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日進月歩 ~Road to MBA~#58

2020/12/4:ネゴシエーション③
 金曜日はネゴシエーションという科目となり、引き続き企業の経営や起業の経験、組織論に携わっている安部先生の講義の3回目です。

 今回は、前回(秋学期2回目)の授業以降から本日までで事前にメールにて交渉をするケースをいただき、Kさんと実際の交渉さながらの緊張感で行いました(互いに以下概要以外に詳細の条件が提示で、私はN大学)。

【交渉ケース(概要)】
 日本の大手企業S会社とシンガポールにあるN大学(ビジネススクール)にグローバル経営幹部育成研修の依頼を行うこととなった。日本人 15 名、外国人 10 名が 2 週間、計 1 0 日の研修を 20 2 1 年 10 月に受講する見込みである。S社のY課長はシンガポールに出張し、価格をはじめとする条件交渉を行うこととなった(N大学はP教授とY部長)。

 最初はS社からN大学に対して、教育の依頼からはじまり、1つ1つの条件をN大学から提示して詳細のやりとりを実施していくようなケースでした。交渉の最初は特に問題なく進み、私の中で確認するものを分類して「日程と人数」、「コスト」、「長期契約」というポイントの中で、「コスト」以外は合意を得られていき、進んでいった。しかしながら、「コスト」では折り合いが全く合わず、以下交渉のポイントを考えながら交渉を続けた。

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⇒結果は・・・見送り(笑)

 実際の営業活動にも”見送り”が多くあると思いますが、関係性を営業していく「プロセス」を論理的に分解していきたいと思います。実際のKさんからのフィードバックを踏まえ、交渉の戦略立案を以下のプロセスに基づいて振り返ってみました(①交渉の種類、②BATNAやZOPA、③戦略&戦術、④入手したい情報、⑤異文化的環境など)。

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 このように分析していく中で、気になっている点としては、S社とN大学における「BATNA」や「ZOPA」はどんなものがあるのか。ということだが、全体を通してBATNAを考えていくと重なる部分がある、つまりZOPAがあるように感じる。しかし、要素を分解していった場合にどうしても「コスト」だけが、重なる部分がなくZOPAが無いように感じている(下記はケースを基にして、金額/日で計算をしたもの)。

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 オプションやその他パーティーなどをコスト削減しても交渉は難しかった・・・私も最大限にコストを削減しながら提示はしていったが、全くつり合わないことで「見送り」となった。S社からも「最後の一かじり」まで使われてしまう中で、長期的な観点でコストを削減してまでも受ける案件ではないと私は判断した。この要素が、最も交渉がうまくいかなかった要因であると考えている。こういった場合には、コストを安くしてでもやりたい相手か、やることで付加価値によるメリットがあるか、という視点で考えた、私はそこまで魅力が感じられなかったという結論をとったのである。

 最後に、メールでの交渉によるフィードバックで、受講生から面白い内容も多くあがった。多くの方はデメリットをなんとなく把握していると思いますので、今回は「メール交渉」のメリットのみを抜粋しています。私自身は、落としどころを見つけるのが難しかったり、メールで書くとどうしてもフランクさが無く、担当者同士のネゴもしずらいといったデメリットが多くある中で、物事を考える時間があるため、頭の中を整理でき冷静にそうしんできるメリットがあるのではと、改めて実践から感じています。

✔ メールなどは関係各位(上司)などをCcに入れることで抑止力がでる
✔ 互いの譲れないものを捉えることでうまく交渉できた
✔ 条件が文字で記録に残るため、整理しやすい
✔ はっきりと値段を言うことができる(具体的な数字の提示が可能)
✔ メールを受信してから時間があるので、冷静になって考えられる
✔ 物事を整理してからメールを送信することが可能(見返しができる)



        立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗


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