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#意味のデザインの事例を探る研究会 スケッチノートでリフレクション

株式会社ミミクリデザインの運営するWDAの公開研究会に参加しました。
テーマは「意味のデザインを科学する」参加者全員で意味について考え新たな視点を生み出すことを目的とした研究会でした。以前一緒に「意味のデザインとは?」と言う研究会を行なった小田裕和さんのお話です。ご本人による速報レポート↓

見えているが、誰も見えていないものを見えるようにすること

「研究」について、立教大学の中原先生が述べていた言葉だそうです。まず研究会にどんな気持ちで臨んでほしいかの参加者全員で共有をしました。ここが普段WDAの開催している「講座」とは少し違った姿勢ですね。

そもそも「意味のイノベーション」とは?

意味について考える時に、避けては通れないベルガンティの「デザインドリブンイノベーション」「突破するデザイン」の中身をかいつまんでの説明。よく見るあの図も出ました。

で、ここで出た質問が「意味と価値の違いの話」
価値は+方向にしか働かないが(マイナスの価値は存在しない)、意味には+も-もあるという話は、すごく面白い視点だなと感じました。

「〇〇ができない」は単純な「価値」としての数値は0かもしれないが、「手間をかけないといけない」というマイナスな意味から価値が生まれる可能性があるのかなと思いました。

「意味」と「仕様」で商品・サービスは成り立つ

これは、ミミクリさんオリジナルの概念です。目的や意義など「意味」の要素と、それらを現す表現や機能を「仕様」としています。

お話聞きながら、この図を描いてみて思ったのは、「仕様」によってユーザーに「意味」が効いた瞬間に、価値が発現するのかも!

どの方向がより意味があるのか?ビジョンを持つこと!

ここがおそらく、今「意味」が注目されている部分なように感じます。ユーザー(受け手)の中にある問題を見つけ出して、「問題を解決する」という意味よりも、もっと意味のあることを作り手は考えていかなくてはいけないようになってきたのだと思います。

気になったキーワード
「人は自分が直面するものの意味に従って行動する」
「デザインとは、ものに意味を与えること」

「込めた意味」と「生じた意味」

上記のキーワードからもわかるように、受け手は自分の目の前にあるものごとから意味を見出し、作り手は自分たちのつくるものごとへ意味を込める。という構造になっています。これをモノとコトのデザイン(日本デザイン振興会)の図を引用して説明していました。

ユーザー(グレーの矢印)とデザイナー(赤の矢印)のImagineする解釈の違いが、この「込めた意味」と「生じた意味」を分けているように思う。
多分これは「すれ違い」ではなく、それだけ受け手にとって刺激的なものだから解釈を生んで、ユーザー自身が意味を生成してしまうのだろう。

ワークショップ中に小田さんの話にもあったのですが、生じるであろう意味の答え探しをしようとするやり方が多く見受けられて、込める意味を見失いつつあるのではないだろうか。その跳ね返りで「込める意味」を考える意味のイノベーションの話が注目されているように感じています。
しかし、どちらかに注力してもダメで、「込めた意味」と「生じた意味」の間の差分や変質量のなかにある、解釈の因子にこそ「ものごとの本質」があるように思います。それこそが意味をデザインすることなのではないかなと思いました。

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