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なぜ複数地域に住むライフスタイルが、「都市郊外」を変えるか。

日本でも既にその胎動は感じられるようになってきています。その一つが、「デュアラー」と呼ばれるような人たちの増加であったり、そのようなライフスタイルへの関心の高まりです。

リクルート社住まいカンパニーが行った調査「デュアルライフ(2拠点生活)に関する意識・実態調査」では、非常に興味深い結果が出ています。

今、既にデュアルライフ実施率は、全国で1.3%。また、ジュアルライフを行いたいと答えた人は全国で14.0%を占めています。また、デュアルライフ実施者の属性は20~30代、世帯年収800万未満が5割を超えているといいます。

家族構成では<既婚子あり>が4割と一番高く、子育て環境として都市部だけでない自然に飛んだ生活などに関心を示している人が多くいますが、これは私のまわりでも同じです。特に小さな子どもがいると、都会の環境だけで良いのか、という疑問を抱く人は決して少なくないため、週末だけでも郊外とかにいって自然豊かな環境で暮らしたいと思うわけです。

移動時間は「1時間以上~1時間30分未満」と「1時間30分以上~2時間未満」で約4割を占め、移動手段としては 「電車」が7割弱、「自家用車」が6割弱で特に高く、大都市部周辺の地域にチャンスが多くあることがわかります。あんまり遠くにってデュアラーというのは、移動時間とコストがとんでもないことになるわけです。こうなると、実は郊外って今までは通勤する住宅街みたいなポジションでしたが、今後はこういったデュアラー向けとかの使い方で考えると結構悲観的になる必要ないなーと思うんですよね。都心部でのマンション住まいの人たちが、付きの何度か郊外に電車ででかけてそこで一泊二泊して返ってくるというのはあり得る。

先の私のNoteでも書いたようにイギリスとかマンチェスターはまさに公害が半端なくて田園都市論とかの発端となった産業革命都市の一つなわけで、公害に皆が週末いくのが、ある意味工業の衰退と共により当たり前となっていったというのもある意味日本の現在と符合するとも言えます。日本は特に私鉄が発達して、それで郊外から「通勤」というモデルで戦後高度経済成長でもスラム形成がなかったわけですが、その次はそのままでは無理なのが今。となれば、デュアラーみたいな新しいライフスタイルが広がっていく上においての郊外の再定義はかなり有望な気がしていますね。

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