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「少女記録」 田中杏奈/制作記録(編集後記)

制作記録とは制作の舞台裏を解説した作品個別の感想。読むと各作品ひいては少女記録に対する理解が深まり見方が変わると思います。

第26回作品/22人目のモデルは田中杏奈さんです。
(撮影日:2019年3月27日)

現在、中学二年生。ファッション誌『ニコ☆プチ』専属モデルを今春卒業しました。活動の場が小学生向けの雑誌であったため、現時点での一般的な人気・知名度は高くありませんが、小学生の時から芸能活動しており、年齢に対して十分な仕事実績があります。ファッションブランドのイメージモデルを務めるなどすでに活躍している期待の新人です。

田中杏奈さんのことは以前より可愛い子だと思っていましたが、出演モデル候補者として注目するようになったのは中学一年生の夏頃から。年齢相応の童顔な印象から顔立ちが美しく変化しはじめ可憐さのなかに凛々しさが垣間見えてきたこと、なにより身長が伸びて脚の綺麗さが際立ったことが指名の決め手となりました。

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少女記録は出演モデルの人選においてスタイルも重視しています。主観的な嗜好は当然反映されていますが、個人的な顔の好みだけで指名しているわけではありません。将来性をはじめ様々な観点から独自の総合評価をしています。判断基準として、個人的な顔の好みの比重は特別に高くないのが特徴ですが、田中杏奈さんの顔立ちは造作が整っていて好きです。愛らしい瞳と豊かな長い睫毛が印象的で綺麗な色白の肌に長い黒髪が似合っています。

少女記録の出演モデルは誰にも相談することなく自分一人で決めています。今は年間5人前後しか紹介していないため、新人に光を照らす貴重な機会を一回も無駄にしたくありません。本当に厳選しているからこそ一人ひとりに対する思い入れも強いです。少女記録の作品が芸能活動の一助になることを本気で願っていますし、作品発表後も微力ながら応援し続けています。

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出演依頼を検討するにあたり、判断材料として十分な仕事実績がありましたが、資料としては、本人のブログ・SNSや仕事で出演しているweb動画からすっぴんに近い状態を探しました。というのも、小中学生向けファッション誌の独特で派手なヘアメイクは、モデル本来の素材が分からず参考にならないからです。

タレントをキャスティングする立場として、自分と同じように魅力的な新人を探す苦労をしている業界関係者に対し、どこを探しても見つからない有益な写真資料を提供することも少女記録の使命だと考えています。

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実は、昨年秋に予定していた撮影の第一候補者でもありました。自分が本職のデザインの締切に追われ準備をする余裕がなかったことと、田中杏奈さんが地方在住ということもあり撮影日の調整が難しいであろうという判断から出演依頼せず季節が過ぎ去ってしまいました。(妥協してほかの候補者に切り替えることをしませんでした)

出演依頼を保留した理由には、清楚な魅力を引き立たせる撮影条件を考慮した結果、秋より春の方が相応しい作品を残せるという直感もありました。長袖の衣装で撮影するよりも、春を迎え桜を背景に爽やかな半袖の衣装で撮影する方が透明感を際立たせられるという判断です。また、半年待てば身長が伸び顔立ちも美しく変化するだろうという期待もありました。中学生の成長は目覚ましいのです。

秋から春までの半年間に優先順位をくつがえす魅力的な新人が現れる可能性もあったわけですが、田中杏奈さんを上回る新人は見つからず、予定とおりの計画で指名しました。(少女記録は基本的に冬の撮影を行いません。理由は衣装と背景の問題です。興味がある人は衣装の考え方について書いた関連記事を読んでみてください)

学年が変わる時期に指名した思惑もあります。専属モデルを務める『ニコ☆プチ』卒業の直前であったため、その後の進路に興味がありました。順当にいけば、同出版社の中学生向けファッション誌『nicola』に昇格することが予想されましたが、個人的にはミスセブンティーンに挑戦してほしいと思っていました。(撮影時、今後どうするのかあえて本人に聞きませんでした)

期待したとおり、ミスセブンティーン2019に応募しており最終候補の18名に選ばれました。田中杏奈さんは性別問わず好かれる顔をしていますし、スタイルも表現力も優れています。同年代の女の子が憧れるファッションセンスも持ち合わせているため、セブンティーンモデルとして即戦力の活躍ができるはず。結果を楽しみにしています。

追記:ミスセブンティーン2019に選ばれ、現在は『Seventeen』専属モデルとして活躍しています。


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表現力についてもう少し詳しく書きたいと思います。いつものファッション撮影の仕事では、ワンカットごと表情やポーズを変えているはずです。シャッター音を聞くたび反射的に動いてしまうかもしれません。そして、明るく元気な可愛い笑顔が求められていると思います。

しかし、少女記録の演出は真逆です。美しい表情や顔の角度を探しながら撮影するため勝手に大きな変化をつけないよう指示しています。人物と背景の関わりを含む構図にもこだわるため余計な動きをしてほしくないのです。というのも、作品を美少女が主役の美しき風景写真と定義しているため、表情や仕草の良し悪しだけで発表する写真を選んでいるわけではありません。いつもは褒められているであろう慣れ親しんだ表現を制限するなか、こちらが求める世界観を理解し、指示のとおり見事に演じてくれました。

田中杏奈さんは、豊富なモデル経験からどうしたら自分が魅力的に見えるか分かっているのだなと感じました。素晴らしい表現力に感謝しています。

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天気は終日快晴に恵まれました。季節柄、満開の桜並木を背景に撮影することを希望していましたが、最初の開花予想より遅咲きで叶いませんでした。結果として、計画より桜の風景の割合が少ない作品となりましたが、桜以外の風景で多くの美しい写真を発表できたことに満足しています。

たとえ桜が満開でも気温が低い曇天の日に撮影するぐらいなら、暖かな晴れた日に撮影できてよかったと前向きにとらえています。なぜなら、太陽の下、自然光に照らされた美少女が一番美しいという信念のもと作品を制作しているからです。

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編集長自ら撮影しているオフショットは、今回から機材を変え画質が格段に上がりました。オフショットといいつつ、もうひとつの作品を発表するつもりで撮影しました。もちろん、仕上げまでこだわっています。本編未掲載の写真をnoteとTwitterで多数発表していますので作品本編と合わせてチェックしてもらえると嬉しいです。少女記録とは別に個人的な作品撮影を重ねてきた成果が現れていると思います。

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田中杏奈さんの自己紹介動画(洋服篇)
品があり声も話し方も仕草も可愛い魅力的な美少女です。


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トップページは、制服篇/洋服篇それぞれを特別に発表しました。洋服篇はこれまでにない新たなイメージ。連作写真からなるアニメーションと合わせて、ぜひご覧いただきたかったです。(期間限定公開を終了しました)

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撮影はサトウノブタカさん。中判デジタルカメラを新調され(物理的にも)これまで以上に美しい写真を記録してくれました。公開している画像サイズと解像度では驚くべき高画質をお伝えできないのが残念です。少女記録に参加している写真家にいわゆるグラビアカメラマンは一人もいないのですが、サトウさんはアイドルの撮影も多くされています。ご自身でも少女を被写体に作品撮影されており、女性の魅力をとらえる術を心得ています。

ヘアメイクは中田真代さん。絶妙なセンスでモデルの魅力を引き立たせてくれました。自分が求める自然で美しいヘアメイクを表現してくれるため頼りになる存在です。髪型・メイク共に制服篇と洋服篇で素晴らしい変化をつけてくれました。現場の和やかな雰囲気づくりも助けられています。

今回の作品は、久しぶり二度目のチームでした。二人の協力のおかげさまで美しい写真作品を発表することができて幸せです。多謝。

衣装のスタイリングは毎回自ら行っています。探す苦労もありますが楽しさが上回っています。自分が指名したモデルに自ら用意した衣装を着てもらい似合っている姿を見た時の喜びは格別です。以前は1着決め打ちでしたが、最近は2〜3着用意し、もっとも似合う洋服を採用しています。流石の着こなしで水色のワンピースが映えました。(スタイリングを自ら行う理由はこちらの記事に詳しく書いています)

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僕は編集長でありながら編集者ではありません。クリエイターとして制作にかける熱い想いを語らせてください。

時間をかけることが偉いとは思いませんが、時間をかけることでしか到達しないクオリティがあると信じています。

少女記録の制作を開始して4年経ちました。その間、まともな休みをとっていませんが、まったく苦にならない状態は異常かもしれません。誰かに依頼されたわけでも締切があるわけでもなく、いつやめてもよいわけですから。

儲かるわけでも見返りがあるわけでもないにも関わらず、なぜ自分の大切な時間を捧げて他人の推薦をし続けているのか不思議に思うことがあります。作品の制作にしろ、文章の執筆にしろ、何が自分をここまで突き動かすのか分かりません。ひとつ言えるのは美に対する信念。自分が見たいものは自分でつくるしかありません。

膨大な時間と労力、更には情熱を注いで作り上げた作品をじっくり見てもらえると嬉しいです。できれば大きな画面で見てください。

田中杏奈さんの新たな魅力が届くことを切に願っています。


最後に。書くか迷ったけれどあえて書き残します。少女記録の作品は、出演モデルにとって大切な記念の贈り物になることを願い心を込めて制作しています。本人に喜んでもらいたい一心です。だからこそ、心残りは作品に対する感想を聞けなかったこと。発表された自身が主役の作品を見て感じることがなかったのであれば残念です。

とはいえ、応援する気持ちに変わりありません。モデルにとどまらず幅広い分野で活躍する未来を期待しています。更なる成長が楽しみな田中杏奈さんの今後の活動にぜひ注目してください。

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僕はつくづく応援することが好きな性分のようです。

読んでくださりありがとうございました。

心に響くものがあったなら幸いです。
少女記録に共感したならぜひ広めてください。

志を高く。美を探求する旅は続きます。
美少女の輝きが届きますように。

「少女記録」編集長/運営人 山田信男

Instagram@shoujokiroku
Twitter@shoujokiroku


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