僕の好きな漫画2「北斗の拳」

佐藤秀峰が好きな漫画、影響を受けた漫画をご紹介する「僕の好きな漫画」第2回目。今回ご紹介するのは「北斗の拳」です。

前回の「ドラえもん」に続いて、誰もが知っている作品。今はパチンコ台として有名かもしれませんが、僕にとって「北斗の拳」と言えば、小学生時代を彩った漫画です。Wikipediaより作品概要を引用します。

「『北斗の拳』(ほくとのけん)は、原作:武論尊 作画:原哲夫による日本の漫画。
核戦争によって文明と人々の秩序が失われ、水と食料といった残された資源をめぐって争いが繰り返されるという最終戦争後の199X年が舞台。
暴力が支配する弱肉強食の世界に現れた、伝説の暗殺拳”北斗神拳”の伝承者・ケンシロウの生き様を描くハードボイルドアクション」
だそうです。
「『週刊少年ジャンプ』1983年41号から1988年35号に連載。
1980年代の『週刊少年ジャンプ』を代表する作品の一つであり、原作:武論尊 作画:原哲夫の最大のヒット作にして代表作」
なんですって。
単行本は全27巻が発売されており、「日本国内の累計発行部数は6000万部、全世界では1億部 」ってハンパないです。

連載当時はブルース・リーやジャッキー・チェンなどの拳法アクションブームがあり、北斗神拳という神秘的な拳法の使い手が活躍する物語と、相手の秘孔を突くというアイデアの斬新さや、世紀末の荒廃した世界観がぴったりと時代にはまっていました。
原哲夫さんの圧倒的な画力と、「ひでぶ」「あべし」など、敵の断末魔の謎過ぎる叫び声…、容赦ない暴力性とギャグスレスレの表現に、当時、小学生だった僕も当然のように夢中になりました。
学校では「秘孔」が大流行し、PTAを巻き込んで秘孔禁止令が発令され、漫画と合わせて大ヒットしていたアニメは、見逃すと翌日のクラスの会話についていけなくなる程でした。

作品を連載していた少年ジャンプはそれはそれはすごい人気で、北海道の田舎町では入荷数が少ないのか、発売日ですら入手するのが困難でした。
僕は数冊だけ持っていた少年ジャンプを何度も開いては、ノートにイラストの模写をしていました。


こちらは僕が描いた「ケンシロウ」。

確か小学校5年生か6年生の時のものです。なかなかがんばって描いています。好きすぎて模写しまくりました。

が、うまく描けません…。

がんばって全身を描いてみましたが、小学生には難し過ぎる絵柄でした…。

ついにセリフまで描き込んでいます…。

お、キン肉マンのイラストも発見。

これは何だろう…?超人?


ウイングマンもありました。この頃の少年ジャンプは好きだったなぁ。

じゃなくて、ケンシロウ。北斗の拳、北斗の拳。

とにかく、「好きだ」ということは伝わったでしょうか…?実のところ、物語はあまり覚えていません。とにかく過剰な演出とビジュアルが頭にこびりついています。

僕が漫画家になってから原哲夫さんにお会いした時は、本当に感動しました。
繁華街のど真ん中にある大きなオフィスにお邪魔して、「これがジャパニーズドリームということか!!」と納得したものです。
先の尖った鉛筆が何十本とデスクの上のペン立てに並んでおり、「描いてる途中で鉛筆を削ったりするのが嫌だから、毎日、アシスタントに削らせておくんだよねー」とお話されるのを聞きながら、「よく分からないけど天才っぽいぜ!!」と感動し、「忙しくて自宅にはあまり帰らないが、クリスマスと節分には必ず帰る」という話を聞いては、「これからは節分を大事にしよう」と心を新たにしたものです。奥様にお会いしてまたビックリ。ヒロインのユリアにそっくりじゃねーか!!

子供の頃に憧れていた漫画家はやはり特別な存在です。

後に映画のマッドマックスを観た時は「北斗の拳ってマッドマックスの丸パクリだったのか…」と愕然としましたが、そういうことじゃないのです。その昔、エアロスミスが新人の頃は、その音楽性から「ローリングクローンズ」と呼ばれたそうです。確かに昔のエアロスミスを聴くとローリングストーンズに似ている部分もあります。だからといって、今、ローリングストーンズとエアロスミスを比較する人なんていないワケです。

模倣から入ろうが、スゴイものはスゴイのです。パロディもリスペクトもオマージュも実は大した違いなんかないのかもしれません。もちろん、著作権などの権利関係はきちんとしておかなくてはいけませんが…、って、今はそういう話をしたいんじゃなくて、僕らは「ドラえもん」の子供であり、「北斗の拳」の子供なのです。そんな一時代を作った作品だと思います。

好きな漫画について文章を書くのは楽しいですね。

ではでは、また次回。

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