勇気をもらった4-0の勝利

神戸さんに勝った日、すごく嬉しいなと思いながら、用事の帰り道を歩いててふと「次は川崎さんとのダービーだったな」と思い出した。

「そうか、川崎さんか…」その後に心に浮かんで打ち消したのは“もちろん勝ちたいし勝つために頑張るけど、川崎さんは手強いよなあ”という気持ちだった。

もちろん他になら楽に勝てるなんて思いは全くない。そういう意味じゃなく、川崎さんは地域的にはベルマーレとすごく近い場所にいつもいるのに、順位は常に視界外のかなたにいるイメージがある。イメージというか、実際にそう。


水曜日の夜は、試合を見るのにもバタバタする。やっとのことでテーブルのそばでDAZNを見る時間にありつける。本当はじっくり試合に集中したいけど、その時間帯にしないといけないことがあって、気になりながらも意識はDAZNとそのしなければいけないことの間を行ったり来たりする。


何点取っても緊張は続く。もう大丈夫だろうとはなかなか思えない。でもすごく楽しかった!!

ルヴァンで大活躍中の町野選手の2得点も含む、4-0の完封勝ち!!

これまで決して得点力豊富ではなかったので、1試合に4点も取れたことにももちろん大いに拍手を送りたい。それと同時に、堅い守備で無失点で試合を終えた守備陣にも、同じくらいの大きな拍手を送りたいと思う。

1-0、2-0、3-0、4-0…

点数が増えてるのは何回見ても「湘南」のほう。ほんとにそうなんだよね?今自分が見てるのは夢じゃないよね?と何度も自問自答した。

だけど、間違いじゃない。ほんとに勝ってるんだ!!

DAZNに映し出される黄緑と青のサポーターたちは、アウェイとは思えないくらいの大迫力。同じ県内で行きやすい近場とはいえ、水曜日の夜に等々力にあれだけの人が集まるというのは本当にすごい。ベルサポだから神奈川県内で移動してるとは限らないし。もしかしたら、極論すれば北海道や沖縄から川崎に行ってたサポさんだっているのかもしれない。


町野選手は2試合連続の2得点だったけど、これは呂比須ワグナーさん以来、ベルマーレでは24年ぶり2人目のことだとか。

呂比須さんは、練習場(馬入じゃなくてその前の大神…!)で会えた時に、私に笑顔で「また試合応援に来てね(^^)」と言ってくださって、私は普段選手と触れ合ったり話したりすることが本当に少なかったから余計に、今でも特別な思い出として心に残ってる。


その呂比須さん以来というと、かなりの間眠ってた時間が町野選手によってまた動き出したということになる。

それは平塚時代の話だから、2試合連続2得点を成し遂げた湘南での初めての選手が町野選手なんだなあ。

24年って簡単に言うけど、1997年くらいのこと。ものすごく深い歴史だと思う。その間にはチーム存続危機もあって、それを乗り越えたからこそ昨日みたいな感動にも出会える。毎回この内容を書いてる気がするけど、本当に毎回そう思う。


それから、ベルマーレが等々力で勝ったのは、2013年7月31日(水)以来のことで、日にち換算したら実に3220日ぶりだと知った!

当時、アレックスサンターナ選手というキーパーがいて、PKになった時謎の踊りを踊って止めたという伝説がその日にはある。

私は2013年は事情で一年通してほぼ現地には応援には行けなかった。ベルマーレの中でも特に注目してた選手が当時いて、その選手にまつわるあれこれを通して、楽しいことも悔しいことも、嬉しいことも悲しいこともたくさんあった。といってもものすごく熱心に目に見えて分かる形で応援してたというほどではなくて、密かにそっと応援してただけなんだけど、あの頃感じたことや学んだことは、今のベルマーレ人生にも確実に活かされてると思う。

チームとしての2013年シーズンは悔しい記憶がとても強い一年になってしまったけど、その川崎戦のことは、アレックスサンターナ選手の踊りもそうだし、遠藤航選手、高山薫選手のゴールで勝ったのも幸せな記憶として今でも覚えてる。


川崎さんがホームで4点差以上で負けたのは22年ぶりだと聞いた。

勝つと「~年ぶり」と話題になるベルマーレに対して、負けると「~年ぶり」と話題になる川崎さん。相撲で言うと横綱みたいな存在なのかなあ。


でも、同じ県内にこんなふうにいつも強くて、いつか肩を並べたいと思える存在があるというのはありがたいことだと思う。

「ベルマーレはなんでその順位にいるの?」

「ペンライトの演出、きれいだったよ」

「絶対残留して、また来年もダービーやろうね」

川崎サポさんの知り合いから言ってもらった言葉も嬉しかったし、コロナ禍でもこうして試合が行われてるのは多くの人たちの尽力によるものだと思うので、こうして試合を(現地ではたまにしか応援できなくても)見られるというのがもう、当たり前ではない幸せなんだなとつくづく思う。


「4点取ってるのに、4点差なのに、ベルサポはどうやって喜んでいいのか分からないんだよね(笑)試合終了のホイッスルが鳴るまで、ほんとに勝てるのかなってほとんどのベルサポが心のどこかで思ってたはずだよ」

そう言って笑ったベルサポがいた。

勝利に背中を押されて、たとえ嫌なことや気が進まないことにもすいすい向かっていけるベルサポが、日本じゅうにどれだけいるだろうか。

いつも励まされてることに改めて感謝して、私も大好きなベルマーレに心からの声援を送り続けたい。


勝利の難しさや遠さを知ってるからこそ、その価値がどれだけ大きいものかがよく分かる。昨日の勝利は、それこそペンライトみたいにキラキラ輝く、この先自信を持って闘い抜く上でも確実に心の奥底で力になってくれる、お守りのような勝利だった。


同県の好ライバルの大きな水色の背中が少しでも近くに見えるようになるためにも、一つ一つ順位を上に上げていきたい。


ベルマーレがそんな勝つわけないじゃん、と笑う人も多い中で、川崎さんに4-0で勝てる現実もあるんだから、信じて闘い抜けば道は拓けるはず!

私は本気で残留を信じて応援する。

不安になったら昨日の勝利を胸の奥で確かめつつ、これからも信じていきたい。

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