キャプテン男子有賀から銀色の聖夜に告白される世界史オタ女子茜の日記14

本庄茜。高校2年生。好きなものは世界史。彼女には、将来、サッカー部キャプテンの有賀浩太郎から告白されるという未来が待っている。友人、家族、高校生活、そして恋。茜が毎日書きとめた日記には、何でもない日常と心模様がこと細かに記録されていた。告白されるまでをドキュメンタリー風につづる、ひとりの女子高生の小さな物語。

4月20日

私の地元・東京。最近思うのは、「東京って侵略されてない? 地方に」ということ。

歴史をみると、人類は古代から民族の移動によって他国の土地を侵し、支配と被支配を繰り返してきた。つまり侵略って、民族が海を渡り、国境を越えて別の地域で多数派を占める状態をいう。異文化の異民族がどかーっと流れて多数派を奪われた土地って、侵略を受けたことになる。世界の歴史は、その繰り返しだよ。

東京の人口1200万人とかいうけど、このなかで純粋な東京人という人種はどれくらいいるの? 三世四世までさかのぼらなくても、結構な数の純ローカル人間が占めるんじゃないだろうか? ちなみにわたしの父は九州で、母は千葉の人。

世界で最初に文明を起こしたのは、地中海沿岸の地域。エジプト・メソポタミア地域で繁栄した国家は、周辺地域から海を越えて流れてきたいくつもの民族に滅ぼされた。なぜ民族は移動する? それは単純明快、そこに行けば食えるからだ。よりよい暮らしが手に入るからだ。そうやって移動してきた農民や漁民たちが移り住み、商人・職人となり、挙句の果てには支配階層になって新たな国を造っていった。

日本でもここ150年の間に、薩摩・長州の人間が江戸を東京と改め、新しい国家建設をはじめた。そして地方都市から多くの人間が東京に移り住むようになり、今ではほとんどを地方人によって埋め尽くされている。

最近買った世界史関係の本で、「世界の歴史は移動の歴史である」みたいなこと書かれ、まさにそうだ! 今の日本もそうだ! と思ってしまったのだ。

4月21日

今日も何もする気が起きず、家でだらだら過ごした。

ベッドでゴロゴロしながら、スマホの写真フォルダを眺める。一年前二年前までさかのぼって。気づいたけど、食べもの系は少ないな、花とか草とか野良猫とかが多い。そういえばわたし、友だちと遊びに行っても写真とることあんまりしないなー。今、こうやって日々の出来事と思いをつづっているわりには、写真を残さないなんて記録への本気度が疑われる。

写真を撮る習慣が本当にないな、と思う。でも写真って、「今」を大事にするためのツールじゃないかな。インスタ映えが目的の写真なんかとくにそうだと思う。たぶん、あとの時代に残しておきたいという感覚は、みんなあんまり働いていないんじゃないかと。今この瞬間を抑えておきたいだけ。だって、1日何枚もパシャパシャして、そんなこと1年間やってたら、どんだけ写真フォルダ必要? ぜっっったい、見返さないって。

何もやらない日は、どうでもいいことばかり考えて、答えのない世界をひたすら歩きまわる。



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まだまだがんばります!
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ノブアキ

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