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歯が痛い絶望


皆さんはむし歯になったことがありますか?

その苦しみを知っていますか?

僕は知っています。今まで何本の歯を抜き、何本の神経を抜き、何本の歯がシルバーになったことでしょう。齢二十二にして、僕の口内はすっかり老人のような歴戦の戦士っぷりなのです。

そして、今週、新たなる痛みが....

「お前、ちゃんと歯を磨いていないだろ」と言われるのは心外です。確かに昔は夜中に突然起きて、ファンタをがぶ飲みしてから歯磨きもせずに寝るということを常習的にやっていましたが、今は心機一転、毎日しっかりと歯磨きをし、歯間ブラシも使い、間食もなくしています。ちゃんと歯を磨いているのです!!!

なのに、どうして......。

痛みは数日前から訪れました。右下奥歯に何かが挟まったような感覚が最初にあり、なんだろうと指やベロでいじっていると、じんわりとした痛みが広がるようになり、時々は沁みるような痛みが瞬時にやってくるようになりました。

これはやばい。

かれこれ虫歯歴は十余年、僕は天を仰ぐのです。

「虫歯やこれ...」

虫歯の痛みは、歯茎の痛みや知覚過敏とは異質の痛みを持っています。長引けは長引く程痛みは増し、およそ歯の痛みとは思えない、想像を絶する痛みの高みへと上り詰めていきます。

僕はそれを重々承知の上だったので、すぐに歯医者の予約を入れました。つい二ヶ月前に、二年かかった歯の治療を終え、無事に歯医者を卒業したのにこの様です。悲しいですが、痛いのでいくしかありません。

僕の誤算は、歯の痛みの進行度合いでした。歯が痛くなってからすぐに歯医者に行ければ言う事なしですが、仕事やイベント、歯医者側の都合が重なり、予約が4日後になってしまいました。が、僕は余裕ある様子でしたね。この痛み、あるいはもう少し痛くなった痛みだとしても、4日なら大丈夫。最悪痛み止めを飲めば問題ない。そういう態度だったのです。馬鹿です。ベテランの油断です。

昨日、痛みが更なる進化を遂げました。

右下奥歯の痛みが何故か右上奥に痛みを変え、少し下の歯に触れただけで激痛をもたらす、敏感な爆弾が完成してしまったのです。

少し触れただけでも痛いのに、食事をしようとものを噛んだら、大爆発です。口の右半分に衝撃派が隕石落下のように広がり、口が痺れ、目には涙がどっと押し寄せます。痛すぎると何度も口にしますが、本当に、そんな言葉では表せない痛みなのです。虫歯が原因で死んだ人がいるのも納得です。痛すぎるもの。

あの天下の痛み止め、ロキソニンですら、痛みの猛攻を無にすることはできません。薬が効いている間は痛い、効いてない時は信じられないくらい痛い、こんな感じです。
結局昨日の晩御飯は食べられず、今日の朝ごはんも食べられず、空腹でやつれながら今に至るのです。
生き地獄です。今だって、口を半開きにしておかないと、下の歯に当たって、まるで鉄に鉄を打ちつけているような、まるで黒閃を打ち込まれているような、凄まじい痛みの電流が流れます。

こんな日に限って、今日は大学の卒業式です。
四年間必死に虫歯治療と向き合ってきた僕に与えられる卒業証書が、最上級の歯痛だなんて不条理甚だしい限りです。

なんとか今日を乗り切り、明日、歯医者へと駆け込みます。
この痛さでは、神経にまで達していると思いますが、この際、痛みさえなくなればなんでもいいです。

虫歯には気をつけましょう。(泣)

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