ワケイミ

イミ視点とワケ視点

イミ(意味)とワケ(理由)

似てるけど違う、この二つの言葉…モノゴトを考えるときには、この違いを意識して自身(や周りに)問いかけないと、無意識のうちに思考が引っ張られているなんてことも起こります。

例えば…

『カレーが辛い理由は?』

そう聞かれたら、あなたなら何と答えますか?

例えば
「スパイスに含まれる...が作用しているから」のように、辛さを感じるメカニズムを思い浮かべる人もいれば、「もともと、暑い地方では...食欲の増進が必要だから」と成り立ちや歴史を紐解く人もいるでしょう。理由を問われて、答えることは基本的に事実(決まっていること)です。

ちなみに、上の質問にちゃんと答えてくれる
わかりやすい解説のサイトもありました。学研さんスゴイ!

では、『カレーが辛い意味は?』

そう問われたらどうでしょう? 

例えば、先ほどの「食欲増進」という理由は、現代の日本でも同じですよね。現代の文脈でも「疲れた時は、カレー食べて元気出す!」はカレーが辛い意味の一つに成り得ます。他にも「思いっきり辛いもの食べると、スッキリする!」も、カレーが辛い意味でしょう。

ちょっと整理すると、カレーが辛い意味とは
・疲れた時でも、元気をくれる。
・食べて汗をかくとデトックスでき(たような気分になり)、ストレス解消できる。
・明日を生きる活力になる!無性に食べたくなる!
ということではないでしょうか。「意味づけ」は人それぞれで違うので、理由のようにある程度決まったような答えはないと思います。

ワケ(理由)は事実の積み重ね、イミ(意味)は未来への期待感?

カレーを事例に取り上げてみましたが「理由は?」「意味は?」の問いかけで、イメージすることはそれぞれ違っていたと思います。

■ ワケ視点で考える

なぜ?なぜ?なぜ?…「理由」の問いをくり返す事で、モノゴトへの深い理解が得られます。今までに積み重なった事実を一枚ずつ剥がして見るような思考です。
これはトヨタの改善手法で有名ですよね。

カレーの話に戻して言えば、

「スパイスごとに司る味わいや刺激が違い、それをブレンドする事で心地良い辛さを狙って設計していくスパイスコーディネート」みたいなカレーの作り方が見えてきませんか?これがプロダクトやサービスの場合は、スペックを磨き込むようなプロセスになります。

■ イミ視点で考える

それって、なんのため?…「意味」の問いをくり返すことで、本当に相手に届けたい価値が見えてきます。

例えば、カレーが辛い意味を「カレーを食べると元気になる!」と捉えると「午後からの仕事にターボがかかる燃料チャージカレー」みたいなカレーが想像できますよね。お店の雰囲気もガソリンスタンドのような内装だったりすると面白いかもしれないです!ほかにも、「カレーを食べるとストレス発散になる!」と意味を捉えてみると「サウナのように汗が流れるデトックスカレー」などが出てきそうです。

ただ辛さや量、旨味(スペック)を追求するのではなく、そもそもなんのためのスペックなのか?どういう価値を生み出すスペックなのか?を考えることが、ここでは大切です。

イミ視点×ワケ視点で、深く刺さるような「価値」を創る

「人がモノゴトに抱くイミを発想して価値をつくり出し、モノゴトのワケを追求して具現化する」この2つ良いバランスが重要です。

いきなりワケの部分ばかり考えても、ここから見えてる結果にしかたどり着かず
ずっとイミばかりを考えても、実現しなければ文字通り「意味が無い」結果になります。発想や思考が行き詰まってしまうのは、どちらかばかりを考えすぎて齟齬が出はじめているからだと思います。
一度立ち止まって、今まで考えていたことって、イミ視点だったのかワケ視点だったのか振り返ってみると良いのかもしれません。

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