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福島は今どうなっている? 農作物編

米どころ福島にとって、原発事故の影響は甚大でした。

豊かな自然に恵まれた福島の米や野菜、果物は本来、とてもおいしいものです。月日が経過したことで福島の農林水産物も信頼を取り戻しつつありますが、その影には現地関係者の多大なる苦労がありました。

福島県では世界一厳格な安全基準を設けて放射線の検査を実施。放射線の基準値を上回る食品は、市場に流通される前にシャットアウトされる検査体制が確立しているのです。

米は全量全袋検査

福島県産の農林水産物は、すべてモニタリング調査を通して安全が確認されたもののみ、市場に流通しています。

米などの穀物はもちろん、野菜、果実、原乳、肉類、山菜、きのこ、はちみつ、河・海で採れる水産物など、あらゆる食品を検査のふるいにかけ、基準値を超したもののみを出荷。検査の結果、基準値を超した食品は平成26年以降はすべて1%を切っています。

とくに米の検査は厳格で、産地ごとに全量全袋検査が実施され、その結果は市町村のホームページで公開されています。検査結果もガラス張りでオープンにすることで、福島の農林水産物の安全性を内外へ広くアピールしています。

これらの実態をみれば、福島の米・野菜・魚・水などは危険どころか世界一安全であることが分かります。

どうしても放射線のイメージが強いために、福島で採れるものは米も野菜も山菜もおっかなくて口につけられないと思われる方もいまだにいるかもしれませんが、心配には及びません。

災害が発生したとき、もっとも安全な避難場所はガソリンスタンドと言われます。

危険物がごろごろ転がっているガソリンスタンドがなぜ安全なのか? それは爆発や火災など事故が起こる可能性があるからこそ、リスク管理が極めて厳格になされているからです。

福島の米や水が安全なのも、これと同じ論理です。

危険と思われているからこそ検査技術が発達、検査の精度も向上し、極めて安全性の高い農作物の出荷が可能となるのです。

たまに海外のどこかの国が「福島の米を輸入禁止にしろ」などと騒ぐニュースも伝わってきますが、まったくのナンセンスです。

世界には、福島以上に放射線濃度の高い国はいくらでもあります。

もっとも人口が集中する首都においてすら、福島の濃度を上回るくらいです。

日本人はそうとは知らずその国へ観光旅行に出かけ、食事やお土産物を楽しんでいるではありませんか。

でも、放射線障害で重大な健康被害に遭ったなどというニュースは聞かないでしょう。

誤った情報に振り回されても笑い話で済めばよいのですが、風評被害にされされてきた現地の農家や水産関係者の苦労を考えると、とても笑って済まされる話ではありません。

このような当たり前の情報の周知はまだまだ足りないと思います。いまだに福島産表示のものを避けている方がいれば、ぜひとも正しい情報を自主的に集めて不当な「福島差別」に加担しないようにして欲しいものです。メディアはまったくあてになりません。



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