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#観察スケッチ WSで大事にしていること

以前、こんなnoteを投稿していました。観察スケッチに関して、こんな視点で見てみよう!的なポイントを「みる」と言う漢字5つを使って表していました。観察スケッチをワークショップで取り入れているときに大事にしている部分を、そんな5つの眼差しをベースにまとめました。

眼差しその1 -見る-

見たままの対象物の姿、形状をしっかり捉える。
これは「りんごは丸い」という既成概念のせいで必要以上に丸く描いてしまったりと、バイアスがかかって正しい観察ができないことに気をつけましょうということです。愛用品や好きなプロダクトなど、見慣れたものだからこそ「こうだろう」という先入観で描きがちですが、しっかり"見て"いきましょう!

そのために重要なのが寸法感覚
(これ、ビジネスモデルやサービスについての観察ではどう言う感覚が当てはまるのでしょう…関係性の距離感みたいなもの?ここも今後探ってみたい)

例えば上のスケッチでは、直径Φ57mm,高さ60mmで微妙に正面図では正方形ではなく縦長のシルエットになってます。シンプルな形状のものほどこういうバランスが大事です。(厳密な縦横比の遵守というよりは、ここは感覚的にほんのちょっと縦長になるハズという認識がああれば良いと思います)

眼差しその2 -観る-

対象物に込められた意図(目的)を予測する。「観」という漢字の成り立ちは「雚+見」の組み合わせで、「雚」は占いに用いられたコウノトリを表しているそうです。つまり、予知とか予測する意味がこの漢字には込められています。(きっと諸説あるのかな)観察スケッチにおいては、神の「御告げ」ではなく、作り手の意図を読み解いていくことです。

「ここを持たせるようになっている」や「ここに目がいくようになっている」など、形状に現れているものは意図を予測しやすいです。

また、そもそもプロダクトとして作り手はどんな意味を込めていたのか?という観察も最近始めました。そのためにどういう仕様になっていて、どんなふうに受け取られているのか?ここも"観る"ポイントとしては、とても興味深いです。

眼差しその3 -視る-

対象物に現れる成り立ちや原理・法則などに注視する。ここがプロダクトにおける観察スケッチの醍醐味かもしれません。メカニズムや機構部分にはどんな物理法則が利用されているのか?製造方法や工程ではどんなことが行われているのだろう?などなど「されている現象に対して深くていく」部分です。パッケージなどグラフィックでは、視線移動についてや行動心理、色彩などの法則も当てはまりそうです。

ここは、正解を当てに行くのも大事ですが、「きっと、こんな機構になっているのでは?」と妄想を膨らませて仮説を立てるのも大切です。(どう実現されているのか?自分の持っている知識の中で頭を悩ませてみることもおもしろいので)

眼差しその4 -診る-

触れたり分解したりして、対象物の内部まで診察する。ここは分解スケッチというハッシュタグ(見事に檜垣 万里子さんのツイートばかり!もう、ほんとうっとりするくらいバラバラなので、見てほしいです。さながら外科手術です。)もあるように、ある意味で観察スケッチよりも上級者向けなのかもしれませんが

「ボールペンの軸とグリップと芯」や「蓋と本体」みたいに簡単に分かれて、責任を持って元に戻せる部分は積極的に分解してみましょう。そこには「なぜ簡単に分解できるようになっているのか?」「そのために、どんな工夫がされているのか?」という観察ポイントも眠っています。

眼差しその5 -看る-

対象物と人との関係性、動作や行為、気持ちを看る。プロダクトや製品自体を観察することも重要ですが、そこに在る「人」の存在にも目を向けましょう。人が触れる部分、見る部分、そこには様々な観察ポイントが隠れています。

観察スケッチのグランドルール

また、ワークショップではこんなことを最初に共有しています。観察スケッチをする姿勢みたいなものですが、このグランドルールをもとにワークショップを進めていきます。

観察スケッチしようとすると、どうしても自分が持ってる知識との照らし合わせでしか見れなくなって、実際に触れて感じることや新しい発見に気付けなくなってしまうことや、絵を描く方に集中しちゃって観察すること体験することがおざなりになりがちなので「そのあたりに気をつけてねっ」ということをあげています。

・眺めるだけでなく、触れたり・使ったり・分解したりしてみましょう
・頭の中の知識だけでなく、体感した気づきや疑問を大事にしましょう
・対象物を詳細に観察することは大事ですが、精細に描くことだけに集中しない
推察、予測、不確定な「〜かもしれない?」という気づきを書き留めましょう
・対象物の表現で終わらず、何に着目したのか?を伝えるように描きましょう
・一人で描くだけでなく、他の人と気づきを共有して気づきを深めましょう
・その人ならではの気づきのポイントや解釈を受容しましょう

ワークショップではじめて観察スケッチをする人は、どこを見れば良いのか?何を書けば良いのか?わからないという人が多いです。結果、見える部分の名称などを記入して終わってしまい取扱説明書の図のようになってしまいます。入り口はそれでも良くて、一回こっきりで完成しなくても良いと思っています。あとから気づいたことをどんどん書き足して行けばOKだと思うので

そのために、5つの「こんな視点で見てみるといいよ!」ポイントをワークショップでも共有しています。(ここまで丁寧には説明していませんが)


こういうワークショップをやってみて感じていることを別のnoteでも書きました。こっちも合わせてどうぞ

今回、切り抜いて載せているスケッチはこちらにまとめてます。


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