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SixTONES「こっから」のMVを、SixTONESの歴史を感じながら咀嚼する


SixTONES10枚目のシングル「こっから」が絶賛発売中だ。

メンバーの森本慎太郎主演ドラマ『だが、情熱はある』の主題歌にもなっていて、既に馴染みのあるこの曲。
公式サイトでは、このように説明されている。

表題曲「こっから」には、どれだけ上手くいかなくても、天才じゃなくても「こっから」始めよう!という強い決意と情熱溢れる応援ソング。
熱いラップのマイクリレーが見せどころのHIP HOP/ブレイクビーツと生バンド演奏によるミクスチャー・エールソング!

SixTONES official site




正直、いま日本中に、いや世界中に問いたい。


ねえこの曲聴いた?


このMV見た?



歌詞も好きだし曲調も好きなのだが、特に好きなのはMVだ。
初めて見た時思わず『エモ……』と呟いてしまい、それ以来、頭からも心からも離れなくなってしまった。


なにがそんなに『エモ……』なのか、こっから書いていきたい。





この先、MVの私なりの見方や解釈を綴っている。
もちろん、オタク特有のキモ解釈が大半であることはわかっている。
『こういう解釈しても楽しいよねッ』というくらいの軽い気持ちで綴っているし、読み進めていく方も同じくらいの気持ちで咀嚼してほしい。




まず注目すべきは、曲の始まり。
イントロと同時に映し出されるのは、京本大我。
そして【 SixTONES こっから 】とタイトルが入る。


お気付きだろうか。既にエモは始まっている。



実は、SixTONESの中でジャニーズ事務所に入所したのが最も早いのが、京本大我だ。
つまり、SixTONESの歴史を語る際1番早く登場することになるのは彼。そんな京本大我が誰より先に「こっから」の世界観に姿を見せているのは、ちょっと粋だよなぁ。


1番は、大きく分けて4つの場面で構成されている。
メンバーがペアになって映し出される3場面と、全員でシャンデリアがあるフロアで踊っている計4シーンだ。



メンバーがペアになっている場面の組み合わせは、◎田中樹/京本大我 ◎ジェシー/髙地優吾 ◎森本慎太郎/松村北斗 となっている。



はい、エモーーーーーー!!!!!!



この組み合わせ、SixTONESのファンなら知る人ぞ知るもの。



当時ジャニーズJr.だった6人は『私立バカレア高校』というドラマに出演するメンバーとして選抜され、一定期間活動を共にすることとなった。
ちなみにこの時の6人には名前が無く、ファンは " バカレア組 " の愛称で呼んでいた。
そこから紆余曲折あり、SixTONESが結成されている。



『私立バカレア高校』内で2:2:2の組み合わせになる時は、だいたい上記のペアだった。
特に、6人の中でもメインキャラを演じた森本慎太郎と、2番手ポジションの役だった松村北斗のキャラは人気が高く、2人で絡むシーンも多かった記憶がある。


現在のSixTONESのファンで " バカレア組 " 時代を知っている人がどのくらいいるかはわからないが、グループとしての「こっから」を語るには欠かすことのできない時代を、このペア割りで表現しているのかもしれない。
なんて予想するだけで、ニマニマしてしまう。


サビは、シャンデリアのあるフロアで華やかなダンスシーンとなっている。


少し話しは逸れるかもしれないが、このMV内でメンバーが着ている衣装は2着だ。


1着目は、等身大の彼らを表したような普段着テイストなもの。

そして2着目は、ジャケットを羽織ったドレスアップコーデ。それなのに、本編ではメンバーの半数以上がサングラスやメガネを着用し " らしさ " 全開の個性爆発コーディネートだ。

1番のサビは、ドレスコードでダンスシーンに登場。セットと衣装も相まって、とても華やかな場面となっている。


そのまま2番に入るが、私的に「こっから」は2番がミソなんじゃないかと思うほど、詰まり詰まった魅力が広がっている。



2番冒頭、6人がボーリング場にいるところから始まる。
ボーリング場でのダンスシーンと、ジェシーがボーリングを行うのを見守る5人のシーンが交互で映し出されるが、ここにもエモは待っていた……。



またSixTONESの歴史と照らし合わせてしまうが、ジェシーがボーリングの球を投げ、それを5人が見守っているというのは、SixTONESが再結成した軌跡を連想してしまう。


先ほどの " バカレア組 " 時代から、6人は一度事実上の解体をしている。
数年間はそれぞれの場所でJr.活動を頑張っていたが、「もう一度6人で」と強い想いを抱いてグループを再結成に導いたのは、ジェシーだった。
そしてジェシーがこのことを相談したのが、髙地優吾だったという。


ジェシーが球を投げる時、田中樹×松村北斗・森本慎太郎×京本大我 のカット割りで見守っている姿が映されたが、髙地優吾は単独のカットだった。
そしてジェシーが投げた球は、もちろんストライク。
まるで、こっからのSixTONESにも晴れやかな舞台が待ってるよとでも言うかのような、神演出だ。


でもここがピークじゃないのが、このMVの凄いところ。
この後フルバージョンのみで公開されているパートに続くのだが、なんと、メンバーカラーの歌詞が出現する。


黄色信号でずっと進行

辛抱した先は歩こうぜレッドカーペット

タリラリラリラッタ♪ Come on!

よりどりミドリってさっき言ったろ?

明日ありと思う心の仇桜

生きてることが青天の霹靂

しかし悔しさで黒く燃える腹ん中


SixTONESのメンカラ歌詞といえば " Amazing!!!!!! " という楽曲に入ったのが最初だったと記憶している。



この曲は彼らが " SixTONES " として結成してから貰った、Jr.時代のオリジナル曲だ。
結成後もどこかグループカラーが定まらず模索していたそうだが『この曲を貰ったことで自分たちの個性をどこのベクトルに持っていくかが明確になり始めた』と、田中樹は雑誌で語っていた。
つまり、ここにもSixTONESにとっての「こっから」が散りばめられているのではないか。


こんなにもグッとくる歌詞なのにずっと未解禁であり、発売前に出演した歌番組でこの曲をフル歌唱した際に、初めてお披露目された。
今でもテレビドラマで流れる尺では聴くことはできないし、YouTube等で公開されているものでもこの部分は非公開。つまり、CDを手に取ったり、音楽番組を追いかけるような " SixTONESのファン " でないと触れられない部分なのだ。
各々のカラー部分を歌い継ぐ6人の姿は「こっから」の世界観をより熱く、盛り上げている。


2番が終わると、間奏に入る。
ボーリングでストライクを取ったジェシーが床に寝転ぶと、何故かシャンデリアのフロアへ移る。

ジェシーが入っていくと、既に普段着衣装の5人がいて、そこから6人は好きなように踊り出す。
1人が踊っている時は、5人が周りで盛り上げて。そして大サビ前のフレーズからは、また6人が揃って踊り始めて……途中でジェシーが目覚めると、またボーリング場に戻っている、というシーンだ。




ここから、キモ解釈入りまああああす!!!!!!



この間奏場面は、メンバーがSixTONES再結成に見ていた夢やグループとしての目標を表しているのではないか。


まず、全編通して見てもフロアでのシーンで普段着衣装で踊っているのは、この場面だけである。他のフロアでのシーンはドレスコードで踊っている。
普段着衣装の6人が楽しそうに踊っている姿は、『それぞれの個性も大切にしながら活動できるグループに』とSixTONESがジャニーさんから伝えられたグループの由来にも通ずるし、 " 6人だったらそんなグループになれる " と各々がSixTONESに夢を見たというのが、伝わってくるようだ。
しかしJr.時代は " 夢 " でしかなかったので、グループ再結成の立役者であるジェシーを中心に描かれているのではないか。


いよいよラストスパート。また6人は冒頭のペアに分かれて、別々の場所からどこかに向かって歩いている場面と、ドレスコードでのダンスシーンの計4シーンで構成。


ドレスコードで踊る場面が現在のSixTONESの華やかさを表していると考えると、過去の歩みとグループとしてあの頃の夢を叶えて立っている舞台を交互に映し出している演出と捉えることもできる。エモい。


そして最後の場面。森本慎太郎を中心にメンバーが集まり、彼が投げるボーリングの球の行末を見守る瞬間が切り取られて、MVは終わった。


初見でも、この場面が1番好きだった。
最後にして最高の場面を盛り込んできやがって!!!!!!痺れるなあ!!!!!!と大興奮してしまうほど、ぶっ刺さりだった。

刺さった1番の理由は、やはり " 森本慎太郎を中心にした構図 " だろう。
この曲は彼の主演ドラマの主題歌なので、最後に彼がセンターに来て閉じられるのは、普通にある話しだ。
しかし、「こっから」の世界観を森本慎太郎がセンターに来た場面で閉じるというのは、 " 彼の主演ドラマの主題歌だから " だけでは片付けられないものがある。

先ほどから触れてきたが、SixTONESの歴史上欠かせないのが『私立バカレア高校』というドラマ。
1番のメインキャラクターを演じていた森本慎太郎は、SixTONESが " バカレア組 " として歩み始めた時の中心人物だった。

MVの中では彼の投げた球がどんな結果を残したのか映されない。行く先を見逃すまいとしっかり見守る6人の表情が切り取られて終わってしまうが、 " バカレア組 " として初めて6人で活動をした当時の心情を表しているのかな、とも考えられる。


" バカレア組 " がSixTONESの原点だとすれば、その先頭に立ち勢いよく球を投げたのは、間違いなく森本慎太郎だ。
そしてその時こそ、SixTONESが「こっから始まった」瞬間なのだと思う。





「こっから」の世界観をSixTONESの歴史と照らし合わせると、より楽しめてしまった。
もちろん、これがキモ解釈なのはわかっているが、オタクなんてそれが楽しくて、それが好きでやってるようなもんだ。


提示されたものをじっくりと眺め、味わい、きちんと咀嚼し、ゆっくり飲み込む。
美味しいごはんを食べると心身共に満たされるが、素晴らしい作品を手にしても、同じことが言える。


こんなにも味わい深く、何度でも楽しみたいと思う作品を提供してくれるSixTONESはやはり、天才なんだ。
その才能と出会うことができて、幸せに思う。


今も続いている「こっから」の歴史に、ありがとう。


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