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ビートルズ:Revolver(スーパーデラックスエディション) レビュー 後編

この記事は「後編」です。前編を読まれてない方はそちらから先に読んでも読まなくても問題ないです(?)


ってなわけでここからは後編。
前回はディスク2まで取り上げましたが、今回はディスク3からEPディスクまでを取り上げようかと思います。
個人的な忙しさもありますが、検証したかった部分もあったのでかなり前編から経ってしまいました。なんとか書き切ろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


Disc.3 セッションズ(ステレオ&モノ)

前編同様、ここでは気になったトラックをピックアップします。

1: Taxman (Take 11)
アンソロジー2で既出の音源ですが、楽器の定位が改善され、音質も少し向上ましたね。
改めて高解像度音源で聴いてみると、ドラムベースギターが混ざったリズムトラックはかなりタイトでラウドな仕上がりであると気づきました。
2022リミックスのTaxmanもかなりパッツパツな仕上がりだったのですが、なるほど。オリジナルのこの仕上がりを参考にしているのかも。と納得です。

2: I’m Only Sleeping (Take 5)
アルバムバージョンよりもかなりテンポが早いですね。Rainと同じように、早いテンポで録音した後にテープスピードを下げてボーカルを録音したのでしょうか。
これもまた想像よりも早いです。これよりも前のテイクとはまた違った雰囲気です。

3: I’m Only Sleeping (Mono Mix RM1)
この曲ってモノラルミックスでも各盤ごとに様々なミックス違いが存在しますが、どうやらこのRM1は未発表だったみたいですね。
これはエディターのミスですかね?エンディングで逆回転音が入る直前、バンド演奏をフェードアウトさせるタイミングが完全に早すぎていますね。しかしこのミスが無ければアルバムに採用されていたかもしれないくらい、良バージョンだと思います。

3: Yellow Submarine (Songwriting Work Tape / Part 1)
このスーパーデラックス版の目玉トラックでしょう!
なんとこのデモ音源、ジョンが弾いて歌っているんですね。ポール主体で作られていたっていう先入観があったのでこのデモは衝撃です。初期段階?に書き始めていたのはジョンだったんですねぇ。しかしこのデモの段階で、曲名はYellow Submarineだったのでしょうか?続きであるPart 2ではお馴染みのサビ部分がありますが、このバージョンはもっと哀愁漂うというか、明らかに雰囲気が異なります。もしかしたら全く異なるニュアンスの異なる題名が付けられていたのかもしれませんね。

4: Yellow Submarine (Highlighted Sound Effect)
アルバムバージョンには含まれていない前奏の語り部分、またサウンドエフェクトが多いバージョンですね。1996年にリリースされたReal Loveのシングルにほぼ同様のバージョンがカップリングされていましたが、厳密に聴き比べると微妙にミックスが違いますね。この差がどういう経緯で発生しているのかは不明ですが、カップリングされた方のバージョンはリリースに際して細かい編集や処理が施された物のような気がしました。こっちの方がもっとRawというか、素材まんまな感じがします。


Disc. 4 オリジナルアルバム (モノラル)

いやーこれですよ。ようやくリボルバーのモノミックスが手軽に聴けるようになったのはうれしいでございます。誰もがモノラルライフを楽しめるわけです。
他のスーデラボックスも同様かと思いますが、このモノ音源も2009年に発売された通称“モノボックス”用に当時デジタルトランスファーされた96kHz/24bitのファイルが元になっていると思います。
マスタリングの違いですが、モノボックスに収録された音源よりも中低域が若干太くなった気がしますね。
なので、厳密にいうとモノボックスとは違う内容になっていると思います。
どっちがいいかと言われると…うーんなかなか甲乙付け難いです。今回のはまぁじっくり聴いてわかる程度の違いなのであまり気にする必要のない差かも。


Disc.5 EP

このディスクにはリボルバーの時期にリリースされたシングルであるPaperback WriterとRainの新ミックスとオリジナルモノミックスが収録されています。
ステレオミックスはどちらも素晴らしいミックスだと思いますが、Rainがちょっと気になるかな?といった具合でしょうか。ドラムの高音が刺さる感じがして耳が痛くなりそうです。
オリジナルモノミックスは、モノボックスに収録されていたモノマスターズに収録された音源よりも音圧が上げられていますね。やはりこの2曲も、モノラルが一般的に聴けるようになったのはかなり大きいです。


……はい。
というわけでようやくこの記事をアップすることができました。
こんな1年以上前のボックスセットの記事を今更誰が読むんだって話ですが、なにか心残りがなくなったような気がして安心しています。

このボックスセットを通じて、たくさんの人がこのアルバムの素晴らしさに触れて
リボルバーの魅力に虜になってほしい限りでございます。
まだまだ発売されるであろう、ビートルズのスーパーデラックスボックスセットですが、またリリースされたら同様に記事を書こうかと思います。

その時はこんなに間が開かないようにしないといけませんね…w
2023年はもう何個か記事を出す予定です。どうぞお楽しみに。

それではまた。

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