苔は、地球を救う!?
植物が受賞したグッドデザイン賞
みなさん、2017年もあとわずか。
ところで、グッドデザイン賞をチェックしましたか?
毎年さまざまなステキなアイテムが受賞するこの賞ですが、
今年、なんと植物が受賞したんですよ、ご存じでしたか?
「植物生活」としては、嬉しいばかり。
まるで自分が受賞した気持ちになっちゃいました!
なのでこの年の瀬に、改めて紹介しちゃいますね。
2017年グッドデザイン賞受賞植物サンは、こちらです!
「砂苔(スナゴケ)」。
えっ!? コケ?
そう、植物界でも割とちっちゃなタイプですね。
ルーペで観察するサイズですよ。
花も咲きません。ひたすら、緑です。
地味?
そこがまた、いいじゃないですか。潔いってこのことです。
スナゴケシートってこんなアイテム
△ ジャーン! これがその「砂苔」。パッケージもおしゃれです。
△ パッケージには窓があり、直接砂苔に触れます。モフモフ♪ 写真/ウチダトモコ
△ 展示販売では、触れるだけではなく、誰でも自由に霧を吹きかけて、砂苔がパァッと開く様子を確かめられます。
ね、ちょっとやってみたいでしょ? 写真/ウチダトモコ
△ スナゴケシートの実寸は、約60 × 30 cm。砂苔の仮根が絡んだこの特殊なシート(特許出願中)には、土が使われていません。よって清潔で、バラバラとこぼれたり、ばらけることもありません。 写真提供 グリーンズグリーン
△ シートはハサミで簡単にカットでき、周囲がほつれることもありません。好きなサイズに切れるので、クラフトなどにも便利。 写真提供 グリーンズグリーン
△ スナゴケシートの発売元、グリーンズグリーンの佐藤さん。「様々な方に興味を持っていただきたく、パッケージも工夫しましたが、グッドデザイン受賞は、あくまでもこの製品、 スナゴケシートなんです」。 写真/ウチダトモコ
なぜスナゴケシートがすごいのか?
→→→ 自然界から採取せずに栽培(山採り防止)
植物界でも割とちっちゃなタイプ、苔が
世界的に注目されることは、なんだかとても頼もしい。
でも、ちょっと悩ましいこともあると佐藤さん。
「それは、天然苔の乱獲問題です。
日本の各地には様々な種類の苔が自生しています。
ところが昨今、ブームに乗って、
その自生苔を勝手にはがし取ってしまう人がふえ
自生地では問題になっているのです」。
対するスナゴケシートは、正真正銘、圃場で生産された苔。
苔の自生地の環境を侵すことなく、
一般家庭で気楽に楽しめる製品です。
つまり、間接的にですが、天然苔の保護にも役立っているというわけ。
すごいな、スナゴケシート。
これは、小さな巨人といったところでしょうか。
→→→ 環境問題の問題児がコケ栽培の立役者に変身
では、そんなスナゴケシートの生産の様子を
ちょっと見てみたいな、佐藤さん。
だって、苔の生産ってどんな風景なのか、興味わきますよね。
「実はスナゴケシートは、太陽光発電パネルの下の日陰地で
栽培しているんですよ」(佐藤さん)。
太陽光発電パネル!?
太陽光発電パネルといえば、
今や各地の耕作放棄地などにふえにふえ、
景観の悪化や管理などが問題になることがあります。
そのパネル下の、ただ雑草が生えるだけだった場所、
除草の手間と経費がかかっていた場所を苔栽培に利用。
すると、元は田畑という農産物生産の場だったこの場所が、
改めて、苔という農産物の生産場所として息を吹き返しました。
「太陽光発電パネルの下が、
苔の生育にピッタリな生育環境だということに気づいたんです。
もちろん、成長段階に合った日当たり具合の場所に、
苔のトレイを3回ほど移動させているんですよ」(佐藤さん)。
遠目には、相変わらず
自然風景となじみにくい太陽光発電パネルだけれども、
その下では小さな巨人、スナゴケシートが
きょうもすくすくと育っているなんて、
なんだか少し、未来的で不思議ですね。
△ 太陽光発電パネルの下で生産されるスナゴケシートの様子。新潟県は積雪地のため、高さのあるパネルがつかわれるそう。
写真提供 グリーンズグリーン
こんなふうに使ってみよう、スナゴケシート
では、スナゴケシートは
どのように使うことができるか、
佐藤さんに教えていただきました。
ミニマムに
△ 従来、苔といえば、盆栽の根締めに使われてきました。特に最近の苔ブームでは、苔単品を鉢植えで楽しむケースもふえています。箱庭や個性的な鉢に植えたり、また、テラリウムの素材として、室内ガーデニングにも最適です。
写真提供 グリーンズグリーン
さまざまなクラフトにも
△ 文字をくりぬいた木箱の中に、 スナゴケシートをあしらった例。ちょっと面白い使いかた。
写真提供 グリーンズグリーン
マキシマムに
庭やベランダに敷いて手軽な苔庭で緑化を
△ スナゴケシートをそのまま敷けば、手軽な苔庭ができあがります。日当たりのよい場所がベスト!
写真提供 グリーンズグリーン
シート状だから壁にも貼れる
△ シート状だから、*タッカー を使えば、垂直面にも簡単にも貼れます。大面積の場合は、さらに上から目の細かいメッシュ貼ると安定しやすく、苔が伸びればメッシュを覆えます。 写真提供 グリーンズグリーン
*タッカー … 大きなホッチキス® のような工具。
土を使ってないから海外への輸出も可能
乾燥時は非常に軽量だから運搬もラク。
また、検疫上の法律で、土がついたものの輸出入には制限がありますが、
スナゴケシートには一切土が使われていないため、
海外へも商品展開がされています。
こうやってサンプル例を見てみると、
砂苔シートっていろいろなシーンでつかえそう。
ハンドメイド魂が
ムラムラわいてきたのは私だけ、ではないはず。
この年末年始にコタツでのんびりしながら、
ちょっとスナゴケシートをいじってみませんか?
なんてたって、グッドデザイン賞受賞。
おしゃれな箱を抱えて帰省のお土産にしたら、
家族の話題も独り占めできちゃうかも!?
△ テラリウム・ジオラマ用と名打ったコンパクトな製品も、もうすぐお目見えするんですって♪ 気軽なプレゼントやお試し用にもいいみたい。 写真/ウチダトモコ
お問い合わせ Green'sGreen http://greensgreen.jp
オンラインショップ MASU MOSS http://masumoss.base.ec
text ウチダトモコ 写真提供 グリーンズグリーン
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