炭の巨塔「愛しているけど別れを決断する・・・でも心の葛藤が続く」

私たちは本当にドラマのような出逢い

お互いが運命だと思っていた

身近な知り合いから恋愛に発展したのではなく

ロンドンと日本でこんな偶然というか

必然な出会いはあるのだろうか

初めて会ってからお互いが惹かれあい

1年以上経過した。 

彼からプロポーズを受けてから

私たちは毎日に活力がわいていたのは事実

ロンドンと日本遠距離だけれども

毎日のメールは欠かさない

決めたわけではないが

彼から毎日の日課のようになっていた

メールの返事が遅れると

彼から「どうしたの? 心配だよ」と

メールがくる

彼からしてみれば 毎日が気がかりだったのだろう

彼は既婚者 子供はいないけれど

妻がいる

私は独身 いつでも彼氏をつくろうと思えばつくれる

彼はもう妻がいる限り 他の女性には

目移りはしてはいけない立場

要するに、身動きがとれない

私は独身 恋愛や結婚は自由

彼からしてみれば いつか他に男性と

つきあうのか 結婚するのか

不安だったと思う

それがメールという手段をとっていたのだろう

毎日メールすることで

私の気持ちを自分に向けておきたかったのだろうと

察していた。

遠距離だからこそ 不安だったのだろう

私は彼からプロポーズを受けてから

1年は様子をみようと思っていた

本当に妻と別れるのか

行動に移さないなら 別れた方がお互いのため

だと決めた

あっという間に1年以上たった

その間 彼の出張先に同行していく日々は変わらず

世界中彼と旅をした

お互いの時間を大切にして すぐに会えない分

一緒にいるときには楽しい時間を過ごした

しかし 彼からはっきりと妻と別れたという

回答がなかった

私も突き詰めるのも嫌だった

彼を追い詰めているようなので

きっと彼なりに考えがあるのだろうと思って

見守っていたのだけれども

心の中では 年内には別れを切り出そうと

決めていた

内心 すごく嫌だったけれども

そうするしかないと 思った

年末に彼の出張先に同行した

ベニスだった 二人の時間を楽しんだ

その夜私は 真剣に話そうと思い

彼にこう切り出した

「ほんとうに私と一緒にいたいと思っているの?」と

彼は 「一緒にいたい」といったが

複雑そうな表情をしていた

ロンドンの離婚は複雑・・・・

日本とは違う 

夫婦の財産もある 銀行口座は夫婦では共同になっている

そう簡単には別れられないことは

私は知っていたのだが

彼の本音が聞きたかった

結婚した以上 男として責任があると感じていたのだろう

彼は 妻に恩がある

ロンドンで医者として頑張っていた時に

支えてくれたのが妻だった

年上の妻で 彼は医者の卵

お金もなく 苦労していたころに

工面してくれたらしい

妻はロンドンに在住したいのが理由で

彼に尽くしていたらしい

彼もそれは薄々知っていた

愛情とかではない 妻はロンドンに住むためには

彼と結婚することがメリットと感じていて

結婚することを押し切られたらしい

彼は医者としてお金もないので

研究するためには妻の存在はメリットかもと

思い、 お互い愛し合い結婚したのではなく

互いのメリットを考えて結婚という手段を

選んだという

なので 愛情はない だけれども

20年以上結婚生活をしていれば

情もある なので 「離婚してほしい」とは

なかなか言えない状態だったらしい

妻も彼に女性の影があることは

気づいている

ロンドンに住み続けるには離婚は絶対しない

しかも 彼は医者として成功した

ある程度いい暮らしをしているので

愛情はなくても 離婚は絶対しない

彼も知っていて 一人で悩んでいた・・・・


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