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M-1に出れてよかった

今年で19回目の開催となる
漫才頂上決戦「M-1グランプリ」
僕は、今年のM-1に出場した。
今回は、今年の挑戦を振り返る。


・なぜM-1に出ようと思ったのか

僕は、ずっとお笑いが大好きだった。
M-1グランプリやキングオブコントの決勝戦を
毎年テレビで録画して見たり
M-1の予選動画を見まくったりする日々を過ごしていた。
そういったことをするうちに
『大好き』とはまた違った気持ちになり始めた。
それは『芸人さんになりたい』という気持ち。
それと同時に『賞レースに出てみたい』という気持ちも芽生えた。
そんな気持ちを持ちながら毎日を過ごした。
”なりたい自分を叶える日”が来るまで。
2023年3月、僕の夢は
一気に現実になる。
家族でカラオケに行った帰り道
僕の3つ上の姉からの一言だった。
『お母さんとコンビ組んでM-1出てみたら?』
その言葉に母親も賛成。
『せっかくやから新しいことやってみよう』と言ってくれた。
その言葉を聞いて、僕は嬉しかった。
なぜなら”なりたい自分を叶える日”への第一歩が
すぐそこまで来ていたから。
その後、コンビ名を決める約1時間に及ぶ家族会議の末
「親子気まま」というコンビを結成することになった。
5月にコンビのYouTubeチャンネル
「親子気ままOfficialYouTubeチャンネル」を開設。
漫才やトークなどの動画を不定期に更新している。
そして6月27日「M-1グランプリ2023」のエントリーが開始された。
我々は速攻でエントリー用紙をダウンロードし
エントリー用紙に必要事項を記入。
ポストへ投函し、エントリーが完了した。
そして、エントリーナンバーが判明した。
我々のエントリーナンバーは【115】
正直、エントリーナンバー早っ!と思った。
そんなにエントリー早かったっけ?と思うこともあったが
とにかく無事にエントリーが完了した。
ここから、長い戦いが始まる。

・1回戦

8月26日(土)僕はとてもワクワクしていた。
そう。その日はM-1グランプリ1回戦の日。
大阪・心斎橋にある「SPACE14」という劇場で
1回戦が行われる。
僕たちの出番はGグループの2番目。
楽屋や廊下で他の出場者の方がネタ合わせをしている中
なにをしていいのか分からず、コンビ揃って
大人しく、ほとんど会話せず
楽屋にあった椅子に座り続けた。
Gグループが始まる前、舞台袖に移動。
1つ前の人のネタを見て、いざ舞台へ。
ネタ時間は2分。
緊張する間もないほどに2分という時間は短いものだった。
手応えは正直なかった。
というか、分からなかった。
そして帰宅し、結果を待つ。
1回戦と2回戦の審査結果は
予選当日にインスタライブにて発表される。
インスタライブが始まり、まずは
その日のMCが特に印象に残ったアマチュアに送られる賞
「ナイスアマチュア賞」の発表があった。
『本日のナイスアマチュア賞は、エントリーナンバー115
親子気まま!』
名前が呼ばれた。
ナイスアマチュア賞を受賞した。
そして合格者の発表に移る。
続々と読み上げられていく中
僕たちの1つ前のコンビの名前が呼ばれた。
『すげえ……1つ前の人たち通った……』と
思っていたのも束の間
『エントリーナンバー115、親子気まま!』
同じインスタライブで2度も名前が呼ばれた。
初出場にして2回戦へと駒を進めた。
そして後日、ナイスアマチュア賞のネタ動画が
M-1の公式チャンネルにはアップされた。
恐る恐るコメント欄を見ると
『これで通過か……』などのコメントがあった。
悔しかった。とにかく悔しかった。
それと同時に、ちょっとだけワクワクもした。
挽回できるチャンスがこちらにはあるのだから。

・2回戦

10月19日(木)僕はまたワクワクしていた。
その日はM-1グランプリ2回戦の日。
大阪・森ノ宮にある「森ノ宮よしもと漫才劇場」という劇場で
2回戦が行われる。
その日は、大阪2回戦の最終日だった。
僕たちの出番はCグループの8番目。
1回戦の時とは違い、廊下でネタ合わせをした。
(いや、毎回やれよという話なのだが)
そして舞台袖へ。
2回戦、3回戦はネタ時間が2分から3分に変わる。
1回戦より少し長いネタ時間で、漫才ができる。
あっという間に出番がやって来た。
ネタ合わせをしたものの、お互いネタを飛ばしたため
8割がアドリブだった。
3分は、思ったより短く感じた。
手応えは『これ、どうなる……?』という感じだった。
体感的には全く分からなかった。
帰宅し、結果発表を待つ。
インスタライブが始まり、合格者の発表に移る。
『エントリーナンバー115、親子気まま!』
初出場、結成7ヶ月(10月の時点)で
3回戦進出が決まった。
とにかく嬉しかった。
そして、ホッとした。
ちなみに、相方は出番のあと『これは負けた』と思ったらしい。
そして通過が決定してからエゴサーチをしてみたら
『面白かった』などの投稿を見つけた。
やってきたことが報われた気がした。
しかし、ここで油断はできない。
なぜなら、次が正念場だから。

・3回戦

10月30日(月)僕はまたまたワクワクしていた。
しかし、それと同時に不安もあった。
なぜなら、3回戦は全てのネタが
無料配信されるから。
ここでスベったらえげつないことになる。
そんな不安も抱えつつ
大阪・なんばにある「よしもと漫才劇場」へと向かった。
僕たちの出番はAグループの1番目。
そう。トップバッターである。
今回も2回戦同様、ネタ合わせをしっかりした。
(大人しかったのは1回戦だけ)
開演後、MCがあり
すぐに出番がやって来た。
やはり3分は思ったより短い。
あっという間に出番が終わり帰宅した。
手応えは、全くなかった。
これは負けたと思うほどに。
そして11月1日、大阪準々決勝進出者の発表があった。
もちろん、名前はなかった。
そりゃそうだという感じ。

・敗退してからの心境

3回戦のネタ動画が公開されて
まず最初に思ったのは『そりゃ負けるわな!』だった。
しかし、コメント欄やSNSでは思いのほか好評で
めちゃくちゃ救われた。嬉しかった。

・M-1が見せてくれた景色

僕にとってM-1とは
『なりたい自分を叶えるための場所』
M-1は『舞台に立つ楽しさ』と『舞台の恐ろしさ』の
両方を教えてくれた。
舞台からの景色は、圧巻だった。
今年の結果は3回戦敗退だったが
僕たちはあと14年、M-1に出れる。
親子気ままの挑戦は、まだまだ始まったばかり。

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