見出し画像

"WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE."を読んで:佐渡島康平さんへ宛てた感謝の手紙

前略 佐渡島康平様

初めてお手紙を差し上げます。5月8日発売の著書「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜」を読んで、感謝の気持ちを伝えたく、そのまま筆をとっております。

私が初めて佐渡島さんを知ったのは、つい最近、コルクラボのvoicyを聴いたのがきっかけです。なんとなしに聴いたvoicyでしたが、コルクラボのメンバーの皆さんがコミュニティに関する鋭い洞察をさらりと述べているのに驚愕し、過去の放送を聴きあさりました。コルクラボのvoicyに影響されて、ストレングスファインダーを受けたりもしました。
そうして聴くうちに、どうやらコルクの代表をサドシマさんという人が務めており、メンバーの尊敬を集めていること、メンバーの話によれば、サドシマさんは全てが分かっているようなすごい人であること、自らのことをサディと呼ばせているようであることを知りました。むむ、なんだか怪しい。気になったので、調べてみると、怪しい人ではなく、あの、「宇宙兄弟」を編集された凄い編集者であることがわかったのです。あの、私が、ページをめくるたびに体が熱くなることを感じた、人生で初めて漫画を読んで息ができなくなるほど大号泣した、「宇宙兄弟」です。
そして、どうやら新しくコミュニティに関する本を出版されることもその時知りました。

コミュニティは最近興味を持ったテーマで、それは、あるベテラン弁護士の一言がきっかけです。その弁護士は、顧客を沢山抱え、有名な大規模案件をバリバリこなす、凄腕弁護士で、誰もがうらやむような実績の持ち主でした。しかし、あるとき「この歳になって後悔していることがある。それは、友達を作るのを怠ってきたことだ。仕事以外に居場所がなく、孤独を感じる。」といった趣旨の発言をしていたのです。私は、弁護士業務をバリバリこなすことが素晴らしいことだ、なんて思っていたのですが、この一言を聞いて、ちょっとその考えを改めました。そして、仕事以外の居場所がなくなることがなんだか怖くなったのです。

そんな中、家入一真さんの「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」や、落合陽一さんの「日本再興戦略」に出合ううちに、中央集権の世界が溶けていき、分散化していく世界が見えてきて、「経済圏」というキーワードが浮かびあがってくるのを感じました。同時に、コミュニティについて深く知るのが今後の世界を生き抜くために必要になるような気が、ぼんやりながらしてきたのです。

こうして私は、「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」に出合いました。ここに書いてある内容は私にとってとても新しいことだらけでしたが、通底するコミュニティに関するブレない考え方があり、それがテキストで、漫画で、対談形式でと様々なアプローチで説明され、私は、コミュニティ体験をしつつ、抵抗なく本書の内容を吸収することができました。このような読書体験は初めてで、そのデザイン力に圧倒されました。実は、この手紙を書こうと思ったのも、さらなる読書体験を求めてのことです。

安全・安心を確保して、リアクション・役割を設計する。その環境の中で、安心して、自分の物語を語れるようにする。

これは、本書に書かれたコミュニティがうまく動き出す環境作りの方法ですが、このような本質的な内容が短く指摘されている点だけをとらえても、本書に出合えてよかったと思いました。

本書を読んで、私がnoteを続けるのは、仕事とは別の居場所を確保したいという欲望と世界の本質的な部分・キホンとなる部分を考え、言語化して残しておきたいという欲望があるのだなぁとも気づかされました。そして、本書にあるアップデート主義という言葉は、不完全ながらもnoteに投稿し続ける私の罪悪感を軽くし、勇気づけてくれました。

自然発生的なコミュニティが消失していく現代社会で、コミュニティを創出することに触れた本書はとても意義のあるもので、読者のコミュニティに関する洞察を深め、生きづらさが蔓延した現代社会を生き抜く光を与えてくれるものとなるように感じます。

改めて、このような貴重な読書体験をさせてくださった佐渡島様に感謝の気持ちを伝えます。ありがとうございました。

草々

ーーーーーーーーーーーーー

この手紙を書くに至ったのは、シンプルなやる気の整え方でやる気がでない読書感想文をどのようにしたらやる気をもって書けるかということを考えたときに、感想文なのだから、著者に向けて感想文を書くのはどうかと提案したのがきっかけです。自分で提案して、自分がやる気になり、良い本がないかなぁと考えていたところ、佐渡島さんの素敵な著書に出合ったことから、今回の投稿に至りました。

この手紙は実際に送付する予定のないもので、佐渡島さんに実際に内容が届くかもわかりませんが、やってみて結構楽しかったので満足です。さらに、これが佐渡島さんに届いたら素敵だなぁと思います。

そして、noteの良いところはアップデートできるところですよね。もしかしたらしれっとアップデートしているかもしれません。アップデート主義、素敵な言葉ですね。

法律書よりビジネス書が好きな弁護士。弁護士業務や弁護士になるまでに培った経験をなるべく言語化して共有したいと考えております。皆様からサポート・リアクションをいただき本当に感謝しております。励みになります。