釣りをしていて考えたこと10
相変わらず釣りを続けております。
写真はイワシの蒲焼き丼。
最近は釣った魚の調理に力を入れるようになってきました。
釣りは楽しいです。
あれこれ想像しながら計画を建てている段階も楽しいですし、実際に釣りをしている時間ももちろん楽しいです。
…が、正直なところ、釣りの後、クーラーボックスいっぱいになった魚を眺めて少々面倒くさくなるときがあります。
「家に帰ってからコレ全部捌くのか…」
そうです、世に言う「コレ全部捌くのか問題」です。(今、僕が名付けました)
人はなぜ「面倒くさい」という感情を持つのでしょうか?
面倒くさがっても何も良いことはありません。
どうせやるなら楽しくやったほうが良いです。
嫌々やっても何の得もありません。
何も得しないとわかっているのに、なぜ面倒くさがってしまうのか?
僕はこの感情を克服したいです。
ということで、ひとまず僕がどういうときに「面倒くさい」と感じるか整理してみました。
・やりたくないことをやらなければいけないとき
・苦手なことをやるとき
・得意なことでも慣れたり飽きてしまっていることするとき
・労力に対する見返りが小さそうなとき
ちなみに僕は漫画家ですが、漫画を描くときは常に面倒くさいです。
面白いことは大体面倒くさい気もします。
そもそも生きるのが面倒くさいです。
だけど、面倒くさいのは非歓迎。
どうすれば面倒くさくなくなるのだろう?
・やりたくないことをやらなければいけないときの解決策→やりたくないとか考えない。思考を停止する。
・苦手なことをやるときの解決策→苦手とかとか考えない。思考を停止する。
・得意なことでも慣れたり飽きてしまっていることするときの解決策→慣れたとか飽きたとか考えない。思考を停止する。
・労力に対する見返りが小さそうなときの解決策→見返りとか考えない。思考を停止する。
思考を停止すればすべて解決することがわかりました。
つまり、クーラーボックスを眺めて少しでも「面倒くさいな」と感じたら、「何も考えずにガンガン捌く」ことが重要です。
増してや初心者。
「命を奪っておいて面倒くさいとは何様だ!?」と呪文を唱えることにしました。
引き続きサビキにハマっています。
サビキとはこんな釣り。
海釣りスタートガイド>トリックサビキ
イワシやアジ、サバなどを中心に小魚がたくさん釣れるのがサビキ。
いっぱい釣れるから楽しいです。
この日はイワシ、サバが大漁。
多分100匹ほど。
そうなんです。
釣れる時は簡単に100匹釣れてしまうんです。
僕が1時間で捌けるイワシの数は50匹。
100匹捌くのに2時間。
さっそく思考を停止しましょう。
3枚に卸して中骨は骨せんべいに。
面倒くさいからといって骨を捨てたりしません。
揚げたてはパリパリ。
ポテチの10倍美味いです。
身はお刺身に。
マリネにしました。
3枚に卸して腹骨を切り、皮を剥ぎ塩を振って冷蔵庫で1時間、塩分を洗い流してから10分ほどお酢で締めます。
まったく面倒くさくありません。
これまでは「食中毒になったらどうしよう?」「寄生虫怖い」などと考えてしまい、生ものは避けていたのですが、それでは料理のレパートリーは増えないままです。
悪い想像をするのはやめましょう。
思考を停止すれば解決です。
翌日はみりん干しと豆腐とニラのスープ、冷奴。
みりん干しは塩を振ってから水洗いし、醤油とみりんに漬け込み水気を拭き取り、カゴに入れて一晩干すだけ。
何て面倒くさくないのでしょう。
そして、また100匹。
面倒くさくない…面倒くさくない…。
マリネでお腹が痛くならなかったので、捌いてそのままお刺身もいってみました。
思考停止最高。
鮨。
人生初握り。
握るのムズイ…。
シャリはイマイチでしたが、まずまず美味しいです。
天ぷらも面倒くさくありません。
さて、行くところまで行きましょうか。
イワシのなめろう。
お刺身は2種類作りました。
塩締めと酢締め。
骨せんべいはもはや定番。
油をひっくり返して顔をヤケドしたけど無問題。
思考を停止すれば熱くありません。
温度調節がうまくいかずしっとり気味になってしまったの悔やまれます。
握りも2種類。
丸干し。
締めは残しおいたなめろうでお茶漬け。
出汁も丁寧に引いてやりました。
翌日はイワシにマヨネーズとマスタードを塗り、パン粉と粉チーズをまぶしてオーブンで焼いてサンドイッチ。
もっと焦げ目がつくまで焼いても良かったかな。
で、またイワシ。
イワシと一口で言いますが、イワシにも種類があります。
写真はほぼカタクチイワシ。
12~3センチしかありません。
マイワシ→トウゴロウイワシ→カタクチイワシ→ウルメイワシと数週間単位で釣れるイワシが入れ替わっていきます。
200匹釣ったので「イワシ100匹カレー」
200匹分のイワシの頭を落として内臓を取るだけで3時間以上かかりました。
「残酷だとか言ってるそこのお前!お前は肉も魚も食わずに生きてきたのかよ!?ベジタリアンだと!?野菜も生き物だ!!少なくともオレは自分で手を汚したぜ!!」と呪文を唱えながら捌くとテンションを維持できます。
カレーだけじゃ寂しいよね…?
ということでオイルサーディン100匹分。
イワシは僕を裏切らない。
しかし、そろそろ大物も釣りたくなってきました。
飽きてない、飽きてない…。
近所に手漕ぎボートで釣りができるレンタルボート屋さんがいくつかあり、いつか乗ってみたいと思っていました。
とある朝、散歩がてら現地でボート屋さんに話しかけてみました。
僕「あ、今度、ボートを借りてみたいと思っているんですけど、まだ利用したことがなくて、いろいろ教えていただけないでしょうか?」
ボート屋さん「ウチは予約しかやってないよ」
僕「はい、もちろん。今借りたいということではなくて、今度予約したいと思っているんですけど、どういう準備が必要なのかな?と思いまして。 何が釣れるかとか、この魚を釣りたいならこういう仕掛けが必要とか」
ボート屋さん「ボート乗ったことあるの?」
僕「いえ、初めてです。遊漁船は何回か乗ったことがありますけど、手漕ぎボートは乗ったことがないので、いろいろ教えていただけないかと思いまして」
ボート屋さん「ハハハ、無理だね。ボートは乗ったら自分で全部やらなきゃダメなんだ。ボート乗ったことある人に連れてきてもらいな」
僕「はぁ…、そうですか。じゃあ、初心者は借りることはできない感じですかね?」
ボート屋さん「無理だね。初心者には貸せないね」
とりあえず手漕ぎボート釣りに詳しい人と知り合ってから出直してこいということらしいです。
「イワシなんかいくら釣ったところで何の経験にもならない」と言われたような気分になりました。
ええ、被害妄想です。
が、釣りを始めた頃にあった壁が、再び目の前に現れるのを感じました。
これだけトリックサビキ(餌釣り)でイワシばかり釣っておいてなんですが、僕は基本はルアーで魚を釣りたい人です。
夜中に近所の堤防でよくルアーを投げています。
だけど、釣れるのはエイやフグばかり。
僕の技術では陸っぱりからルアーで大型魚はなかなか釣れません。
泳がせ釣りとい釣り方があります。
まずイワシなどの小魚を釣り、それを針に掛けて泳がせます。
大型魚がそれに喰い付き…という算段です。
いろんな堤防でイワシが大型魚に追いかけられている姿を目撃しました。
実際に泳がせ釣りをしている人を何度か見かけました。
僕は僕の釣り方で大型魚にたどり着こう。
ボート屋の一件が悔しかったので、いつものようにイワシを釣り、それを泳がせてみました。
…と!?
竿がしなりました。
THE・食物連鎖。
70センチジャスト。
念願のご近所シーバスです。
イワシに夢中で忘れかけていました。
そう言えば、近所でシーバスを釣り上げるのがずっと目標でした。
シーバスは専門のガイドボートをチャーターしてこれまで200匹以上釣りましたが、この1匹は格別に嬉しいです。
近くでイワシを釣っていたカップルに「スゴーイ、スゴーイ」と言われました。
君たち、結婚しなよ。
まずはムニエル。
喜びとは裏腹に若干臭みがあります…。
血抜きが上手くできていなかったのかな…?
東京湾より水は綺麗なはずなんだけど…。
翌日はお刺身。
やや臭みアリ。
なぜだ?なぜだ!?
さらに2日寝かせてお刺身。
うん、これは問題なく美味しい。
数日熟成させた方が匂いも落ち着き旨味も凝縮感があります。
天ぷら。
とりあえず揚げておけば無問題。
最高。
カマ焼き。
これも美味い。
オーブンに入れて低温で40分焼いてみました。
時間かけるの大事。
アラに塩を振って半日水分を出して臭みを抜き4日間熟成、90℃くらいのお湯を回しかけてさらに臭みを取り、オーブンで焼いてほぐして混ぜご飯。
まったく臭みなし。
すごく美味い。
さて、1週間かかって粉々になるまでシーバスを食べ尽くし、久しぶりに釣りに行くと海の中は様変わりしていました。
サッパ。
イワシサイズの小魚ですが、身が薄く食べることろが少ない上に骨っぽいため関東の釣り人には嫌われています。
が、釣っても釣ってもサッパ。
釣れたそばから捨てられる嫌われ者のサッパ。
僕みたいだな。
そんなサッパですが、岡山県には「ママカリ」というサッパを使った郷土料理があり、「隣の家までご飯を借りに行くくらい美味しい」という意味なんですって。
やたら釣れるので「ママカリ」に挑戦。
3枚に卸して腹骨を落とし塩を振ってお酢に漬けるところは、イワシのマリネと似ています。
皮を剥がない分、下処理はちょっと楽です。
違うのはお酢につける時間。
3日くらい漬け込みました。
嫌われ者、美味いです。
お酢で骨は柔らかくなっていますが、身はしっかりと歯ごたえが残っています。
酸っぱすぎて、確かにご飯が欲しくなります。
写真を撮っていないことに気がついた時にはほとんど食べ終わる直前でした。
寒くなってきて根魚の季節です。
久しぶりに大きなメバルが釣れました。
30センチ。
メバルは堤防からワーム(ルアーの一種)で釣ります。
シーバスを釣った時に締め方に若干問題があった気がしたので、その後、Youtubeで締め方動画を見まくりました。
さっそく試してみます。
釣った直後にドライバーで脳を突いて即死させ、エラと尾を切って、背骨上部の穴にワイヤーを通して神経を抜き、海水に身を漬けてフリフリしながら5分ほど血抜き。
帰宅後、背骨下部の大動脈にホースで水を通しさらに血抜き。
水気を切って3日ほど冷蔵庫で熟成。
煮付けにしてみました。
あぁ…これはマジで美味しい。
本当に美味しい。
思考を停止すればすべて解決。
むしろ、もっと捌きたいです。
面倒くささの向こう側にある景色を見せてください。
「イワシの頭も信心から」って噂は本当かも知れません。
ところで僕は根に持つ性格です。
あのボート屋、許せねーぜ…。
ということで取りました。
小型船舶免許。
乗せてくれないなら、自分で乗ってやろうかと。
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