釣りをしていて考えたこと9

相変わらず釣りを続けております。

ところで、最近車を買い替えました。
釣りに出かけるのは仕事前後の早朝深夜が多く、となると車で出かけることが多いのですが、「車に釣り具を積みっぱなしにしておきたいな」「いっそのこと車に住んじゃおうかな」と思いまして、中古のハイエース。
それまで乗っていた車は知り合いが良い値段で買ってくれたので、そのお金にちょっとプラスして。


天井にロッドホルダー(釣竿を収納するヤツ)を取り付けてみました。


ベッドキットも取り付けて、すっかり路上生活をしております。
釣りを始めて以来、鍵を忘れて自分の事務所に入れないことが増えた気がするのですが、多分、帰巣本能が迷走しているのだと思います。
自宅が自分の家なのか、事務所が家なのか、車が家なのか…?

さて、車を釣り仕様にして「何を釣ろうか?」と言いますと、実はサビキをしております。
僕がやっているのはサビキの中でも「トリックサビキ」と呼ばれるもの。
トリックサビキとはこんな感じ。

海釣りスタートガイド>トリックサビキ


手軽なので小さなお子さんやファミリーフィッシングに最適!…ですが、逆に本格的に釣りを趣味にする人にとっては、少々物足りないかもしれません。
釣れる魚は大体20センチ以内で、初心者向きと言うか。

で、僕は初心者なので、堤防のフチから糸を垂らして、イワシやアジ、サバなどの小魚ばかりを釣っています。
普段は近所で小魚を釣って、時々、メバルやカサゴなどの根魚をワームで狙い、たまにシーバスボートに乗るというのが定番になってしまいました。
釣りを始めた一昨年から変わらず、「釣ったら食べる」を基本にしておりまして、結局、食べて美味しいのはイワシ、アジ、サバだな、と。

これがよく釣れるんです。
1時間で50匹くらい釣れる日もあれば、3時間で10匹しか釣れない日もありますが、まったく釣れないということはまずありません。
まったく釣れないことはないにしても、潮回りや時合いによって釣果が大きく変化するのが特徴で、「この日、この時間にここに行けば釣れるはず」と計画を立てて、その通りに釣れると、大自然というシステムに自分がリンクできたような気持ちになり、不思議な喜びが湧いてきます。
今の僕にはちょうど良いです。

ハイエースでいろんな港を行ったり来たり。


で、アジフライ。
12~13センチのアジを内臓を取って腹を開き、頭と骨を残したままフライにしてみました。
…が、骨が硬い。
アジはこの大きさだと丸ごと食べられない、と学習。


小サバ。
これは15センチ前後でしたが、頭を落として内臓を取り、骨は残してみました。


みりん干しに。
かなり美味しい。
サバの場合、干して焼けば15センチでも骨までイケました。


夜中3時に起きて、1時間釣りをしてから事務所へ。
スタッフが出社する前に捌き終わって、何食わぬ顔で仕事をしているのが目標です。


スタッフが冷蔵庫を開けると、大量のアジとサバが待機しているという仕掛けです。


みりん干しを天ぷらに。
塩分スゴそう。
体に悪そう。
が、体に悪いものは美味いのです。


前の車を譲った知人に奥多摩に誘われました。
以前の自分が乗っていた車に乗せてもらって奥多摩ドライブ。
釣り堀でニジマス釣り。
5匹まで釣ったら持ち帰ることができるらしく、開始10分で5匹釣れてしまいそうだったので、針にかかってもバラすようにしていたら、途中からまったく釣れなくなってしまいました。
釣り堀にも「時合い」というのがあるんですね。
釣り堀の魚も大自然システムにリンクしているようです。

釣ったニジマスは釣り堀横のお店で塩焼きにしてもらいました。
マス系は美味しい。


が、塩焼きはやはりアジが最強。
3枚におろして小骨も毛抜きで取って七輪で焼いてみました。
塩焼きは骨がない方が好き。

メジナとトウゴロウイワシも焼きました。
メジナは不味いという人もいるけど、僕は好きです。
美味しい、美味しくないは釣った後の処理法と調理法次第。

…のはずが、トウゴロウイワシは塩焼きはあまり美味しくない…。
イワシと名は付いているもののボラの仲間らしく、脂が少なく焼いて食べるとパサパサしています。
調理法が良くないのかな?


そう言えば、似顔絵を描きました。
知り合いの知り合いに頼まれまして。


すると、似顔絵が高級なお酒に化けました。
絵を描いたらお酒をもらえるシステムのようです。

料理はトウゴロウイワシとマッシュルームのアヒージョ。
脂が少ない魚は、オリーブオイルで煮れば良いと考えたのですが正解。
身はしっかり歯ごたえがあり、しかもジューシーという美味しい食べ物が出来上がりました。

そしてある日、大事件発生。

サビキでは、アミエビというプランクトンの一種を餌として使いますが、アミエビは大抵ブロック状に冷凍して売られています。
値段は300~400円でそれほど高くありませんが、冷凍ブロックがそれなりに大きいので、事務所の冷凍庫ではいくつも保存することができません。
なので、前日か釣りに行く途中で釣り具屋さんに立ち寄って買うことが多いです。

その日はなぜかアミエビを2ブロック購入しました。
以前、購入したアミエビを釣りの途中で海に落っことしてしまったことがあり、予備用に2個買ったような気がします。
が、普段しないことをしてはいけませんね…。
2個目は開封することもありませんでした。

そして、その日の釣りを終え出社。
釣りのし過ぎで仕事を溜め込んでしまい、それから5日間泊まり込みで仕事をするハメになりました。

今年の夏は猛暑でした。

5日後、駐車場に向かうと50m手前から異臭がします。
鼻を突く臭いに違和感を覚えながら車に近づくと、その臭いの発生源が自分のハイエースであることがわかりました。
僕は理解したのです。

「あ…、あのアミエビだ…」

車のドアを開けると、「異臭」は「死臭」に変わりました。
多分、殺人現場ってこんな臭いなんじゃないのかな?って臭いです。
絶対に人を殺してはいけません。

アミエビの入った袋はガスが発生してパンパンに膨らみ…、それからのことは思い出したくもありません…。

1週間たっても臭いがまったく取れません。
せっかく買ったハイエースが台無しです。

ああ…、エサ釣りなんて2度としない!


ということで、シーバスボートを予約しました。
シーバスはルアーで釣ります。
ルアーは疑似餌。
魚の形をしたおもちゃを操作して釣ります。

その日は船長が開発したという新しいロッド(釣竿)を使わせてもらい大爆釣。

普通、ボートシーバスというと2m前後の短いロッドを使うことが一般的です。
短い方が狭いボートの上では扱いやすいということで。
が、船長は長いロッドを使う方で、僕も船の流儀に合わせて長いのを使ってみました。

長いロッドを使った方が飛距離が出るので、短いロッドで頑張って投げていた距離に簡単に届きます。
つまり、余裕を持ってルアーを投げることができるので、コントロールが容易です。
「今まで短いロッドで頑張っていたのは何だったんだ?」と思うくらいヒョイヒョイ投げられるので、すぐに気に入りました。
ただ、飛距離を出せるということは、それだけロッドのしなりに対する反発力があるので、魚がそれに引っ張られて簡単に浮いてきてしまい、エラ洗いしやすいのです。
エラ洗いはシーバス特有の動きで、水面からジャンプして激しく首を振る動きのこと。
その時に針から外れてしまうことが多いので、エラ洗いしないように魚を制御しながら釣り上げるのが難しかったです。

釣り上げたのは50~60センチクラスを中心に17匹。
一番大きいのは72センチでした。
途中でバラしてしまったのは、多分、40匹くらい。
3匹に1匹しか釣り上げられなかった感じでした。

持ち帰ったのは17匹中2匹。
食べる分だけ持ち帰り、あとはリリース。
リリースした魚が元気でいてほしいと願いつつも、やはり、釣りは残酷な趣味だと思います。
趣味で命を弄んで良いのか未だ答えが出ないので、釣り場ではゴミ拾いをして帰るようにしています。


で、シーバス漬け丼。

現地で血抜きして皮も取ったので、臭みはまったくありません。
ただただ美味しいです。


翌日は天ぷらに。
これもかなり美味しかったです。


車の臭いも多少弱くなってきたので、サビキを再開。
結局、懲りないのです。
アミエビの扱いには慎重になりました。

2週間前はサバしか釣れなかった場所に行ったのですが、サバはまったく釣れなくなり、代わって釣れるのはひたすらカタクチイワシ。
トウゴロウイワシも釣れなくなって、マイワシが少し混ざり始めました。
サバは成長して沖に出て行ってしまったようです。
多分、一斉で沖に向かうんでしょうね。
本当に1匹もいない。
大自然システム、スゴイ。


オイルサーディンを作るぞ〜、と意気込んでいたのですが、やっぱり素の味の状態を確認しようと丸干しに。
うわっ、最強。
これは何を作っても美味しそう。

オイルサーディンもいいけど、いっぱい釣ってアンチョビを作りたいなぁ。


サビキでは実はいろんな魚が釣れます。
写真はタカノハダイですって。
釣ったは良いけど、名前がわからなかったのでSNSで質問したら、すぐにわかりました。
ネット便利。

目的以外の魚を「外道(げどう)」と言うらしいんですけど、これまでサビキで釣った外道はアイゴ、ウミタナゴ、ヒイラギ、小メバル、ベラ、ゴンズイ、ハオコゼ、クサフグ、メジナ、セイゴ、ネンブツダイ、ムツ系の何か、他にもいろいろ釣った気がします。
「外道」って、漫画の中でしか聞いたことがない言葉なので、普段使いすることには未だに躊躇します。
その辺りも初心者なんですかね?


イワシをニンニク、オリーブオイルで焦げ目がつくまで焼いて、残り物のラタトゥイユにトマトを加えて、赤ワイン、赤ワインビネガーで伸ばして煮込んでみました。
旨味がスゴイ。
旨味成分の塊みたいな物体が出来上がりました。
イワシ、スゴイなぁ。
これから秋にかけてどんどん大きくなっていくんだろうなぁ。

先日、これまで行ったことのない河口に行ってみました。
昼間、見に行ったら、クロダイがいっぱいいたので、別の日の夜にちょっとだけ。
何も釣れませんでしたが、他の釣り人から話しかけられました。
代わる代わる3人に。
「何を釣っているんだ?」という話になりますが、1人目は「ここにいるクロダイは釣れない」と言います。
2人目は「引っ掛け釣りで釣れる」と言います。
3人目は「釣れないことはないけど、時合いが難しい」と言います。
ベテランっぽい人でも、それぞれ言うことが違うのが面白かったです。

以前は話しかけられても、専門用語がわからず会話が成り立たないことが多かったのですが、多少相手にしてもらえるようになってきたのが嬉しいです。

いろいろやってみたいなぁ、と思いつつ、今知ってることで十分楽しめているので、仲々次に行けずにおります。

ひとまず、早くハイエースが臭くなくなりますように。

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