一智和智ロングインタビュー

2014年、ある少年誌でひとつの連載作品が終わりました。

(バーサスアース 最終巻)

作品のタイトルは『バーサスアース』(原作・一智和智/作画・渡辺義彦)。週刊少年チャンピオンに2012年から連載され、単行本は全9巻が発売中。突如として地表に出現した「深柱」と呼ばれる謎の物体によって急変する世界と、主人公ハルトの戦いを描いたSFバトルアクション漫画です。

作中には「深柱」「重力針」「地質災害研究機構」「自立五連式防御盾機構」など独自の専門用語が数多く登場し、作り込まれた世界観、戦闘シーンはマニアをも唸らせる完成度。緻密な伏線の積み重ねと壮大なスケールで展開する物語は、まさに「本格派」という言葉がふさわしく、今も多くの熱心なファンを抱える「王道と個性」を兼ね備えた作品となっています。それだけに突然の連載終了は多くの読者を驚かせました。

しかし、その翌週にはさらに驚くべき出来事が起こります。原作者の一智氏が連載終了翌週に「バーサスアース」の続編「ウォーハンマー」をインターネット上で公開。元々漫画家として活躍していた原作者の一智氏は作画を自ら行ない制作を続けたのです。

(続編「ウォーハンマー」)

突然の連載終了と続編公開は読者の憶測を呼び、編集部をも巻き込み大反響を巻き起こしました。

なぜそんなことをするのか?なぜそんなことができるのか?渦中の一智氏にお話を伺いました。(インタビュー/文章 佐藤秀峰)


(焼き鳥屋のカウンターでインタビューさせていただいました)

佐藤秀峰(以下 佐藤):今日はよろしくお願いします。さっそくですが、デビューはいつ頃ですか?

一智和智(以下 一智):よろしくお願いします。デビューは96年だったと思います。リイド社の「恐怖の館」というホラー漫画誌の増刊号「稲川淳二の怖い話」という雑誌で、読み切りが掲載されたのが最初です。掲載誌はすでに手元になく、タイトルも忘れてしまったのですが、まだ本名で活動していました。ほぼ同時期にぶんか社の「まんが ガウディ」という雑誌にも読み切りが掲載されました。多分、佐藤さんと同時期くらいにデビューしていると思いますよ。実は年齢も結構近いです。(※佐藤注:佐藤は41歳)

佐藤:そうでしたか。90年代は増刊号が多く発行された時代でしたよね。「まんが ガウディ」もありましたね。デビューまでは作画スタッフなど下積み時代もあったんですか?

一智:ガウディは井上三太さんや南Q太さんの作品が掲載されていて、結構、濃い雑誌でしたね。アシスタント経験はほぼ無くて、ヘルプ(アシスタント)をたまにやっていた程度でした。というか、デビュー当時から別名義でアダルト作品も並行して雑誌に描いていました。

佐藤:アダルトもですか。そちらはどういうきっかけで?

一智:生活のためですね。自分の漫画を描いて生活をしたかったので、自分から原稿を持ち込みました。当時の原稿料は1枚¥5,000円くらい。僕は雑誌やジャンルにはあまりこだわりが無くて、デビューした後はヤングチャンピオンの新人賞に応募しています。それが入賞→読み切り掲載され、連載にもつながりました。「轟の乙女荘」という作品です。いわゆるハーレムモノになりますが、当時、「ラブひな」が流行っていて、「ハーレムモノをやろう」という編集者からの提案で始めたものです。人気もあって99年連載開始から2001年の終了まで全7巻が出ていて、発行部数は20万部くらいでした。

(ラブひなっぽい?)

佐藤:おお、20万部はすごい。順風満帆じゃないですか。当然次回作もヤングチャンピオンで描いて欲しいという話になりますよね?

一智:そうですね。その後「ハルカミラクル」という作品を同じくヤングチャンピオンで連載しましたが、こちらは全2巻で終了しました、次に盲導犬を取材したドキュメント風の読み切りを描いて好評だったので「次はこれで行こう」となってたんですがずっとお世話になってた担当者の移動やらいろいろがあって、停滞していた所にコアマガジンからお声がかかったんです…。そうはいっても恩義もありますし、迷った挙句、「絶対単行本が出るから!」とヤングチャンピオンから引き抜かれた形で連載したのですが…。

佐藤:どうなりました?

一智:創刊号で休刊してしまいました。

佐藤:それは酷い!今更ヤングチャンピオンにも戻りにくいでしょうし、行き場がなくなってしまいますよね?

一智:さすがに声をかけた編集者も悪いと思ったのか、半年後別誌に移籍して連載が続くことになりました。「三国志F」という作品です。Fカップのグラビアアイドルがタイムトリップする三国志モノです。

(Fかぁ…。僕はこう…、小ぶりなほうが好きですかねぇ…)

佐藤:ブッ飛んでますね。

一智:タイトルも設定もすべて編集部の企画で決まっていたんですよ。僕はエロも描けるということで(白羽の矢が立った)。「@BUNTA」というエロ月刊誌に移籍して、その後さらに「実話マッドマックス」に掲載誌を移しています。

最初に声をかけてきた編集者が、その後、因縁のある編集者なのですが、彼は何と秋田書店に転職してしまいました。

佐藤:秋田書店から作家を引き抜いておいて、自分は当の秋田書店に転職ってスゴイですね…。

一智:この業界狭いんで、佐藤さんも知っている編集者かもしれませんけど…

佐藤:え?誰ですか?え?え?あ…あの人…?あぁ〜…、Mさん。確かにマッドマックスにいらっしゃいましたね。しょっちゅう合コンのお誘いが来るんですよ。何度か参加したんですけど、毎度、某大物漫画家さんがいらっしゃって、あんなことや◯◯があって、××して△♂♀♡♡〜〜〜、壁に向かって△◯×☆★※〜〜(略)。

一智:あの辺はちょっとアンダーグラウンドですよね。結局、「三国志F」は2年経ってようやく単行本化されることになりました。価格は1360円で印税は0%でした。

佐藤:0%!?

一智:増刷分からは印税を支払うので、初版は定価1360円の印税無しでと言われて。その条件が飲めなければ単行本は出せないというので、「やむなく」ですね。途中から担当を引き継いだ編集者は「1360円…僕なら買いません」と言っていました。それでも意外に売れて初速の実売率は6割超えたんですが重版はかからず、2巻が出たのも2年近く経ってから…その時はすでに50~60話は描いていました。2巻は印税は2%。3巻が出ないまま雑誌が休刊になり…最後は80話まで描いていたので8巻分はありました。

佐藤:こう言っては何ですが、なぜそこまでして描くのですか?途中で嫌になっちゃったりしませんでしたか?

一智:うーん…、意地ですね。途中まで描いちゃったし、作品は可愛いじゃないですか。ちゃんと終わらせたいですし。

後、僕の場合は単行本の印税が期待できないから人件費をかけられないので一人で描く技術が身についてしまって、それでなんとかできちゃったのかな、という反省はあるのですけど。

今年、30冊目の単行本が出たんです。ヤングチャンピオンや集英社のプレイボーイの携帯サイトや、漫画サンデー、ワニマガジンなど、エロでも何でも場所は選ばずいろんな所で仕事をしてきました。最初に「僕は雑誌やジャンルにはあまりこだわりが無い」と言いましたけれど、それが良くない部分でもあるのかなと。

最終的に漫画を描いて勝つ人は、無料投稿サイトみたいな場所で無償でも好きで描いている人なんじゃないかと思う時があるんです。自分にはそういう気持ちがなかった。

佐藤:「最終的に漫画を描いて勝つ」とはどういうことですか?

一智:よく新人漫画賞の応募作などで「絵は上手いけど何を言いたいのか(したいのか)分からない作品」というのが、あるじゃないですか。漫画を描く人の多くは、例えば「ドラゴンボールみたいな漫画を描きたい」とか、お絵描きの延長がスタートで、描き始めの時点で本当に言いたいことがあって漫画を描いているという人は意外に少ないと思うんです。その中で本当に言いたいことができた人だけが生き残っていくのだとしたら、そこを抜け出せない人って多いですよね。

佐藤:「最終的に漫画家として生き残るのは、経済に左右されず本当に描きたいことがあって、描いてしまう人だ」ということですかね?

一智:そうですね。佐藤さんは描きたいことがある人なんだと思います。売れてますけど。突き詰められた人が勝つというか…漫画の魅力のひとつは、「何もかも自分でできること」だと思いますが、自分だけでは出来ない場合もありますよね?

「バーサスアース」では僕は原作者でした。(作画家の)渡辺くんに対して不満があるとかでは無いですが、やっぱり自分も絵を描けるのに描かない以上どこか仕事だからと割り切ってやるしかないな、と思うところがあって、それってどこか純粋なじゃないというか、「本当に言いたいことは伝えたのか?」「突き詰めて考えたのか?」と反省があるんですね。仕事だから仕方ないと諦めていたんじゃないか?それを編集者に見抜かれていたのかもしれないなって。

だから、今やっていることは不誠実だった自分への贖罪なんです。でも、「もういいだろう。許してください」みたいな気持ちもあって…、本当はそろそろ楽になりたいんですけど(笑)

佐藤:「今、やっていること」というのは、「バーサスアース」の続編執筆のことですか?

一智:そうです。今描いている続編は「ウォーハンマー」と言います。「バーサスアース」を描いている頃は担当編集者は2人いて、きつかったですね。メインの担当に「僕は少年漫画のことは9割分かっているので、言うことを聞いてください」と言われて、サブの新人に編集者には「僕もその意見に賛成です」と言われ2対1になって言うことを聞くしかなくなって…。

聞いてしまっていた自分への後片付けを今やっているんです。

(苦労が横顔に刻まれております)

佐藤:すごく興味深いお話なのですが、まずは「バーサスアース」について、最初から聞かせてください。そもそもはどういう始まりだったんですか?

一智:そうですね。コアマガジンから秋田書店に転職した編集者がいたことはお話したと思うのですが、実は彼が「バーサスアース」の担当者でした。Mと言いますが、彼は秋田書店移籍後もずっと「こっちで漫画を描きませんか?」と声はかけてくれていました。それで「三国志F」が終わる前に少年チャンピオン用のネームは出していたんですよ。30代の内にやりたいことはやっておきたかったので。

佐藤:「三国志F」で酷い目にあったのに、またMについていっちゃうんですね。

一智:押しが強いんです「一緒におもしろいことやりましょうよ」って熱量が凄い、乗せるのがうまいタイプ。で、提出したネームを読んでMは喜びました。初稿でOKが出て、「頼んで良かった」と絶賛でしたね。でも、編集長に見せたらNGでした。もっと少年誌っぽい熱血なら熱血、ウジウジならウジウジ…極端な主人公にしてくれと。僕はもっとフラットなものにしたくて、今の読者に共感して欲しかったので、そこは直したくないわけです。

Mにそのことを伝えると、「分かった。直さずに済む方法が一つだけある」と。僕とは別に少年誌っぽい絵柄の作画家を立てれば、このままでイケると言うんですね。「それが嫌なら連載も無理だ」と、結局このまま自分で描くのを待っていても載りそうもないので作画家を立てることをOKしました。

佐藤:その後、作画家にはお会いになったんですか?僕だったら自分のネームを奪った作画家と仲良くできる自信がないです…。

一智:奪われたという気はあまり無くて…、向こうも「おもしろいからぜひやらせて下さい」と言ってくれたんで、悪い気はしないし仲良くなって(作画家と)2人で飲んだりもしましたよ。1話を見せてから実際に連載が始まるまで、実は2年もかかっているんです。その間に「載らないなぁ。本当に載るのかなぁ?」って2人で。Mは作家を追い詰めるタイプの編集者で、作画家の渡辺くんに僕の原作ネームを「自分流にアレンジして描き直せ」と命じたりしていましたね。このやりとりが時間がかかった原因のひとつでもあるんですが、物語への理解度は原作者の僕のほうが当然深いわけで、渡辺くんにとっては酷な命令だったと思います。そうして切り直したネームにダメ出しをして結局使わない、なんのためにそんなことをしたかと聞くと「こうなることは大体わかっていた、作画に専念してもらうため勝手にネー ムを変えてはいけないことを分からせなければいけないから」とのこと。一見合理的ですが僕はこれ作家の自尊心を傷つける無駄な作業だと思いました。今それで納得しても描き続けて行けば自分の色を出したくなるのは分かりきってることですから…。当然連載が進んでいくとネームに多少のアレンジは加わるようになりました、これに関しては僕はある程度自由にやってもらったほうが結果的にいい絵が入るからいいんじゃないか、と考えてます。

そんなわけで渡辺くんとは苦楽を共にした気持ちと、もともとは自分も絵を描けるので確かに複雑な気持ち、両方がありました。向こうも自分で考えたんじゃない話を描くのは複雑だったと思います。複雑だけれども、一緒に頑張ろうという気持ちを双方が持っていました。

佐藤:Mさんは「作家を追いつめるタイプ」ということですが、編集者は作家をコントロールしようとするタイプや、プロデューサータイプなど、いろいろなタイプがいますよね。

一智:それで言うと、Mはコントロール型ですね。

佐藤:連載開始後はどうでしたか?

一智:開始後はネームの直しの嵐ですね。Mは、自分が一旦ネームを修正すべきだと思うと「方向性の問題ではなく、質の問題だ」と言って意見を譲らないんです。もちろん正しいアドバイスもたくさんありましたがそうでないと思うこともある、でも向こうは絶対譲らない…で、さっきも言いましたがもう一人の編集者は「僕もMさんの意見に賛成です」っとしか言わないので多数決でこっちが間違っているということになる。

具体的に言うと…、Mはとにかく話を詰め込ませるタイプでページあたりのコマ数はどんどん増えて行く。僕はここぞというときは大きくコマを取るんですが絵的に見栄えのする大コマも小さくされる。ある日「編集長にもっとインパクトあるコマは大きく見せろと言われたが僕らには僕らのやり方があるので無視しましょう」と言われたんですが、編集長の指摘と作家の指向が同じなのに無理矢理、逆を貼らせるっていうのはきついですね。

結局、Mは連載終盤で多忙を極めたため担当を降りました、サブだった新人編集者が引き継いで、ある時、彼のリクエストで新キャラを2人出したんです。それからすぐに打ち切りが決まりました。「8巻で終われ」と。ネームは大分先行して描いていたので、結局9巻で終わることになりました。風呂敷拡げさせた直後に終われって…、「無茶を言うな」と思いました。

佐藤:普通に理不尽ですね…。僕も「ブラックジャックによろしく」を描いていた頃に似たような経験があったのを思い出しました。僕の場合は従うということができない人間なので、人間性まで否定されていましたが、あれ、辛いんですよね。いうことを聞かない限り、こちらが悪いことになってしまう。

一智:連載が終わることについては、数字の問題であったり仕方がないことだと思っています。連載末期での新キャラ投入のことを見ても物語自体は拡大路線だったので、それをまとめる方向で終わらせるとあらすじ程度しか描けなくなります。だったら、主人公の内面の物語に帰結して「彼は戦士として生きる決断をした」という終わりにしようと思いました。

佐藤:意地悪な言い方になりますが…、つまり、「続編も描けるような作りにしよう」と?

一智:具体的には考えていなかったです。無理矢理まとめてダイジェストになるのだけは耐えられなくて、最終回間際に関してはいくつかの案を持って作画家に相談しに行きました。続編云々に関してはMには「渡辺くんにはすぐに次回作に取りかかってもらう予定だけど、君は相当面白いネームを持ってきても載らないよ」とはっきり言われていましたので、続編を描いても発表できるアテがなかったというか。

Mは優しいといえば優しいんです。変に生殺しのようなことはせず、 「相当面白いネームを持ってきても載らない」と事実を隠さずに伝えた点は評価しています。実際、女性誌の編集者を紹介されました。と言っても、女性誌編集者からは「校了が終わったら改めて連絡する」と言われたきり連絡がなかったんですけど。

佐藤:それって紹介されたとは言わないんじゃ…?

一智:う~ん、一応重版もかかってるし「枠がほしい」なんて偉そうなことは言えないまでもどこかでネームくらい見てもらえるだろうとは思ってたのでショックでしたね、これだけ自分を否定されると、絶望感に体が支配されていて動かないんです。何もできない。どうしていいか分からない。その中で最後に浮かんだのが「続編を描こう」ということでした。それしかできることが考えられませんでしたし、それなら体が動きそうでした。

佐藤:なるほど。続きはすぐに思いつきましたか?

一智:割とすぐに描けました。それしかできないですから。ネームを描いて作画に入る。それでも毎月20ページくらいは通常の仕事の原稿の依頼があったので、それを描いた後に1話20ページを毎月2~3本描くことにしました。

佐藤:サラッと言いましたけど、スゴイですね。一人で描ける量としては限界に近いですよ。しかも、無償の純粋な創作意欲からということなら、先ほどおっしゃっていた「最終的に漫画を描いて勝つ人は、無料投稿サイトみたいな場所で無償でも好きで描いている人なんじゃないかと思う時がある」という言葉を地で行ってるじゃないですか。

一智:いえ、三国志Fのおかげで「お金をかけずに一人で漫画を描く技術」を身につけてしまっているので、なんとか描けるんですよ。とりあえず、ざっとネームを描いて、作画をしながら描写が足りない部分を増やしていく方法で描いています。

ただ、これまでは描き溜めがあり、なんとかできていたのですが、さすがに経済的にも精神的にも辛くなってきています。伏線も回収できて後半に向けやっぱり絵の質も上げたいですし…。

佐藤:先ほど、「贖罪」という言葉を使われました。これまで続編を800ページ以上も描いたということですが、漫画に対して不誠実であった自分への贖罪として800ページも描けるものなのでしょうか。これまでお話を伺ってきて、僕には一智さんが漫画に対して不誠実であるとは感じられませんでした。だとしたら、穿った見方になるかもしれませんが、どこか確信犯的にやっているのではないかという気持ちが拭えないのですが。確信犯ほど純粋なものはないという言い方もできます。

一智:どうでしょうか…。ただ、作画家の渡辺くんには申し訳ない気持ちがすごく大きいけど、彼の中で終わったものを蒸し返したような気もしますし、自分の気持ちを押し付けるだけになってはいけないので、きちんと報告して許諾をいただいていますが、原作者の申し出を断れなかっただけかもしれないと思う時もあります。まあ、これに関しては「そちらはバーサスアースを経て編集部に評価され次の連載準備もしてるだろうけど、自分には何もないので勘弁してください」というしかありません。僕は…やっぱり描きたいというか、描かないと終われないんです。

佐藤:Mに対しては、どのような気持ちですか?

一智:言葉にならないですね。続編が公開されるとすぐにMからクレームが入りました。「バーサスアース」の最終巻が発売される前だったのですが、Mがやってきて、「続編を公開するのであれば、最終巻の発売と取りやめる」と言われました。目の前で作画家の渡辺くんに電話し、「続編公開が続くなら最終巻を出さないけど、出さなくてもいい?」と。当然、渡辺くんは「最終巻を出したい」と言いますよね。で、「渡辺先生もそう言ってるのに、作品を台無しにするのか」ということになる。さっきも言ったように公開前に渡辺くんには続編公開の件は伝えていましたが、それでは説明不足だと。結果的に公開を延期することで納得してもらい、最終巻発売中止とまではなりませんでしたが…。


(続編はPixivで公開されました)

佐藤:コアマガジン時代から考えると長いお付き合いですし、それなりに噛み合う部分があって続いた関係だとは思います。僕の感覚だと編集者を「M」とは呼ばないというか、ちゃんとクソ他人行儀に「Mさん」と呼んで距離を保ちます。何の感情も持ちたくないので。愛憎のようなものがあったということでしょうか。

一智:ありますね。彼も作品を良くしようという気持ちでやったことなのは分かりますし、ただ、抑圧された中で描いてきたことも事実なので、「自由に描いたらどうなるんだろう?」という気持ちがずっとありました。

佐藤:自由に描いてみてどうでしたか?

一智:基本的には良かったです。自分のことがよく分かりました。足りない分があることや、まだ良くなれる余地があることを確認できました。ネットで発表することで、ダイレクトに読者の反応が返ってきますし、話によってアクセス数にはっきりと結果が出たりして勉強になります…大変ですけど(笑)

佐藤:今後はどのような活動をされていくご予定ですか?

一智:続編の「ウォーハンマー」をKindleやWeb媒体で発表していきたいです。限界が近づいてきているというお話をしてしまいましたが、経済的な面についてはクラウドファンディングで製作資金を集めて最終章を描く準備をしたいと思っています。

佐藤:応援しています。今日はありがとうございました。

一智:ありがとうございました。


一智氏は現在、アートクラウドファンディングサイト「FUNDIY」にて『バーサスアース』続編『ウォーハンマー 最終章』制作企画を実施中。ご支援募集締め切りまで50日以上を残して、すでに143万円以上も集まっています。読者はみんな待っていました。

皆さんのご支援でぜひ作品を完成に導いてください!

一智和智『バーサスアース』続編『ウォーハンマー 最終章』制作企画


『バーサスアース』続編『ウォーハンマー 』は、Web雑誌「マンガ on ウェブ」で連載中です。

季刊第2号から連載中。売れてます!

無料お試し版もありますよ。

一智氏の仕事場が見られる貴重なインタビューも付いてます。

その他、僕の描き下ろし新作「Stand by me 描クえもん」やネットで話題の「あいこのまーちゃん」、巨匠 塀内夏子新境地ミステリー「EVIL 〜光と影のタベストリー〜」、郷田マモラ読み切り、「真湖のワイン」「ボカロP物語」などなど、キレキレの作品が目白押しです。総ページ数554ページ。お値段350円。ぜひご購入くださいませ。




製作中の続編はこんな感じですよ!








大事なことなので、最後にもう一度言います。

一智氏は現在、アートクラウドファンディングサイト「FUNDIY」にて『バーサスアース』続編『ウォーハンマー 最終章』制作企画を実施中。
皆さんのご支援でぜひ作品を完成に導いてください!


一智和智『バーサスアース』続編『ウォーハンマー 最終章』制作企画


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佐藤秀峰

漫画家インタビュー

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