食虫植物の罠にハマってみる?[4・早春編-②]

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執筆・写真 * 花咲 和奏(はなさき・わかな)
プロフィール

幼少期の趣味は「タネ集めとタネ採りのための植物栽培」という筋金入りのプランツラバー。
植物関連の施設に勤務し、1000種類を超える植物と向き合う日々。
たまにフラっと世界の秘境へ出かけ、野生植物の自生地を訪ねてリフレッシュ。
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こんにちは。花咲 和奏です。
前回は植え替えの準備の話をしましたが、
今回はいよいよ食虫植物の植え替え実践です!

とはいっても食虫植物も種類によって、
それぞれ植え替え時期は異なります。
今回は休眠中のハエトリソウについてお教えします。

植え替え適期は2月中下旬ごろから3月まで。
11月からやることも可能ですが、
凍結のおそれがある12月下旬から2月上旬は避けた方が無難です。

植え替え準備

【ミズゴケ】
ミズゴケは前の晩に戻しておきます。
空気に触れて乾き始めると扱いにくいため、
使う前にサッと水で湿らせて調整してください。

植え替える鉢をあらかじめ選んでおきましょう。
【ネット】【鉢底石】【底ミズゴケ】
鉢底ネットを入れ、鉢底石を1㎝ほど敷きます。
水で戻したミズゴケを1㎝ほど敷いて、指で軽く押さえます。
根を洗うために、バケツに水をくみ置きます。
ハサミはライターやバーナーで刃を熱して使うことで、
病気などを防ぐことができます。
  「ミズゴケの戻し方」など[第3回]も参考にしてください。

ハエトリソウ

△ 植え替え前の様子。

△ ハエトリソウは黒く細めの根が数本しかありません。
この根を切ってしまうと株へのダメージが大きくなるので…

△ 根は切らないよう、丁寧に丁寧に、土やミズゴケを取り除きます。

下の2つの写真のように
いくつかの芽が集まっている株は、
そっと力を入れるとポロっと株分けできますよ。

△ 2芽ついている株。

△ ポロっと株分けできました。

チンゲンサイのようなふくらみのある株元に、
腐敗して黒く変色した部分があるので、
ピンセットやハサミなどを使い、
さらに丁寧に取り除いてください。
根についたごみを水で洗い落とします。

△ 掃除が終わった様子。

株元が小さな株は2.5号ポットに、
大きな株は3号ポットに植えます。


ミズゴケを手のひらに少し多めに乗せます。
その時、ミズゴケの繊維はだいたい縦方向に揃えてください。
そこにハエトリソウの根を繊維の方向に合わせて乗せます。
葉や根を折らないように注意し、
ミズゴケを縦方向に揃えて乗せながら、
株元にミズゴケを巻きつけるように包んでいきます。

△ ミズゴケの繊維の方向を揃え、株元をミズゴケで包みます。

△ その際、株元の膨らんだ部分を押さえます。

△包み終えたら、手で丸く整えつつ鉢へ押し込みます。

△ 鉢のすき間にミズゴケを詰めて整えます。

ミズゴケは硬すぎず、柔らかすぎないように詰めましょう。
株がしっかりホールドされていれば大丈夫です。


△ 水を上からかけて、5秒くらいで引けば完成です。

植え替え後は腰水にして、凍らない程度の
日あたりのよい軒下などに置き、管理してください。



次回は同じく休眠中のサラセニアについてお教えします。

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