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5月3日の声明文のようなもの

神戸のライブ情報を毎月紹介する「神戸音楽カレンダー」という連載をしています。

神戸には、いろいろなジャンル/方向性で、面白いことをやっているミュージシャン、面白いハコ、イベントが、街のサイズに対して十分すぎるくらいあると思います。
ただ、これだけ狭い世間に見えるのに、やる方も遊びに行く方も、それぞれがそれぞれのフィールド/コミュニティをあまり出ないというか、コミュニティ同士のつながりが希薄だったり、下手すればお互いの存在を知らないことすらあるのが、とても意外でした。(もちろん、趣味の遠い人たちと別に無理に仲良くすることもないんですけどね。)

「神戸音楽カレンダー」は、実際見てのとおりまあユルーくやっているんですけど、ちょっと真面目に言えば、この「異なるコミュニティの音楽をフラットに並べること、それにより実はせっかくある神戸シーンの多様性を可視化すること」にトライしている側面もあったりします。
他所者の僕がそれをやることで、神戸の人が「あれ、神戸にこんなのもあったの?面白いやん」と思ってくれたら最高、といいますか。


マクラが長くなりましたが、5/3に塩屋・旧グッゲンハイム邸でライブイベントをします。
出演は、カニコーセン、リーテソン、あしのなかゆび、DJに塚原正也さん(山羊堂)。
※詳細はこちら→ http://www.nedogu.com/blog/archives/20943

塩屋は、そんな神戸の中でも屈指(?)のコミュニティのひとつ。
旧グッゲンハイム邸は、著名ミュージシャンもツアーで公演する古い洋館……ではたしかにあるんですけど、なんというか、そういう説明が似合わないユルさがある場所で、かなりゴリゴリに前衛なライブをやっているところに、街のおっちゃん・おばちゃんがふらっと訪れたりする、独特な空間です。

昨年お邪魔した「歩き回り音楽祭」と、そのアフターパーティー「あとのまつり」は、僕にとってとても大きな体験でした。(facebookに長文を書いたので、詳しくはそちらを。
専業音楽家でない人たちが、カジュアルに、しかし真剣に演奏を楽しみ、それが「発表会」ではなく、ちゃんと音楽的に心の動くものになっていて、それは僕にとってひとつの音楽の理想郷のような風景でした。
(「あとのまつり」は地元の人達のカラオケ大会なんですけど、その日の体験の素晴らしさに盛り上がり、ついピアノで混ざって生演奏カラオケ大会に突入してしまった時の模様がこちら。)


そんな旧グッゲンハイム邸に、塩屋っぽくない人を召喚しました。
カニコーセンさんは、神戸のお隣・加古川市在住のシンガーソングライター(5/3は夫婦デュオ編成で登場!)。
出落ちっぽいビジュアルに騙されてはいけません。曲名だけ見て「ああ下ネタか……」と侮ってはいけません。
一言で言うと、「ブルース」。悲哀。でも、軽やか。
俳味というか諧謔というかの中に、濃い情緒が横たわって(酔いつぶれて寝そべって)います。
ネットで動画を見た方も、一度生で聴いていただくと、印象が変わると思います。


優しい無頼、リーテソンくん。
神戸に越すことになったとき、あしのなかゆびの岡崎恵美ちゃんから「神戸にテソンくんという人がいて、きっとしょーくんと合う」と聞いていたのですが、某屋上パーティーで早速ばったり。
以来、神戸で数少ない、ふらっと「飲みいこ」と連絡をくれる貴重な友人です。
さっぱりとしたシンガーソングライターって、少ないですよね。
オシャレ、軽妙、ハートウォーミング、でもやっぱり少し憂いをたたえた、ニクい音を出します。


そんなテソンくんとも仲良しの、塚原正也さん。
DJはもしかしたら初でしょうか? でないにせよ、レアです。
実は仕事で、彼に取材したインタビューのテープを聞いて、「なんだこの人は!」と衝撃を受けたのが出会い。
その後何度か遭遇し、世界各地の辺境音楽からニューチャプター系(?)ジャズにいたるまで、実は音楽オタクっぽいことが判明して、今回「DJしてもらったら面白いんじゃ?」と思いつきで連絡してみたところ、快諾いただきました。
山羊と暮らし、ハーブ(合法)を作る、もはや生活がアートな、現代の「百姓」(百の商いで暮らす人)です。


そして、お恥ずかしながら僕も、東京・神奈川で(ほそぼそーーと)やっていたバンド「あしのなかゆび」の面々と一緒に演奏します。
音楽的にはだいぶ毛色が違うカニさんとテソンくんを、あしのなかゆびなら、グラデーション的に橋渡しできるのでは、と思っています。僭越ながら。
今回は4人編成、僕以外は関東でバリバリと活動し、素敵な音楽を作っているミュージシャンです。
岡崎恵美 vo, ukulele(moqmoq、金佑龍 など)
宮下広輔 pedal steel guitar(PHONO TONES、リクオ など)
トオイダイスケ bass(けもの など)


カニさんと塚原さんは、初グッゲンハイムとのこと。
狙ったわけではないのですが、嬉しいですね。
もし仮に、お二人にやんわりと"塩屋ブーム"への敵意みたいなものがあったとしたら(知りませんけども)、「あれ、意外と居心地いいじゃん」と思ってもらえたら本望です。
そして、テソンくんとカニさんは初共演。
それぞれのお客さんが、未知だった出演者を聴いて「へえー、いいね」と思ってくだすったら、こんなに嬉しいことはありません。


長文をお読みくださった方、ありがとうございました。
神戸で出会った愉快な人たちと、古い仲間とで、ゆるゆると音楽をお届けする所存です。
本当に神戸に友達が少ないもので、誰も来てくださらないのでは……と不安です。
きっと良い日になるので、もしご都合がつきましたら、初夏のグ邸で、ビール飲んでぎゅってしましょう。

※詳細はこちら→ http://www.nedogu.com/blog/archives/20943

お待ちしております!!

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