
それぞれの分野で専門用語が存在します。

それらの用語を知っておけば、どんなシチュエーションでも困ることはありません。
もしわからなくても、はじめは自分の知っている言葉でも構いませんし、対話は成り立ちます。

例えば、「切り前」という用語の意味を知らなくても、花の咲き具合が何分咲きか、という会話に置き換えることができます。
しかしながら、「切り前」という用語を知っておけばコミュニケーションはよりスムーズに進みますし、仕事もよりはかどることでしょう。
ここでは、花の仕事の中で頻繁に用いられる用語だけを厳選して選び出し、簡潔にわかりやすく解説しています。

これらを理解しておけば、花業界でのコミュニケーションにつまづくことはないでしょう。

これまでの用語解説はこちらから
>> 知っておきたい花用語 花の基礎用語(1)【あ】〜【お】
>>
知っておきたい花用語 花の基礎用語(2)【か】〜【こ】
>>
知っておきたい花用語 花の基礎用語(3)【さ】〜【そ】

知っておきたい花用語 花の基礎用語(4)

【た】〜【と】

耐寒性 たいかんせい
植物が寒さに耐える性質のこと。生花店、園芸店の店頭では、「この植物は屋外で何度ぐらいまで耐えられるか」を説明できるように把握しておきたい。

耐暑性 たいしょせい
植物が暑さに耐える性質のこと。生花店、園芸店の店頭で「この植物は何度以下で管理しないと葉焼けを起こす、株落ちする」など、 説明できるように把握しておく。

多肉植物 たにくしょくぶつ
乾燥地に適応するために、 茎や葉が肥厚して多量の水 分を蓄える植物の総称。主に鉢物だが、切り花ではオランダセダムやエケベリアなどが出回っている。

多年草 たねんそう
2 年以上生存を続ける草本植物のこと。

単軸 たんじく
単茎性で成長する植物の総称。 エピデンドラム、コチョウランやバンダなど。【⇔仮軸】

短日植物 たんじつしょくぶつ
日照時間が短くなると花をつける植物。夏から秋にかけて開花する植物に多い。秋ギク、コスモスなど。【⇔長日植物】

単子葉植物 たんしようしょくぶつ
被子植物の一綱。子葉が一枚の場合が多く、茎は髄をもち、通常形 成層を欠き維管束が散在し、花の各器官は三の倍数からなる。葉は 普通細長く平行脈をもつ。対して、双子葉植物。

地下茎 ちかけい
地中にある植物の茎。

地上茎 ちじょうけい
地上にある植物の茎。

着生植物 ちゃくせいしょくぶつ
樹木や岩石上などに、特 別に分化した器官で固着して生育している植物。 ラン類に多い。

中性植物 ちゅうせいしょくぶつ
日照時間の長さに関係なく花芽を形成する植物。光量の影響をあまり受けない。アマリリス、チューリップ、フリージアなど球根植物に多い。

虫媒花 ちゅうばいか
花に飛来する昆虫によって受 粉が行われる花。虫を引き寄せるため、花の大きさや花色、 香りが特徴的で目立つものが多い。【⇔風媒花、擬態花】

長日植物 ちょうじつしょくぶつ
日照時間が長くなると花をつける植物。日本の自然環境下では、春 から夏に向かう季節に花をつける植物。アブラナ科のストック、マ メ科のスイートピー、キンギョソウなど。【⇔短日植物】

DNA でぃーえぬえー
deoxyribonucleic acid の略。 遺伝形質を規定する因子。本体はふつう DNA(デオキシリボ核酸) で、染色体上のある長さをもつ特定の区画のこと。

定日植物 ていじつしょくぶつ
日長が約12 ~ 16 時間のときに開花し、それより長くても短くても開花しない植物。中間性植物とも呼ばれる。

導管 どうかん
被子植物の、維管束の木部の主要構成部分で、根が吸 収した水分を枝・葉に送るための組織。円柱形または多角柱形の細胞が縦に連なったもの。

土壌 どじょう
つち。地殻の最上層にある自然物で、岩石の風化物に生物の遺体やその分解物などの有機物が混じって生成したもののこと。

ドライフラワー どらいふらわー
植物の花、茎、葉、果実などを自 然乾燥か、人為的に乾燥させて観賞用にするもの。

出典
「知らないと話せない、花業界用語500」(誠文堂新光社刊) 宍戸 純 著(株式会社大田花き)


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