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日進月歩 ~Road to MBA~#95

2021/4/17:ビジネス・オーガニゼーション3②
 土曜日は、経営組織論を専門とされている山中先生の講義をとっており、2回目の講義となります。前回の講義において、バーナードは組織の成立条件として3要素(➀目的、②貢献意欲、③コミュニケーション)を説明しており、”➀目的”については理論を学んだため、アサヒビールとキリンビールの実例を基に学びを深めていった。

■組織の成立条件(➀目的)

 前回の講義(#91)において、組織の目的≠個人の目的という性質をもっている前提があった中で、個人の目的と相違している「組織の目的」を信じてもらうこと、これが属しているメンバーへの最も重要な要素ということを理解させていただいた。その理論を基に、現実を見たときにどうかという視点で、アサヒビールの事例を解説いただいた。

<事例:アサヒビールとキリンビール:戦後の概観>

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 分かってきたことは、組織の目的は「個人の解釈」に依存するということであり、その解釈によっては協働する個人に相違が起きたり対立したりすることがあり得るということだ。各部門での対立や従業員の意識の分裂や離散を改革でき、見事にキリンビールを抜いて1位に返り咲いたアサヒビールの取組みについて振り返りをしてみたが、各従業員のバラバラである意識を統一するために組織の目的を従業員に信じさせたこと、これこそが大きな要因であったと言えよう。
 しかしながら、目的が抽象的であれば、多様な捉え方や解釈する方法があることで協働ということが難しくなってくるという要素も出てしまう。この時に重要な要素となるのが、それを繫ぐ強いリーダーシップ機能となる。

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 では、組織としての目的を成立させるためにはどうしたら良いか。企業の理念を共有し、個人に対して共通の目的が存在しているという信念をうえつけていくために必要な要素が、上記の図からも分かる通り「リーダーシップの機能」ということである。組織の目的を実現することで個人的な価値を見出せること、個人に内面化させていくことがいかにできるかをいかに伝えられるかが鍵となると感じている。

■組織の成立条件(②貢献意欲)

 組織を構成するものは、人間そのものでなく、人間の用役や行為、影響力など(行動されている力)であり、組織に対して努力をもって貢献しようとする人々の意欲であると定義している。
 また、組織における個人は2つの人格をもっており、「個人の人格(理想・希望・価値観など)」と「組織の人格(目的・役割・職務)」であり、そこには”対立”と”葛藤”が存在しているとのことだ。でもなぜこのような対立や葛藤が起きてしまうのか、グループディスカッションにて受講者が経験した内容を共有した。

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 こう見てみると「個人の貢献や努力」と、「組織の提供する利得や価値」との均衡やバランスが崩れているからではないかと推測される。以下の関係性のように、組織を成立させるためには、誘因の確保がされないといけないのではないか、こういった組織成果の適切な分配が課題となっている。

誘因(inducement)≧貢献(contribution)


 では、貢献意欲はいかにして生じているのか?まずは個人として組織に参加するか否かという意思決定から考えてみたいと思う。先程も述べたように、貢献したことで利益がもたらされるか、または、個人でやるよりも協働したほうが利益をもたらされるかといった誘因が意思決定の要因となる。この理論を基に、受講者でディスカッションをし、要素を紐解いていった。

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 さらに、実際のリクルートワークス研究所における「就業意識と実態に関する調査2016」と「Global Career Survey 基本報告書(2012)」のアンケート結果を見ても考えてみた。仕事に対して何を求めているのか、仕事をする上で大切にするもの、仕事の満足度などについて見ただけでも特徴が見られた。また、資料には日本だけでなく、各主要国も記載されていたため、国の文化に違いによっても面白い結果が見られた(日本は特殊というわけでもなさそうな結果となった)。

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■組織の成立条件(③コミュニケーション)

 個々の人の貢献活動・努力と組織目的達成を結びつけている過程であり、コミュニケーションの機能には様々な伝達内容がある(3種類に分類)。

A)目的の伝達
 組織の目的は個人に理解され、受容され、支持されるべき
B)貢献の伝達
 個人が貢献すべき活動、努力の内容、手続きなどが伝達されるべき
C)誘因の伝達
 誘因の内容が個人の貢献を十分に補うものであることを理解すべき

 また、最近ではコロナ禍における環境の変化の要因が大きく、「対面」ではなく「オンライン」というコミュニケーションの方法も変更とせざる負えない状況になっている。次回の講義では、コミュニケーションの手段や方法、どうやったら機能するかなどについて学んでいこうと思います。

平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
【サッカー】春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
※U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B2%A9%E5%AE%97
【ビジネス】株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
【学校】中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

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