初心者が初心者に釣りを教えること

相変わらず釣りを続けております。相変わらずシーバスは釣れず、メバルやカサゴを釣っています。

先日、知人と釣りに行ってきました。

誰かと一緒に釣りに行くのは2回目。知人はルアー初挑戦(釣りは2回目)で、つまり、僕が釣り方を教えてあげる立場です。僕も釣りは初心者です。いつも釣り糸を絡ませてばかりなので、糸の結び方だけは上手くなりました。

で、まだ陽が明るい内にある堤防へ行きました。まずは投げ方の練習。堤防のフチからルアー(ジグヘッド+ソフトワーム)を垂らし、ルアーが沈んでいく様子を数を数えながら眺めてもらいます。何秒でどのくらい沈むかイメージしてもらった所で、実際に竿を振ってもらい、ルアーを海中に沈めてゆっくりリールを巻き、動きを確認します。魚がいそうなポイントをレクチャーし、竿を振り続けました。

が、その日はちょっと風が強い日で、寒いし釣れないし思うようにルアーは飛ばないし、糸はすぐに絡まるし、ふと知人のほうを見ると、すでに気持ちが折れかけているようでした。

「寒いだけだね…」

いえ、違うんです…釣れれば楽しいんですよ…?明るい内にやって来たのは道具の扱い方を知って欲しかったからで、釣れるのは夜になってからなんですって…。今、干潮だし…。

「場所を変えましょう」ということで、風の当たらない別の堤防に車で移動。ホラ、多少は寒くないでしょ…?

段々と陽が落ちてきて、僕のルアーに小さなカサゴがかかりました。それを見た知人は釣れた場所に近づいてルアーを投げ始めました。僕は場所を譲り、時々、絡まった糸を結び直してあげたり。周囲がすっかり暗くなったので「1回休憩してご飯を食べに行きましょうか」と促すのですが、知人はなかなかやめようとしません。

お…?ちょと夢中…?実際に釣るところを目撃して、イメージができたみたいです。

その後、ご飯を食べた後、「ここは絶対釣れるんですよ」というポイントへ移動。最初からそこに連れてけよって?明るい内は漁師さんの仕事の邪魔になりそうな小さなポイントで、暗くなってからじゃないと行けないのです。

移動して10分。知人がメバルを釣り上げました。やった!美味しそうなサイズです!暗いけど、知人が嬉しそうに笑っているのがわかります。

さらに5分。知人がもう1匹メバルを釣り上げました。

さらに10分。今度はカサゴが釣れました。

「これだけ続けて釣れたら気持ちいいでしょ?」

「気持ちいい〜〜〜 !!!」

ああ…この言葉が聞きたかった…。時間は21時を過ぎ、すでに堤防に5時間くらいいることになります。周囲100mには誰もおらず、遠くでバイクの音が小さく聞こえる以外、物音はまったくしません。潮は満ち、風もいつの間にかやんでいます。知人は一言も発さず、黙々と釣りを続けています。この感じ好きなんです…。海の中をイメージしながら、それに自分を一体化させていくような感覚…?普段の仕事や、まとわりついてくるしがらみが全部クソに見えます。

22時を過ぎ「さて、そろそろ帰りましょうか?」と話しかけると、「まだ大丈夫だよ」との返事。何だよ、すっかり楽しんでるじゃないですか。「では、もうちょっと」ということで、結局、23時前までルアーを投げ続けました。

僕は2匹釣れて、知人は3匹。全部持って帰ってもらいました。唐揚げにして食べるそうです。あんまり釣れなかったけど、無事に1日を終えることができて満足。


「知人」と書きましたが、実は一緒に行ったのは息子でした。今は一緒に暮らせていないのですが、父はあなたと釣りに行けて幸せでしたよ。

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