自作PC水冷化

1万円本格中華水冷キットと呼ばれているものの存在をYouTubeで知った。本格水冷は見ためのかっこよさだけでそんなに冷えないし莫大なカネがかかる金持ちの道楽だと思っていた。1万円で問題なく使えてしかも空冷より冷えるというデータ付きで紹介されていたので興味があった。しかもグラボのファンの調子が悪いというか、異音がしている。グラボのファンは交換が厳しく、いい機会だと思ったので動画をあさりつつ導入を決めた。基本は上のキットで済むのだが、せっかくなのでいろいろ付け足したら2万円超えた。

なんだかんだでめっちゃ面白かったので紹介したい。あと今後のメンテナンスの手間は確実に増えたのでこの記事は将来の自分のためのメモも兼ねている。PC自体の構成は1年半前に組んだcore i7-8700、Palit GTX1080、 ASRock H370 Pro4、メモリ8GB×2、m.2SSD 1TB、HDD 4TB、電源600W、DVDドライブ。

購入物を紹介する。よそでも売ってるがめんどいので全部Amazon。だいたい中國製で日本语が怪レい。PrimeじゃないやつはChina Postで送られてくる。すべからく箱がベコベコまたは梱包がクシャクシャで一見ゴミみたいだが相場よりありえん安い。ものによっては2週間とかかかる。

キットのバリエーションは数パターンある。チューブの長さは十分。ファンのライトは青。ポンプがうるさい。内容物リストにはない、リザーバータンク用の空気抜き付きキャップが1つおまけで付属していた。
以下の商品にも共通するが、どう見ても同じ商品が別の値段で別の販売者から売られている、しかも商品説明はむちゃくちゃで同じ商品とは限らなかったりするし、スペック詐欺や写真詐欺は横行している。在庫切れてから復活しなかったり値段も変わったりする。無法地帯Amazonは奥が深い。


フィッティング・継手。キットのうちポンプとリザーバータンクを分離するには2個不足するため別途購入。インジケータ等のパーツ追加にも必要。手締めで最後にモンキーレンチで締めた。締めすぎるとパーツのほうが壊れる。キットのチューブが内径8mmなので外径9mmの継手が丁度いいみたい。

クランプ。フィッティングへのホース固定に使う。キット付属のはラジオペンチで開いて動かして、希望の位置で離すと勝手に締まるが、これはネジなので締めるのが少し大変だが外れにくいぶん頼もしい。

水冷系統が安定稼働すると水流がわからないので安心感を得るために挿入する。よく回るので見て楽しい。水流の向きに注意。

水冷キットはGPUとCPUしか冷やせない。マザボやグラボの電源回路、チップセット、m.2 SSDなどは空冷。まともなケース内エアフローがあれば問題ないだろうが、CPU空冷クーラーやグラボファンが無くなったぶんの冷却を増強したい気分。ヒートシンクは大きさ長さなど無数に種類があるが小さくて多くて安いやつを選んだ。熱いところに貼って、できればケースファンに当てる。

水が流れる全部のパーツにシリコン製っぽいOリングがちゃんとついてるのでいらない説はある。キットのリザーバータンクのねじ切りがゆるくてちょい不安だったのでそこだけ使用した。ネジ切りの向きにテープを巻く。

自動車用クーラント(冷却水)、エチレングリコール。ラジエーターがアルミ製で水枕の吸熱部は銅でフィッティングは鉄っぽいので普通の水では電蝕(腐食)の危険があるが、そのへんいい感じに保護してくれる液体らしい。あと下手な水は腐る。触るとベタベタする。体や環境には悪いらしい。注ぎやすいノズルが付属している。キットのファンLEDが青色なので合う。1回の注水で1Lちょいくらい使った。水冷PC用クーラント高すぎ。
クランプの締めが甘くて染み出す、リザーバーに注ぐときにあふれる、作業中にボトルを倒す、ポンプが壊れるなどでかなり漏らした。どこかしらは濡らす前提で作業すべし。少なくとも重要なパーツにかかってないので良かったがケースの底部は未だにベタベタしている。

キットのポンプはペリフェラル4ピンのうち2本使うだけの12V給電。ポンプ単品では何もコントロールできない、それなのにうるさい。ファンコントローラーがあれば使えばいいのだが、安いしこれで十分。余ってる4ピンの延長ケーブル切ってこれに繋げば制御できる。この基盤にはネジで裸の端子を固定できるが、外れてショートしたことがあったのでハンダ付け推奨。これも出力中は青色LEDが光る。ツマミはカチッとなって出力オフにもできる。結局弱いポンプに交換したのでこのコントローラは必要なくなった。

さすがに毎分240Lは嘘で毎時だと思う。キットが600L/hなので半分以下っぽい。キットのポンプは継手をレンチで締めすぎてヒビ入って壊れた。こちらは継手不要でその心配も無用。小型で防振シートを挟めばかなり静音なので交換して良かった。むき出し電線なので4ピン端子をつけた。プラのフィッティングがあっさり折れて死んだ。

またポンプが壊れてしまったのでAmazonで返金対応。激安品にこだわるのを諦めて2900円と少し高いポンプを買ったが、明らかに静かだし4ピンに対応でとても良い。高さが低くなったのでリザーバータンクと分離する必要がなくなった。

ラジエーターやフィッティングの作りが雑なので内部に金属の削りカスがちょいちょい見られる。ゴミがポンプを傷つけたり流路をつまらせると面倒なのでこのフィルターをかませる。たまに掃除する必要があるかも。

ポンプとリザーバーをつなげるように1個はキットにある。パーツが増えたので追加で必要になった。ていうかキットのジョイントは丸くてゴツゴツしてるだけで角がないのでレンチで締められず手締めしたら痛いし開けにくいので使わない方が良かった。

水路の分岐。排水バルブをつなげる。本当は流路の最上部に空気穴と、最下部に排水穴で2箇所作るといいらしいが、1箇所でも排水できると思う。謎に3個入り。

排水バルブ。閉じておいてもなにかの拍子で漏れないか不安なので、普段はキット付属のキャップで出口を締めておく。キットには空気抜き付きキャップも付属しているのでリザーバータンクの給水口にはそちらを使う。前述の通り実際に排水してみたら空気が詰まって傾けたり振ったり手間だったのでやはりもう1個買ってもいいかな。

メタルキャップ。排水バルブを塞いでおくのに使う。

追加のラジエーター、12cmファンサイズ。GPUとCPUの両方を水冷させると水流が後になるほうが冷えにくい。GPUのあとCPUの前に、背面ケースファンに当てる形で設置した。キットの24cmラジエーターは天井排気。

ヒートシンクつけとくだけで十分だと思うがフィッティング余ってたし面白いのでm.2 SSDを水冷化しようとポチったが全然届かないので次にメンテナンスするときに使うことにする。グラボの電源回路もそれなりに熱いのでそっちでもいいかも。

ヒートシンクのテープやウォーターブロックの粘着に使う。小さい部品にグリス塗ると飛び散って厳しいので。400円くらいだった。

いま一番安くて流行ってるミドルタワーケース。前のケースと大きさは変わらないが本格水冷を想定していないデザインだったので、ラジエーターやリザーバーの配置が厳しく新規購入。昔のケースはなんでシャドウベイあんなにあったんだろう。HDDや光学ドライブの衰退でケース内レイアウトのコンセプトが変わってきたのを感じた。言うほど作りは悪くないが値段なりなのかなーという点も少々という感じ。

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完成状態。手前の配線やファンは設置後にもう少しきれいにした。
リザーバーの縦が長くて収めるのに試行錯誤した。
右のリザーバーから→ポンプ→インジケータ→分岐とバルブ→フィルタ→GPU→ラジエーター(小)→CPU→ラジエーター(大)→リザーバーという流れ。

冷却効果は厳密に測ってないものの10度以上冷えている。めっちゃ頑張っても下流側のCPUが80度いくくらい。上流のGPUなんか常時40度台。

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