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✏️激動する時代の「未来の描き方」 Draw our Future 2019 イベントレポート -トーク編-

以前から、noteでも活動をウォッチしていたグラグリッドさん主催のイベントに参加しました。可視化によって人の中にある衝動や情熱のようなものを引き出すのがうまいなぁと思いながらいつもnoteを拝見していたので、実際に体験できる機会に飛びつきました。

ただ参加するだけでなく、しっかり学びとして深めたいと思ってnoteレポート枠で申し込んだのですが、その申し込みの返信メールから素敵すぎたので、ちょっとここで紹介させてください!(これで、もうモチベーション爆上がり!)

会場に入った瞬間から、ビジュアルスイッチが入る場づくり!

そんな、期待値MAX状態で訪れた会場のいたるところにポップやメッセージが掲げてあって、可視化の世界に入り込んだ感覚がありました。楽しい雰囲気と自然なスイッチの切替えができる場づくりはめちゃくちゃ参考になりました。

ここからは、イベントのタイムテーブルに乗っ取ってレポートします。

※ここでは「3.トークのふりかえり」までを「トーク編」としてレポートします。後半のワークショップは「WS編」としてまた別にレポートしています。

▼イベントタイムテーブル
1. インスピレーショントーク「ビジョンを描くプロジェクト」
2. パネルトーク「これからの、未来の描き方」
3. トークふりかえり

4. ワークショップ「意味を描こう!」プログラム体験
5.ワークショップ 「自分を描き出す」リフレクションツール 体験
6.ラップアップ

会場全体の雰囲気はこんな感じで、4~5人くらいでテーブルを作っています。

1. インスピレーショントーク 「ビジョンを描くプロジェクト」

最初に、グラグリッドでの活動紹介を中心に、グラグリッドの目指すビジョンについて、代表の三澤直加さんからお話いただきました。

「どんなことに興味があって来てくれた人が多いんでしょうか?」という質問から始まったこのセッション。多くの人の関心は「未来」「ビジョン」についてでした。今ではビジネスの領域だけでなく、あらゆるところで未来志向というものが求められているのかもしれません。三澤さんからは「様々な分野で、未来を描き、つくる活動に変化が起きてきている」という話もありました。

【特徴的な3つのプロジェクトの紹介】

▶︎プロジェクト1「ビジョンを創りたい!考え方・まとめ方を教えてほしい!」
いろんなアイデアはたくさん出るんだけど、まとまりがつけられず、ビジョンとして構築できずに困っているという案件。「その中で、自社の『強み』ってなんだろう?」そんな問いかけがドライブになり「人間に例えると、自社はどんな働きをしているのだろう?」などアナロジカルな問いを用いて、自社を見つめ直すことをおこなったそうです。

ちなみに、物流会社の案件だったらしく、上記の問いでは「強みはバイ菌をやっつけて、自己回復できるところ」や「自分たちは神経細胞かも」「血を運んでいる」など活発な対話が生まれた!という話でした。

▶︎プロジェクト2「自分たちが協業できる領域を探りたい!」
ここではプロジェクト1とは反対に、相手の魅力を考えてみるというワークをおこない、メソッドづくりもお手伝いしたそうです。どちらのプロジェクトも「魅力・強み」を発見することが鍵になっているようです!そういう目には見えないけど、みんなが感じていることや、すでに当たり前になってしまっていることなどをもう一度捉えることに可視化のチカラが役立っているように思いました。

▶︎プロジェクト3「チームをリードできる人材をつくりたい!」
これは、とあるゲーム会社での案件。なかなかリーダーシップを発揮する人材が育たないというお悩みに対して、「描く」ことでまだ曖昧なアイデアや思いを伝えるコミュニケーションを導入してみると、どんどん対話が増えていき社内が活発になって行ったというお話でした。論理的に「説明する」ということも大切ですが、人の気持ちに「訴えかける」ようなこの方法が有効だったそうです。

そして、3つのプロジェクトから見えてきたグラグリッドの思う「描く」ことのビジョンについてお話しされました。(そのお話のスケッチノートです↓)

『生きているものが互いに活かし合える世界をつくる』

「玉泉園」のお庭の写真に載せて語られたグラグリッドのビジョン。さまざまな動植物がお互いに調和して、ひとつの世界をかたちつくっている姿はまさにこのビジョンと重なるイメージでした。

2. パネルトーク 「これからの、未来の描き方」

引き続き、三澤さん登壇のもと、パナソニックラボラトリー東京 所長の井上さんと新宿区立落合第六小学校 校長の竹村さんも登壇されて「これからの、未来の描き方」としてお二人の思いや考え方、グラグリッドとの取り組みなどについて伺いました。

▶︎パナソニックラボラトリー東京 井上さんのお話
「たくさんつくって、たくさん売るという時代から、これからは『何を創ればいいのか?』ということにちゃんと向き合わなければいけない。R&D的な技術ロードマップを起点にしても、なかなかビジネスへ繋がらなくなってきている」という危機感を持たれていたそうです。"これから"の課題を見い出すためにグラグリッドとプロジェクトを組んで活動されています。未来シナリオや社会変化仮説など「こうなったらいいな!」という未来の洞察や、アイデアのビジュアライズ、エスノグラフィなどを一緒にされてきたというお話でした。

▶︎落合第六小学校 竹村さんのお話
竹村さんの子供たちへの思いが伝わってくるお話ばかりで、「こんな学校に通いたかったなぁ」と思うばかりでした。子供たちを型にはめずに、将来食っていけるようにすること。教科書は過去のことしか記述されていない。自ら問いをつくって、その答え(未来)は自分でつくっていく。など、個人的に刺さる名言が数多くありました。それに比べて、学校や先生を取り巻く環境とのギャップがすごいこともよくわかりました。何か新しいことをやろうとすると「一体、これって何の教科なんですか?」「何の意味があるんですか?」など反発がよく起こるそうです。そういったプログラミングやグラフィックレコーディングなど、これから必要になってくるであろう知識や経験を積極的に取り入れる「みらい科」というものを文科省の認可の下つくられたという話は熱かったです!

▶︎トークパート
Q「やはり、今までのやり方ではうまくいかなくなって来ているのでしょうか?」
お二人のお話しを受けて、三澤さんの問いかけで始まったトークパート。「開発目標から実際のビジネスに落ちてくる結果がなかなか望めなくなって来た。」ということや「国のガイドラインに従って近い将来に時代遅れになる布石を追っていてもしょうがない。」など、現状の停滞感はビジネスでも教育でも感じられているようでした。

Q「具体的に、そんな(うまくいってないような)話ってありますか?」
さらに、現状に迫っていく質問。井上さんからは事業や部署で分断された組織のコミュニケーションの欠如をあげていました。三澤さんからも「もっとみんなが一緒になって考える”共創”の思いからグラグリッドはスタートした」という話もありました。

逆に、竹村さんからはそんな現状から打破すべく「脱教科書」を掲げた企業と学校の連携の話題提供がありました。子供たちからの忌憚のないフィードバックがあることや、教育の現場と直結しているからこそ挑戦できる場を提供できるというお話でした。

Q「そんなときに、どうしたらうまくいきましたか?」
井上さんからは「同じ分野の人たちで話していてもダメで、違う人が入ってくると良い。」みんなの『妄想力』で対話していくことが大事ということが語られました。また、竹村さんからは「現場は新しいことをやろうと言われても、なかなか受け入れてくれない。有識者や保護者の意見を集めて外堀から埋めていく。」という話がありました。

「これやっても良いんだ!」という枠を外してあげるという話もあり、囚われてしまっている現状の枠をうまく外してあげることが、未来を描き出そうとする最初の第一歩でとても大事なことだと感じました。

3. トークふりかえり

ここで、インスピレーショントークとパネルトークを、3人のグラフィッカーさんの視点でふりかえります。「未来を描くいろんな筆で、塗り替えていく!」「3人で思い描くひとつの未来」「溶け合うビジョン」など三者三様の捉え方からメタ的にこれまでのトークが思い起こされました。

井上さん「ひとつのゴールを目指すのではなく、考え続けることが大事!」
竹村さん「固定観念に縛られることなく、風を読んでやっていきたい!」
と、それぞれお二人からもトークをふりかえってコメントをいただいてました。

実はここで、グラフィックレコーディング初デビューの落合第六小学校の子供たちによるふりかえりもありました。「社会を俯瞰して飛んでいる想像力の鳥」や「勇者とモンスター、常識に囚われたキャラクター」「ビジョンと組織と商品の積み木」など、それぞれのメタファーでこのトークの全体像を捉えていました!

子供たちの担任の先生からも、「こうでなければいけないという枠から子供達が解放されているように思う。子供たちが『好きに考えて良いんだ!』って思ってくれるようになったことが良かった。」と、描くことを取り入れて起こった変化についてお話しされていました。たしかに、みんな楽しそうに描いてました。

▼自分でもnoteを書く用にいっぱいメモしていたのですが、こういう全体を見たときにどんな話だったのか?ということをメタに捉えて描くのも楽しそうだなぁと感じました。(どちらかと言うと、内容を鮮明に追いがちなので)

〜休憩時間〜

休憩時間には「体操タイム」もあり、座りっぱなしの体を心地よくストレッチできました。体を動かすことで後半のワークショップへの良いアイスブレイクにもなったように思います。

わなみんさんによるイベント前半までのスケッチノート

わなみんさんも同じくレポーターとして、スケッチノートでイベント全体を俯瞰して描いてくださっています。

そんな前半では、グラグリッドさんの取り組みを軸に、ビジネスや教育の場で「描くこと」によって生まれる未来への視座が語られました。後半は、そう言った活動を実際に体験するワークショップに移ります!

▼ワークショップ(WS)編へつづく




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