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「章の終わりと絶対座標」

人に吐かれた言葉がなくならない時がある。
その人自身のことは、とっくに許しているのだけれど、
言葉だけが消滅せずに、
ずっと心の中にオリのようにしずんで、
トラブルがあるときにいつもかき回されて、浮上してくる。
先日まで澄みきって見えていた未来が、
今は濁って未来が見えない。

もはや違うコップを用意して、
違うコップに新しく新しい水をいれはじめたくなる。

狂おしいほどに、生きたいという気持ちがあるのだと思う。

承認欲求という名では収まりきらないくらいの。
生きてて良いと言われる肯定感。
さすがにこの歳になると、
そんなものが人からもらえるとは思っては居ないのだけれど
こういう日には、ただただ、そういう存在があればと思う。

誰かのキスや温かさや、そんなものをもう少し身近に感じられたらと思う。
同時にそのすぐ側で、もう一人の厳しい僧侶みたいな自分がこういう。
「やめておけ、自力でいきろ。そんな時はカスをつかむぞ」と。

だれしも、誰かに認められて生きているのだ。
昔つきあってた人が、別れた後「甘えたかった」と言っていた。
この心理はどこかくるものなのだろう。
真綿に包まれてじっとじっとしていたい。温かな場所でなんの心配もすることなく
世界が自分のために、太陽も自分のために、毎日輝いている、
人類は自分の存在を毎日祝福していて、周りは自分のためにほほえんでいる。
そんな空間、遠い昔きっとあったのではないか?

だけど、それだけで人は満足せず。
人は人に期待をし、それが心配や愛やなんかしらという名の下に、
過剰に期待をし、
いろいろとすれ違っていくのだ。

でも一度だって、永遠だったことなんてあるのだろうか。
物事はいつも一時的なものであって、
親子の関係だって、大きくコミットするのは実は20年ほど、人生の4分の1に過ぎない。
今幸せなことを、積み重ねるだけで
いいのではないか。

5歳、3歳の娘たちの生理的な世話をするのだって、
もうあと3年ほどのことなのかもしれない。
そこにフォーカスすると、とたんに時間が愛おしい。
子供は、おぎゃあと生まれたその時から、
親の人生の4分の1、もしくはそれ以上の時間に、ある種一方的にコミットしてくる。
その間、私の人生から私を逃げさせない。
その子供の力はすごいものだ。

三次元に生きているから積み上げるという言葉ができたのだけれど、
すべて積み上げなくてはいけないものばかりなのだろうか。
つまみ食いする時間があったっていいと思う。
好きなブロックから積んでもいい。
作りかけた物を一度壊して、
違うところに作ってみてもいい。
この世界的なパンデミックのあと、
ルールそのものも、通用しなくなってるかもしれない。


いやこれまでも、不確実性を追い求めて、
その時々の行動に導かれるように、生きてきたのかも知れない。
それが、後に編集作業によって、なんとなく物語りになったのかもしれないし、
人生なんてそういう物かもしれない。
目的だって最期にならないと分からない。

もう私は、自分の力で
おそらくどこにでも行ける。

もしかしたらこれまでいつも、
誰かが今の場所から連れ出してくれることを
望んでいたのかもしれない。

不確実性は、時に苦しい。
人は、永遠なものを求め、それに安心をする。
永遠がほしくて、永遠を誓う。
といいながらも、決まり切っていることに退屈し
新しいことを切望する。
これまで感じたことのない、怖いくらいの
自由さが今は私の手の中にある。

不確実な海に投げ出された、
それとも自由を謳歌して、新しい泳法を身につけるのか、
まずは、いっぱいに空気を肺に吸い込んで、
ぽかんと浮かび、もうすこしだけ空を見上げて、
絶対座標を見つけたい。

ーーー

不思議と、やっと第一章が終わった気がする。
第一章って、もっと短いと思っていたよ。長かった。
なかなか読み応えがあった。

なぜ、そう思うかというと、
これまでの人生が、なんだか一つのことのように思えるのだ。
中学のときのいじめの経験、
高校のときの初恋も、
実家での出来事も
結婚も離婚も、同じ私のBOXに入って、ガムテープで閉じられようとしている。

そしてこれからは、また違う事が始まってしまう予感がしている。
こういう感覚は初めてだ。
ワクワクと不安の入り交じる、生きている実感。

と、言うわけで、あまり振り返るのは好きではないのだけど、
このタイミングでまとめておくのは、悪くない、と思った。

なので、第二章がいそがしく始まるまえに、
今のうちにnoteに自分の第一章をまとめておこうと思う。

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いつもながらに、極めてプライベートな内容です。
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