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最先端の研究技術を強みとする研究成果ベンチャー

こんにちは!株式会社LabBaseでエンジニアをしている金丸翔(@show_kanamaru)です。
LabBaseには2018年の1月にインターン生としてジョインし、2019年の4月に新卒で入社をしました。

研究アドベントカレンダー2記事目です!1記事目はLabBase◯◯というサービスを妄想してみたのでぜひ読んでみてください!

上記の記事には記載しきれなかったやりたいサービスが他にもたくさんあるのですが、その中の1つが「大学発ベンチャー支援」です。
LabBase の Purpose 「研究の力を、人類の力に。」にもあるように、研究は実社会に応用され、社会が発展し、人類の力になるためにあるべきです。

そのために、研究をするだけで終わりではなく、それが事業化され、研究が⽣み出す社会へのインパクトをより大きく、速くする支援をしていきたいと思っています。

今回はそんな大学発ベンチャー、その中でも研究成果ベンチャーに関して調べてみました。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!


大学発ベンチャーとは

毎年、経済産業省が「令和3年度大学発ベンチャー実態等調査」をまとめています。こちらの調査では大学発ベンチャーを以下の5つと定義しています。

①研究成果ベンチャー
・大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー

②共同研究ベンチャー
・ 創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行ったベンチャー
・設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む

③技術移転ベンチャー
・既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー
・設立時点では大学と特段の関係がなかったものも含む

④学生ベンチャー
・大学と深い関連のある学生ベンチャー。現役の学生が関係する(した)もののみが対象

⑤関連ベンチャー
・大学からの出資がある等その他、大学と深い関連のあるベンチャー

令和3年度大学発ベンチャー実態等調査より引用

今回はこの中でも「研究成果ベンチャー」について調査したいと思います。

研究成果ベンチャー

2021年度調査において存在が確認された大学発ベンチャーは3306社でした。2020年度で確認された2905社から401社増加し、企業数及び増加数ともに過去最高を記録しました。

令和3年度大学発ベンチャー実態等調査より引用

その中でも研究成果ベンチャーの割合は53.8%、約1750の研究成果ベンチャーが設立されています。

令和3年度大学発ベンチャー実態等調査より引用

大学発ベンチャーの定義別では「研究成果ベンチャー」が最も多いが、過年度に比べ割合はやや低下しており、「関連ベンチャー」の比率が微増傾向にあることがわかります。

また、技術分野に関しては、「バイオ・ヘルスケア」が28%と最も多く、「環境・エネルギー」「医療機器」と続く形になっています。
※こちらは研究成果ベンチャーだけでなく大学発ベンチャーとしての割合

令和3年度大学発ベンチャー実態等調査より引用


研究成果ベンチャー紹介

2022年2月17日時点で上場している大学発ベンチャーは合計64社。

令和3年度大学発ベンチャー実態等調査より引用

その中から研究成果ベンチャーをいくつか紹介したいと思います!


ペプチドリーム株式会社

会社情報
非標準のペプチド治療薬の発見と開発を目的とした東京大学発のバイオベンチャー
2006年に創業し、2015年に東証一部上場

事業内容
独自の創薬開発プラットフォームシステム「PDPS(Peptide Discovery Platform System)」を用いた「特殊ペプチド」による創薬研究開発

研究の特徴
従来の薬は大きく2種類存在するが、それぞれメリット、デメリットが存在する。

従来の薬①:低分子薬
病原体とピンポイントで結合し作用及ぼす
デメリット
・病原体と結合する力が弱い
・他の場所にも作用するため副作用がある

従来の薬②:抗体薬
病原体を大きく抑え込むので結合する力が強い
デメリット
・サイズが大きい
・製造に手間がかかる
・価格が高い

これらの低分子薬と抗体薬の良いとこどりをしたのが特殊ペプチドを用いて作られた新しい薬である。

また、今までのペプチドは体内に入るとすぐに分解されてしまい効果が発揮されなかったところを、フレキシザイムという技術を使って分解されにくい特殊ペプチドを簡単に作れる技術を持つ。

参考動画


株式会社ユーグレナ

会社情報
東京大学発のバイオベンチャー
2005年に創業し、2014年に東証1部上場

事業内容
微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を素材として活用した食品やビューティケア商品の製造販売、バイオ燃料の開発製造、ソーシャルビジネスを行う

研究の特徴
ミドリムシを大量かつ安定的に培養・供給する技術を持つ。

ミドリムシの最大の特徴は植物と動物の両方の性質を備えていることで、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素がバランスよく含まれる。また、植物の特徴である細胞壁がないので、栄養素の吸収率が高い。

また、ミドリムシは体の20〜30%が油になるので、他の植物に比べて油の生産量が高く、飛行機などのバイオ燃料にもなっている。ミドリムシから作られるバイオ燃料のメリットは
・石油などに比べ大量培養できるため枯渇する心配がない
・人間が生み出す二酸化炭素をミドリムシが吸収し、そのミドリムシから燃料が作られるという循環社会が実現可能
などがあり、実際に飛行機、フェリー、ドローンなどでバイオ燃料を用いた試験が行われている。

参考動画


CYBERDYNE株式会社

会社情報
筑波大学発ベンチャー
2004年に創業し、2014年に東証マザーズ上場

事業内容
世界初の装着型サイボーグ「HAL」の開発をはじめとする技術革新で、超高齢社会が直面するさまざまな社会課題の解決に取り組む

研究の特徴
脳神経系の情報とのロボットの情報、これらをつなぐサイバニクス技術を持つ。

人は脳から指令を出し、神経を通して各所の筋肉を動かすが、装着型サイボーグ「HAL」はその信号を受信して、身体が動作するよりも早く作動する結果、タイムラグを感じることなく、自然に人の動きをサポートできる。

単なる機械工学や人工頭脳学の技術だけでなく、脳の信号を読み取り、分析する脳科学や神経学、分析したデータの解析をするための情報科学、さらに身体の構造を知るための運動生理学や再生医療などの知見を合わせて研究を行う。

参考動画


最後に

今回は大学発ベンチャーに関して調査してみましたが、研究者の偉大さ、研究の大切を改めて実感しました。今回紹介した3社のような素晴らしい研究が世の中には溢れています。こういった研究が事業化され、世の中をもっともっと良くしていくために、研究者/研究室の課題を1つ1つ解決していきたいと思います!


ミートアップを開催します!

10/5(水)オンラインでミートアップを開催します!
代表加茂が登壇します!ぜひご参加ください!


Meetyも公開しています!

このnoteを見て、少しでもLabBaseや僕に興味を持っていただけたらぜひお話ししたいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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