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春が来たのですべてが馬鹿みたいに素晴らしくなって、ぼくはnoteを書いた。

西安に春がやってきた。

盆地の底に溜まっていた淀んだ空気も、春の強い風に押されてどこか遠くへ行った。

ものすごく晴れた日。それは昨日までのの天気が全部嘘だったかのような、なかなか笑わない赤ちゃんを無理矢理笑わせたような、とにかく突拍子もない晴れだった。

こんな日はすべてが馬鹿馬鹿しくなってしまう。
自分と周りの人が違う人間であることも、今後どうやって生きていくのかも、10年後自分はどこで何をしているのかも、
すべて春の気だるさが泡にして飛ばしていった。

会社の空いた窓からも春の匂いが鳥の鳴き声とともに入ってきて、
いよいよすべての力を奪いにきた。

こんな時、大学生の自分なら授業をさぼって芝生を歩いたり、羊の様子を見にいっていたに違いない。
でもなぜ自分は仏頂面でパソコンを睨んでいるんだ。不健康不健全極まりない。
人間あるべき姿に反して暮らしているのはおかしい。人生が人生の本質なのであって、仕事、ましてやこんな春天の中座っていることは本質などから遠くかけ離れている!!!

と、頭の片隅を春の馬鹿馬鹿しい素晴らしさに巣食われた自分は、春を勝手に逆恨みして、黙々と午後の作業を進めていくのだった。

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