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CXDIVE セッションまとめーCX DIVE 2019 AKI イベントレポート(3)ー

こんにちは。Web広告会社でグロースハッカーを名乗ってる岡部翔太です。

独自の世界観で、つながりを生み出す

登壇者と関連するプロダクト
株式会社クラシコム 代表取締役 青木耕平氏

森ビル株式会社 MORI Building DIGITAL ART MUSEUM 企画運営室室長 杉山 央氏

株式会社東京ピストルズ代表取締役/編集者 草彅洋平

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セッションサマリ

・日本を代表するコンテンツとなった「チームラボ ボーダレス」
海外VIPの中に最近、日本に行ったらまずチームラボ ボーダレスに行けという流れがあるらしいと言われるまでになり、日本を代表する一コンテンツとなったと言っても過言ではないと思います。
チームラボ ボーダレスを手掛けた森ビルは不動産デベロッパーですが、大家さんとテナントという関係で街づくりをするのには限界があると感じ、森ビル自身が自ら街を活用するようなコンテンツ作りを始めたのがきっかけと言われています。

・自分が描いている仕事に対する世界観
クラシコムの青木氏曰く、長編連載をしている漫画家のような気持ちで働いているとのことで、社会が許す限り(≒読者が求める限り)ずっと仕事をし続けたいと思っているとのこと。そして自分の思い描いている最終回に向けて、自分のやりたいことが詰まった風呂敷をどんどん広げていくことをしています。青木氏自身20代まで妹と一緒にバンド活動をしており、クラシコムも言うなればその延長上のような感覚とのことでした。

・コンテンツと世界観
世の中にはたくさんのコンテンツが溢れており、そしてそのコンテンツはいずれ飽きられます。しかし、そのベースとなっている世界観が確立していれば、熱量が現場から顧客に伝播していくため飽きられません。"ベースの世界観"が確立しているからこそのコンサマトリーで続けられ、世界観の中でどんどんコンテンツが生み出されていくのです。

・東京ピストルズ草彅氏の世界観とは
草彅氏がプロデュースするコンテンツの世界観は「集めてからものをつくる」「誰にも見向きされないようなものが好き」ということで統一されています。「BUNDAN COFFEE & BEER」は、本を2万冊持っており保管するための倉庫代を払いたくないからレストランにしてみた、という世界観で生み出されました。GOD BARという世界の様々な宗教の神をコレクションしたバーも、もともと自宅でやっていただけなのに、夜中にそれを訪ねに来る人も現れるようになったためお店にしたとのこと。家が増殖しているという世界観です。

・エンジニアリングとブリコラージュ―無駄な知識の収集について
エンジニアリングとブリコラージュという物事の取り組み方があります。料理で例えると、エンジニアリングは○○を作るというゴールに対して、材料はこれをこれだけ集めれば良い・調理器具はこれが必要、ということから取り組むのに対して、ブリコラージュは冷蔵庫や身の回りにある調理器具を見て何を作るか決めるところから料理を始めます。冷蔵庫にたくさんの食材が入っていればいるほど、調理器具がたくさん揃っていればいるほど作れるものの幅が広がります。源泉は無駄な知識かもしれない、何に役立つか分からないスキルかもしれないけれど、イノベーションはブリコラージュ派の人の方が創りやすいです。

スマホによって誕生したCX、スマホによって失われたCX
スマートフォンは我々のCXを大きく変えました。チームラボボーダレスの作品の中には自分たちのスマホと連動した展示があります。

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自分が魔法使いとなり、作品を操っているかの如く作品に参加しているといったCXをスマホを用いることで実現しました。
スマホにより本を探すことも便利になったと思います。お目当ての本をAmazon等で探して注文すれば家のポストに本が届きます。あの本はどこの本屋にあるか自分の足で探し、やっと見つけた本を購入するというCXはスマホによって失われたCXであります。
昨今サウナがブームとなっていますが、その理由の一つにデジタルデトックスがあるのでは無いかと考えれます。サウナに入っている間はその場にいる全員が共通してスマホを触ることができないので、スマホによって失われた何かしらの体験をするためにサウナに人が集まっているのではないでしょうか。(ダンシングクラブという手づかみでシーフードを食べる飲食店等もブームとなったのもその流布だと考えます。)

また、チームラボボーダレスはスマホをスマホじゃない方法で活用することによりスマホによるCXの消失を防いでいます。チームラボボーダレスの世界ではスマホはネットショッピングやSNSをするための道具ではなく、"魔法の杖"。こういった制約をつけることが新たな価値を生み出す方法となるのです。

コンサマトリーの革新は"行動を伴う熱量"の波及にある。

登壇者と関連するプロダクト
株式会社電通 クリエーティブプランナー 小田健児氏

neurowearプロジェクト co-founder 加賀谷 友典氏

株式会社ナガエプリュス 取締役/ブランドプロデューサー 鶴本晶子氏

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セッションサマリ

・"伝播"と"波及"の違い
これまで自分のまとめnoteでも散々コンサマトリーの"伝播"という言葉を使ってきましたが、伝播と波及という言葉には以下のような違いがあるようです。

伝播:後ろから前などに伝わっていくこと
波及:伝わるだけでなくどんどん広がっていくこと

・"リアル"マイクロソーシャルコミュニケーション
自分の熱量は言わずもがな何かしらのコミュニケーションを取らないと波及していきません。自分と同じ熱量を持っているような人たちを探すのも勿論重要ですが、それよりも重要なのは周りにいるだけで自分の熱量が波及していくだけの熱を放出することです。SNS上ではコミュニケーションを取る間口は広がりますが、熱量の伝導率は"リアル"には敵わないです。

・インスツルメンタルとコンサマトリーの問題点とは?
インスツルメンタル(未来志向型)は、そもそも日々我慢をして未来だけを見つめること自体非常に大変です。そして残っている情報は目標に対してうまくいった人のものの割合が非常に高く、更に燃え尽きてしまうというリスクがあります。
一方でコンサマトリー(現状快楽型)は、そもそも良くも悪くも感情面でのアップダウンが感じない(或いは無い)ので、何も残す事が出来ない可能性があります。

・好きこそものの上手なれ
子供の頃なにかに時間を忘れるほど熱中したことはありますか?友達と遊んでいたり、積み木でお城を作っていたりしていると時間が過ぎるのがとても早い。時間が過ぎないで欲しいと思ったり、時間が使える限りずっとこれをしてたいと思ったりすることもあるでしょう。これこそまさにコンサマトリーなのです。1万時間の法則と言われるような法則もありますが、そもそも1万時間何かに取り組める人は、子供のように時間感覚が無くなるくらい熱狂しているから、1万時間というのは結果的にそうなっただけに過ぎません。コンサマトリーな状態というのは、逆「精神と時の部屋」状態に陥ってる状況なのです。

・コンサマトリーと脳科学
人間の脳内の報酬系が一番活発になるのはリスクを喚起した時です。生きる上での進化の過程に依るものですが、身近な例だと"告白すること"にあります。フラれてしまいその後の人間関係が悪化してしまったり、今までの関係性が崩れるリスク等、告白には非常に多くのリスクが付きまとうのは自明かと思います。
恋愛は片想いの時間が一番楽しくて幸せと言われているように、告白というリスクのある行為をするために色々頑張ったりしている状態こそコンサマトリーな状態であると言えます。
更にもう一つ、人間の脳をコンサマトリー状態にさせる要素に「新規性」があります。そもそも人間の脳は新しいものに反応するように出来ています。長く付き合っている人も自分が大好きで愛している人に間違いはありませんが、新しい人と一緒にいるほうがドキドキするといった感覚です。
もし日常生活や仕事で毎日コンサマトリーな状態でいられれば、毎日片想いと同じような幸せや楽しさを得られるということになります。

真のコンサマトリーは自覚できない
今この瞬間コンサマトリーだ、ということは恐らく実感できないと思われます。なぜなら本当にコンサマトリーであればコンサマトリーであることすら考えることをしないと思われるからです。後々思い返してみて、そういえばあの時の自分ってコンサマトリーだったなと思い出せるのが理想かもしれません。


自分の参加したセッションのまとめは以上です。
CX DIVE 2019 AKIを通して「コンサマトリー」という概念を中心に、自分の普段の生き方で得られるマインドを沢山得られたと思います。

これからもコンサマトリーを実践した生き方をしていこうと思っています。
(現にこのnoteも別に誰かから頼まれて書いている訳でもなく、自分で書きたいから書いていて、そのためにCX DIVEのハッシュタグを遡ったり、登壇者について追加で調べたりする時間はまさにコンサマトリーだったなと思いました!)


最後までお読みいただきありがとうございました。

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