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1993年湘南ベルマーレ記録

5月15日はJリーグの日
1993年5月15日に当時の人気クラブ
ヴェルディ川崎VS横浜マリノス
この2チームによってJリーグは幕を開けました。
皆様ご存知の通りベルマーレはオリジナル10には入っておらず
1994年にジュビロ磐田と共に昇格参加をしています。
今日は5月14日なのでJリーグ前夜1993年の記録について触れたいと思います。

名称変遷フジタFC、湘南ベルマーレ、ベルマーレ平塚

 現在チーム名は湘南ベルマーレですがJリーグ昇格時はベルマーレ平塚。
更にその前は湘南ベルマーレ・・・非常にややこしいです。
 JSL(日本サッカーリーグ)時代は母体企業のフジタがチーム名として使用されていました。プロサッカーリーグ参加に向けて1992年10月にフジタが全額出資する株式会社フジタスポーツクラブが設立され、チームの愛称を「湘南ベルマーレ」と決定しました。ベルマーレの誕生です。
 この年第2回ジャパンフットボールを制し、晴れてJリーグへの加盟が決定しますがこの当時はJリーグ参入に当たっては地域名をチーム名に冠することが出来なかったことからベルマーレ平塚へチーム名を変更することとなりました。

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図.1993年のオフィシャルハンドブック 表記はFujitaCLUB

Jリーグ参入への壁

サッカープロリーグ化に伴い、早い段階からフジタは参加を熱望していましたが、Jリーグ側からは2つの問題が指摘されました。

①地元への密着度
 今でこそ平塚にベルマーレ有りと言えますが、ベルマーレが平塚を拠点とした理由は母体企業であったフジタ工業がグラウンドを大神に持っていたからという希薄な理由でした。すでに神奈川県からはヴェルディ川崎(読売)、横浜マリノス(日産)、横浜フリューゲルスJ(全日空)の3チームが参加が決まっており、Jリーグ側からは神奈川以外でフジタの参加を望み、当時のフジタ工業社長藤田正明氏の出身地である広島、Jリーグ開催に伴いチームを誘致していた埼玉県浦和市でなら参加を認めて良いという話があったそうです。藤田氏はフジタ工業は本拠地は東京(代々木)にありこれを固辞。
 広島には当時J参加を迷っていたマツダがサンフレッチェとして。同様に本拠地は東京であった三菱重工は本拠地を東京近郊で探しており、大神と平塚競技場に目を付け平塚市にも打診があったものの、すでにベルマーレがあり良い回答を得られず・・・サッカークラブを探していた浦和市の求めに応じレッズとして参加が決まりました。
 首都にプロチームがないリーグは極めて異例でしたがJリーグが国立霞ヶ丘陸上競技場をホームスタジアムとして認定しないこと、江戸川区陸上競技場の客席増設、周辺での練習場確保が難しく東京をホームにしたチームは1999年のFC東京の出現まで待たれることとなりました。
 藤田氏や平塚市の考え方が変わっていたらベルマーレ広島、ベルマーレ浦和、平塚レッドダイヤモンズなんてチームが誕生していたり、サンフレッチェが誕生しなかった可能性もあったというのは面白いです。

②実力面
 Jリーグ創生にあたり議論が活発であった1991年は残念ながらフジタFCはJSL(日本サッカーリーグ)2部に所属していました。1972年のJSL参加以来1部を18年キープしたものの1989-90年シーズンに12チーム中11位となり初の2部降格、翌年は1年での復帰を目指したものの同時降格した日立とマツダに後塵を拝し3位という結果に。JSL最後の年となった1991-92年シーズンは2部優勝を果たしたものの1歩及ばずでした。同じ2部に所属した住友金属(現アントラーズ)は①の地元への密着度が高く一足飛びにJリーグに参加となりました。

Jリーグ準会員制度

 Jリーグ開幕10チームには漏れたもののジャパンフットボールにはJリーグへの参入を希望したクラブが多くありました。無条件で参加させることは難しいのでJリーグ入会条件を満たすか、それに準ずるクラブ環境を持っているクラブに対し準会員として認めることとし、1994年から準会員のうちジャパンフットボールリーグで2位以内の成績を収める、かつ理事会の審査によって特に問題がない場合にJリーグへの入会が認められることとなりました。
 早速フジタサッカークラブは入会に向けた動きを取り1992年に日立フットボールクラブ(現柏レイソル)、ヤマハフットボールクラブ(現ジュビロ磐田)と共にJリーグ準会員の資格を取得しました。

第2回ジャパンフットボールリーグ1部試合結果

16勝 2敗 49得点 12失点 得失点差+37
大会は、2回戦総当りのリーグ戦を行う。
 試合は前後半各45分の90分で行い、同点の場合、前後半15分の延長戦をVゴール方式で行う。延長戦でも決着のつかない場合はPK戦を行って、勝利チームを決定する。
 Jリーグ準会員となりJリーグ参加を見据えた大会で見事に優勝、昇格を果たしています。下馬評では前年度優勝のヤマハ(ジュビロ磐田)と柏レイソルが昇格候補でしたが柏レイソルは途中で失速、両チームにシーズンダブルで勝利するなど圧倒的な成績を納め強さを見せつけました。

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図.当時の試合告知リーフレット SHONAN Bellmareの名前が見られる。


試合詳細
第1節 5/30 H 東芝〇 2-0 平塚競技場(1,569人)
湘 21分ミランジーニャ、41分名良橋

第2節 6/5 A 東京ガス 〇4-1 西が丘サッカー場(1,200人)
湘 39分野口、42分名塚、68分野口、77分ミランジーニャ
東 51分カルバリオ

第3節 6/13 H 中央防犯 〇2-0 平塚競技場(1,416人)
湘 11分ベッチーニョ、16分ミランジーニャ

第4節 6/20 A 富士通 〇3-2 伊勢崎市営(4,800人)
湘 31分名塚、58分松山広、89分野口
富 67分岩淵、71分岩淵

第5節 6/27 H ヤンマー 〇6-1 平塚競技場(3,031人)
湘 15分名良橋、33分ベッチーニョ、68分エジソン、70分ベッチーニョ
  80分ベッチーニョ、89分ミランジーニャ
ヤ 53分皆本

第6節 7/4 H 大塚製薬 〇3-0 平塚競技場(3,853人)
湘 22分ミランジーニャ、43分ベッチーニョ、89分岩本

第7節 7/10 A 柏レイソル 〇2-1 日立柏総合グラウンド(11,486人)
湘 29分名良橋、57分名良橋
柏 54分ネルシーニョ

第8節 7/17 H ジュビロ磐田 ●0-1 平塚競技場(10,361人)
磐 109分大石

第9節 7/25 A 京都サンガ 〇4-1 山城総合運動公園(1,684人)
湘 21分ミランジーニャ、41分エジソン、49分ミランジーニャ、83分野口
京 69分北野

第10節 8/3 H 柏レイソル 〇2-1 平塚競技場(8,679人)
湘 19分ベッチーニョ、74分野口
柏 85分大倉

第11節 8/8 A 大塚製薬 ●0-2 大塚製薬グラウンド
大 12分関口、88分マリオ

第12節 8/11 A ヤンマー 〇3-0 長居陸上競技場(2,500人)
湘 25分ベッチーニョ、38分野口、56分岩元

第13節 8/17 H 富士通 〇7-0 平塚競技場(7,492人)
湘 9分、31分ミランジーニャ、52分ベッチーニョ、57分エジソン
  61分、63分ミランジーニャ、75分公文

第15節 8/22 A 中央防犯 〇2-0 焼津総合グラウンド(1,480人)
湘 86分野口、89分ミランジーニャ

第16節 8/29 H 京都サンガ 〇3-1 西が丘サッカー場(3,651人)
湘 20分エジソン、39分名良橋、62分野口
京 50分青木

第17節 9/1 H 東芝 〇3-1 平塚競技場(3,100人)
湘 53分野口、74分野口、89分渡辺
東 60分バルデス

第18節 9/5 A ジュビロ磐田 〇1-0 ヤマハ磐田サッカー場(9,727人)
湘 84分ベッチーニョ

表彰選手

ベストイレブン
GK 古島 清人
DF 名塚 善寛
   名良橋 晃
MF ベッチーニョ
   エジソン
FW 野口幸司

得点ランキング
4位 ミランジーニャ 12ゴール
5位 ベッチーニョ 11ゴール

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