ちいさなデザイン教室

自分自身が「デザインでできること」を学びたいとはじめた試み。1年間かけて、少人数で話し合いを重ね、プロジェクトをつくっていきます。2018年で、すでに7期目。卒業生も100人以上になりました。

クラスは、3クラス。1クラスは、9名で、全体で27名。1年で卒業する人もいれば、2年で卒業する人もいます。そして、最大で3年間参加することができます。

参加しているのは、デザイナーや建築家、ライター、カメラマンなどクリエイティブな仕事をしている人から、デザインを学んでいる学生や、デザインに興味がある会社員や主婦、定年後の人など、年齢も職業も様々です。

住んでいる地域も様々で、遠いところでは、大阪から深夜バスで月1回の授業に参加してくれた人もいました。栃木県や鎌倉など、3時間以上かけて通っている人もいました。もちろん、近所に住んでいる人もいます。

教室は、国立駅北口から歩いて20分の住宅街の中にある「つくし文具店」。教室の生徒は、月1回の授業に参加するほか、月1回つくし文具店の「日直」をすることで、様々な体験をしながら学んでいきます。

月1回の授業は、2時間あまり。先生はいないので、それぞれが1ヶ月で調べてきたことや考えてきたことを発表して共有することで学んでいきます。そして、お互いのことをさらによく知るために、「給食」という名の飲み会をお店を探して毎回開いています。

教室の運営も、参加者の自主性が基本です。1月の授業で最初にやるのは、組名を決めること。そして、取りまとめ役の組長と、その他の役割を決めることです。役割分担しながら、自分たちで教室をつくっていきます。

1年のおおよその流れは、最初の3ヶ月が「デザイン」や「地域」のことを学びながら、お互いのことを知る期間。次の3ヶ月がプロジェクトのテーマを、それぞれの興味や関心から広げて、まとめる期間。

そして、7月〜9月の3ヶ月で、夏のイベントを実践しながら、プロジェクトを具体化していきます。この頃から月1回の授業だけでは間に合わないので、必要に応じて、集まる機会が増えていきます。

最後の3ヶ月は、プロジェクトの最終準備と発表。そして振り返りです。それぞれのプロジェクトをなんらかのかたちで、外部に発信して、その反応を感じることで、リアルな学びの場となります。

「授業」「給食」「日直」の他に、必要に応じて「全体会」「飲み会」「遠足」などを開きながら、参加者同士の交流を深めて仲良くなっていきます。

これまで6年間続けてきた積み重ねで、教室のしくみはできてきましたが、中身は、不思議なもので、その年に参加する人で、内容は大きく変化しています。時代やぼく自身の興味、関心も少なからず影響しています。

「ちいさなデザイン教室」での学びから、人のつながりと、卒業生によるさらなる新しい試みが生まれ、育っていくことが、とても楽しみになってきています。なので、もうしばらく、続けてみます。


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