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第94話 こんな日もある。

帰宅して、車庫入れして、玄関に入ろうとしたとき。

すっかり暗い、裏庭の影から、急に娘が出てきた。

『パパ〜(涙目)。』

帰宅して気を抜いていたせいか、びっくりした。

いや、正直めちゃめちゃビビった。

雨も降っていたので、寒そうにしてる。

『どないしたん?』

理由を聞いた。

娘は、うっかり鍵を忘れて登校していたらしい。

さらに、チャリンコの前輪もパンクしたらしい。

今日は、ほんまに、かわいそうな娘。

鍵を開けてあげた。

すぐに風呂に入って、体を温めるように言った。

小学生の頃は、そんな時、隣の家に悪びれることなく駆け込み、ゆっくりさせてもらっていた娘。

思春期のせいか、今日は、私が帰るまで、雨の中、寒い外で待ってたようだ。

いつもなら、嫌味の1つや2つ、言っている。

毎朝、娘には、忘れ物せんようにと、口酸っぱく言っている。

でも、私も忘れ物はよくする方だから、わざとではないので、責めたら、かわいそうだ。

今日は、やっぱり遺伝子が似たんかなーとよくわからない理由から、怒らずに妙に優しくしている自分。

『明日休みやし、元気出して。』と声をかけてあげた。

昨日の鬼滅の刃の映画の影響か、少し前向きで、優しい自分。 

影響を受けやすい単純な自分。

たまたまやけど、こんなに心の広い日もたまにはある。

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