食虫植物の罠にハマってみる?[5・早春編-③]

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執筆・写真 * 花咲 和奏(はなさき・わかな)
プロフィール

幼少期の趣味は「タネ集めとタネ採りのための植物栽培」という筋金入りのプランツラバー。
植物関連の施設に勤務し、1000種類を超える植物と向き合う日々。
たまにフラっと世界の秘境へ出かけ、野生植物の自生地を訪ねてリフレッシュ。
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こんにちは。花咲 和奏です。
今回は、サラセニアの植え替えをお話しします。
前回のハエトリソウと同様、
植え替え適期は2月中下旬ごろから3月まで。
11月からやることも可能ですが、
凍結のおそれがある12月下旬から2月上旬は避けた方が無難です。

なお、材料などは前回の[4・早春編-②]を参考にしてください。

サラセニアの植え替え

●プルプレア系交配種など

△ 丈が低く、ずんぐり。
横に広がるようなサラセニアは根が少ないため、
丁寧に扱いましょう。

1. 葉の中の水を出す

△ まず葉の中に溜まっている水を出します。
株を逆さにすれば出ます。
プルプレア系は葉の枚数が少ないので、
完全に枯れている葉は切りますが、
半分以上枯れ込んでいない葉は、
切らずに残すようにしてください。

2. 鉢から抜く

△鉢から株を抜き、ピンセットや割りばしなどで、土やミズゴケを取り除きます。

3. 根を洗う

△ 根が少ないので、バケツの水ですすげば
土やミズゴケはすぐに取れるはずです。
芽は無理に分けないようにし、

4. 掃除をする
悪い根や枯れた葉を取りながら、掃除をします。

△ 掃除前の様子。

△ 掃除後の様子。

5. ミズゴケを巻きつけて鉢に入れる
この種類はハエトリソウの植え替えと同じように、
ミズゴケを巻きつけて、
包んでから鉢に入れると植え替えやすいです。

△ ミズゴケで包みます。

6. 植えつける

△ 鉢に入れて植えつけます。

7. 整える
鉢のすき間にミズゴケを均等に詰め、
株がぐらつかず、しっかりホールドされていればOKです。

△ グラグラしなければOK。

8. 水やり

△ 水を上からかけて、5秒くらいで引けば完成です。

植え替え後は、腰水にして、
日当たりのよい場所に置き、管理してください。

●レウコフィラ系、フラバ系交配種など

丈の高くなるサラセニアは、
白く丈夫な根がたくさんあります。
多少手荒に扱って根を切ってしまっても平気です。

△ 白い根がたくさんあるタイプは、多少手荒に扱っても大丈夫。

1. 中の水を出してから葉を切る
まず、葉に入っている水を出してから、
枯れた葉もそうでない葉もすべて、
株元から10㎝の高さで切り揃えてください。

葉を切り残すのは、
その部分を手で持つことで植え替えがしやすくなり、
また、冬芽を傷めないためにも有効です。

△ 作業前の株。

△ 数枚残して葉を切った株。

2. 掃除をし、株分けする

鉢から株を抜き、ピンセットや割りばしなどで、
土やミズゴケを取り除きます。
バケツの水ですすぎながら取ると早くほぐれます。

株が綺麗になったら、冬芽の量を見ましょう。
芽が混み合っていたら、2~3芽つく位置で株を分けます。

株分けは、
消毒したハサミで切り分けてから、
切り口を乾かすか、殺菌剤をつけると安心です。
長い根は半分の位置で切ってください。

3. 植えつける
レウコフィラ系、フラバ系などのサラセニアは、
根が長く多いため、ミズゴケは根に巻きつけず、
株をそのまま鉢に入れ、
深植えにならない位置に片手で株を持って固定し、
もう片方の手で鉢のすき間にミズゴケを均一に詰めて整えます。

ミズゴケは硬すぎず、柔らかすぎないように詰めましょう。
株がぐらつかなければ大丈夫。
水を上からかけて、5秒くらいで引けば完成です。

△ 作業後の株。

作業後は、腰水にして、
日あたりのよい場所に置き、管理してください。


ちょっと難しそうですが、
苦労して植え替えをしたことで、
植物の様子もわかり、
扱い方も少しずつ覚えることができます。

そして…なにより愛着もさらに増しますよね♪
夏には前年以上のパフォーマンスをしてくれるはずです!

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