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「SLOW MOVE」6すいすい(時々滞り、時々軽やかに!)

病院。



受付

採血
2Fに上がって、

待ち

テレビを見る(ロシアの情勢)

検査
身長体重血圧測定

待ち

テレビを見る(全国のお天気)

待ち

テレビを見る(何かの金の不正受給)

待ち

本を読む(『つながりの作法―同じでもなく 違うでもなく』)

待ち

待ちくたびれ(はぁ、)

診察(やっと!)

お会計(なんとなく、微妙に高いなぁと感じる金額)

慣れているのですいすいと病院内を進む。
病院内は番号で管理されていて、今日はずっと200番の人として採血をして検査をして診察をしてお会計をした。すいすいと。

何年か前の健康診断でひっかかったところがずっと経過観察になっていて時々病院に行く。今は特に何も問題ないのだけど悪くなる可能性もあるというので、念のため。
病院に行くという用事にはいまいちやる気が出せないので、お気に入りのマロンクリームちゃんのバッグを持って新しいピンクの靴とたまにしか履かない黒い短め丈のスカートも履いて横断歩道をちょっと気取って渡って病院まで行った。

前回行ったのは去年の12月だった。その時、検査のために仰向けに寝て天井を見ていたら、妙に悲しい気持ちになってきてうるうる〜としてきてしまっていたけど、今回はそんなことはなかった。今日改めて確認してみると、天井は白地にグレーの点と線がパッと飛んだような感じの模様で特別悲しい模様でもなかった。12月はどうかしていた。何も考えずにぼーっと眺めた。

検査の結果は今回もやはり特に何事もなかった。次は一年後でいいでしょうとのことで先生が次の予約を一年後の適当な日にちに入れてくれたけど、先生のパソコンに映った令和4年という文字を見て急にふわふわした気持ちになる。わたしはまだ令和3年のことまでしか考えたことがなかった。そもそも念のためってなんなの。近々の生活の心配をするくらいなのに念のための検査を一年後に予約するのってどうも同じ世界じゃないみたい。健康のことを気にするのはバカみたいなことじゃないのになんだかバカみたいに感じてくる。どうも辻褄があってないような感じがして。そう、12月に来た時はそのことがどうにも虚しく感じて、うる〜っとしていたのだった。でも健康は大事。これはもう何がどうであってもそうだから。そうなると結局念のためも大事。天井を見てうる〜っとしないくらいには気分もしゃんとしてきたし、令和3年もこのまま元気にやっていきたい。一年後の予約をカレンダーに入力した。

無事に病院という用事を予定通り済ませたわたしはとっても偉い!ということで病院の帰りは海老カツバーガーにポテトも付けたし、ピアスの穴も2個開けた。夜は久しぶりにゆうこさんとなんやかんやと話し、話している間になんだか癒された。


一日の終わり。病院自体は別に行きたくないけど病院内をすいすい進む感覚はなんとなく気持ちがよく、寝る前にそれを思い出す。すいすい。魚のような感じで。水槽の中の魚は何に向かって泳いでいるのだっけ。わたしが病院内ですいすい進めるのは道が清潔で見晴らしがよく明るく次に行く場所が明確で自分がそれをちゃんと実行できるとわかり切っているからだな。そんなことで気持ちがいいとは簡単でいいね。
一年後また行く。

おやすみなさい。

(2021/7/1)

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