有線のイヤホンをつけたくなる夜。
ふと眠れない夜。
そんな時はわざわざ有線のイヤホンをつけて夜のジトっとした新宿を散歩する。
インスタのストーリーに通りがかった猫の姿を載せて友達からリアクションを求める。
「誰かと話したいなぁ。飲みたいなぁ。」と。
そんな期待とは裏腹に何も来ない。まあそんなものだ、と感じながら、こういう時にすぐ集まれる友達がいたらいいなと思う。
いつもと違う坂を上がったセブンでビールを買う。
スーパードライがいいか、ラガーがいいか。
いいや、こういう時は酔いしれたいから飲んだことがない「よなよなエール」を買う。
レジを済ませ、冷たく水が滴ったビール缶を上から鷲掴みし、それを持ちながらいつものタワマンの下にあるライトアップされた広場へと向かう。
道端で仕事終わりの酔っ払ったキャバ嬢が千鳥足でふらふらと歩いているのが見える。
「通りがかったら絡まれて何かイベントが発生するかな」
そんな期待をしながらイヤホンを外し、ビールと反対の手で髪をかきあげながらキャバ嬢の隣を通り過ぎる。
もちろん何もない。
こうやって人間は期待をすることで何か自分の中で自信をなくしたり、うまくいかないなぁと感じているんだなと思いながら広場へ。
よなよなエールをプシュっと開けてのむ。
2口目までは美味しい。そのあとはまずい。
でもそうやって夜風にあたりながらビールを飲んでる自分が好きなんだよな。
広場でゆっくりしたい気持ちもあるが、アリンコが足の周りをぐるぐるして足を振り払う。
落ち着かなくてすぐに広場を後にする。
有線のイヤホンを再びつけ、aikoをかける。
milkをかければ大学時代に付き合った元カノのことを思い出す。他の曲では好きでもないのにお互い寂しさで付き合った後輩のあの子を思い出す。
そういえばタバコ吸ってないな。
近くの公園に座り、IQOSを取り出しタバコを刺す。
こういう時にマッチで紙タバコを吸いたいと思いながら、考えるてるとブンッとIQOSが振動しふと我に帰る。
思いの外IQOSの1本目が早く吸い終わり、もっとこの時間に浸っていたいのにな。と感じる。
こうやって1人でしか考えない、誰にもシェアされないようなことを考えて日々が過ぎていく。
空虚を感じるとともに、どこかこんな時間の過ごし方も悪くないなと感じる自分もいる。
そんな感情を書き留めたくて、noteを開く。
2023/07/13
家の近くの公園にて。
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