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コンクール

おはようございます。


先日、生徒の付き添いでコンクール会場に行ってきました。

最後にコンペティターとして出たのが10年以上前のこと。久しぶりにコンクールの空気を吸って、なんだか懐かしい気持ちになりました。






昔は僕もいろんなコンクールに挑戦したものです。
今のように数も多くなく、スカラシップのような副賞のあるコンクールもそう多くはなかった時代、顔ぶれは大体同じで、そのとき競っていたライバルたちが今のバレエ界の中核を担っていると思うと感慨深いものがあります。


僕はコンクールの空気自体は嫌いで、自分以外の人が全員自分より上手に見えるし、他所のお教室の先生も怖く見えるし、結果が思わしくなければかかった費用のことも気にしてしまうし……とネガティブな思い出ばかり。


ただコンクールに挑戦しなければ得られない経験や刺激は必ずありますし、そのおかげで成長できた部分は計り知れません。

コンクールに出るために普段のレッスンでは練習しないこともたくさん練習したので、その過程で身につけたものも多く、それに僕の留学のチャンスはコンクールでいただいたものですから、がんばって出場してよかったなと思っています。





今回出場した生徒もよくがんばってくれました。
本人としては悔しい部分もあったようですが、その日の自分の調子を冷静に捉えて、無理せず端正にまとめていて立派だったと思います。



規模はそう大きくないコンクールだったので、生徒の出場部門は全員見ることができました。

せっかくの機会なので、自分が審査員だったらという視点で見させていただきました。





結論から言うと、僕の予想順位と実際の結果はほぼ同じでした。あまり目が狂っていないことが分かって安心しました。笑



1位の方は、出てきた瞬間に「お?」となって、最初のアラベスクで1位を確信しました。その後も素晴らしかったのですが、順位を決めるだけなら見る必要がないくらい、圧倒的でした。



2位と3位が僕の予想とは逆でしたが、ちょっと迷ったところでした。

出来栄えとしては3位の方のほうが良く、演目的に華もありました。

ただポジションの正確さ、丁寧さでは2位の方のほうがより気をつけていた印象でした。

迷った末にコンクールだから技が出来てる方、あとハケ方が3位の方は最後までちゃんとしていた(2位の方は疲れてたのか雑にハケちゃってました)ので勝つかなー、なんて思ったのですが、やはり端正に踊ったほうに軍配が上がったようでした。



生徒は上位まであと一歩でした。

「4位かな、、、いやでも3位なら何とか、、、」なんて思っていたので結果としては予想通りながら、関係者は採点してはいけないルールは絶対に必要だと、身に染みて感じました。どうしても主観というか私情が入って冷静に見れませんでした。





審査員の方の基準はそれぞれあるので全部のコンクールでそうだとは思いませんが、少なくとも今回のコンクールでは、より基礎に忠実に踊ろうとした人、そして美しい形とポジション、伸びやかさを重視した人の方が良い成績を残していたように思います。

アラベスクひとつとっても、綺麗に脚が上がる人は何人もいましたが、上半身が固まらずにぐーんと伸びやかに使っていた人は目を引きましたし、そういう人が上位でした。


ノーミスでも、難しいVaでも元振付を無視して簡単に変えてしまっていたり、役柄を理解しないでただ形だけ踊っている人は散見されましたが、やはり結果としては振るわなかったようです。


そして出方。

出てくるときと、バリエーションの最初の5秒でほとんど決まってる感じでした。歩き方ひとつ、ポールドブラひとつで90%印象づけられてしまうなと感じました。

若い世代ほどその傾向は顕著で、中学生部門だったと思うのですが、場当たりだけ見ることができて、そのときにパッと目についた3人くらいの番号をチェックしておいたのですが、結果は1位、2位、4位の子たちでした。






とまぁ偉そうにいろいろ書いてしまって申し訳ないのですが、これからコンクールに挑戦する人たちが気をつける点の、一つヒントになればなぁと思います。

この辺りの大切さを、若い頃はイマイチ分かっていなかったんですよね……もっと当時から気をつけていればと悔やまれます。


基礎に忠実で、大きく伸びやかな身体の使い方。
役柄理解、歩き方など踊り以外の部分。



もちろん、これは改めて自分にも言えることです。
幕ものを踊るプロにこそ、必要な要素ですから。



ではでは。

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