読了「八九六四 完全版 『天安門事件』から香港デモへ」

(安田峰俊・著。角川新書。2021/5/10発売)
2021/6/28(月)夜読了。honto電子書籍にて。

私は、天安門事件や中国の歴史に対する知識がまだ少ないので、この書籍を読み解けているかどうか疑問だが、できるだけ生々しいインタビューで多くの部分を構成された本書は、やはり読んでおくべき本なのだろうと思う。読んでよかったと思う。

ドキュメンタリーとはいえ、著者というフィルターはどんな書籍においても避けられない。しかもそれが映像ではなく文字・文章のみとなれば、著者の色はより濃く出やすい。
それでも、できるだけフィルターを強めないように、何かの考えに一辺倒にならないように丁寧に編集されている印象を受けた。

事実、真実、それは検証が難しいものもあるけれど、できるだけフラットに情報を集める、人生の変遷も含めて読んで受け止めて頭の中に入れてみる、そういうことができる本のように思う。

中国の近現代の一側面であり、直近の香港デモまで含めた最新の中国の意思を外形的に(市井のプレイヤーの姿を通して)把握する一助となりそう。

コロナで目の前の日本がぐちゃぐちゃになりすぎていて、香港の今はあまり見えてこないけれども、昨年2020年の余韻がまだあるのではないかと思ううちに読んだ方が時代の温度感を理解しやすいと思うが、
今後いつの時代においても、人々の生のインタビューは色褪せなく、いつ読んでも誰が読んでも有意義さが一定程度あるものだろうと想像する。

https://www.amazon.co.jp/dp/B092Z63JK8/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_DSHHMZVVCZE0R5XPWVEH

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